通行量調査(沼朝記事)

2008-09-07 09:36:45

通行量調査(沼朝記事)

「市街地回遊性は向上せず」(沼朝平成20年9月7日号) 通行量調査の結果から市が考察 継続調査地点は前回より増加 全体では減少に歯止め?  市は、中心市街地歩行者通行量調査の結果をまとめた。調査は七月十三日に二十九地点で実施した。このうち十二地点は継続して調査が行われており、合計通行量を前回調査(十八年七月九日)と比較すると二千百二十七人の増加。しかし前々回調査(十五年七月十三日)との比較では一万四百二十九人と大幅に減少しており、中心市街地における厳しさは変わらない。とりわけ十二地点のうち八地点で前回調査より減少。担当の市商工振興課も考察で、「増加地点は一部分に限られ、中心市街地全体の回遊性向上には至っていない」としている。  調査は商工振興課が商工会議所に委託して実施。調査で得られた数字について同課で分析し、考察を加えた。今年度の調査が行われた七月十三日は晴れだった。継続調査が行われている十二地点では、過去二回の調査結果と、過去五回の調査結果の平均値が示されている(別表)。過去二回の調査時の天候は、いずれも曇りのち雨だった。  まず継続調査十二地点のうち、沼津駅北の二カ所については、いずれも十五年の調査から漸減。とりわけ高島郵便局前(旧ファッション和田前)は過去五回の平均値の五九・七%に落ち込んでいる。  また、駅南においても十地点のうち、過去五回の平均値のないナティ前を除き、八カ所で落ち込みが激しい。とりわけ目立つのがボウルビル前。前回調査結果の三分の一、過去五回の平均値の五分の一近くと大幅にダウンした。  さらに、アイザワ証券前(旧日興証券前)も、前回調査との比較では八○・四%にとどまっているものの、過去五回の平均値に対しては三分の一強。この二カ所について考察は、今年五月のボウルビルの閉鎖、十六年五月の丸井沼津店の撤退の影響を指摘。丸井の撤退で集客力の拠点が失われたことを挙げる一方で、再開発ビル南側正面に位置するタリーズコーヒー前の通行量から、再開発ビル開業で「ほぼこれ(注・丸井撤退で失われた分)に匹敵する機能を有する拠点が創出されたと推察できる」と捉えている。  この考察の指摘について別表を見ると、丸井撤退前の十五年の調査で、旧日興証券前の通行量は九、〇三〇人。一方、今年の調査でタリーズコーヒー前は九、九一七人。数字の上だけでは、ほぼ匹敵する数字。しかし、現タリーズ前は十五年の調査時にも七、一一四人という数字を出している。  また、現タリーズ前における十五年の調査は東西方向のみの通行量だったが、今年の調査では仲見世との間の南北方向についても調べている。同所における前回調査は四、四二一人と極端に少ないが、これは再開発ビルの工事が行われて、歩道の通行に支障が生じていたことがある。  通行量調査は、調査地点における通行量であり、周辺施設への出入りについては考慮されていない。タリーズ前における通行量が前回調査より倍増以上となったのは当然として、前々回調査より増えたことについては、調査対象が東西に加えて南北についても行われたこと、歩道が広くなり歩きやすくなったことを考えた方が自然だろう。  これに関して、商工観光課では「通行量が上向きか現状維持なら施設(注・再開発ビル)の効果があったと考える」としている。  現タリーズ前における通行量は前々回調査から今回調査へ三、○○○人近く増加し、このことを再開発ビルの効果としているようだが、まちづくり会社がまとめている再開発ビルの来客者数(レジでのカウント)によると、今回の調査が行われた時期の一日当たりの平均来客数は三、八七三人。通行量調査で増えた分は、これに近い。だから効果があったと言えるのだろうか。  来客数だけで考えるなら、そう言えるかもしれないが、逆から見ると再開発ビルには、それだけの人数しか入っていないことになる。つまり入場者数が、そのまま来客者数で、それが通行量にも反映したことになるが、そうではないのでは。  通常考えるならビル入場者はもっと多く、その何割かが来客としてカウントされるものだろう。そうならば通行量は、もっと多く、一〇、○○○人を超える数字であってもおかしくない。  一方、継続十二地点における通行量総数を前回調査と今回調査とで比較し、考察は今回調査で増えたことを捉え、「全体的には減少傾向に歯止めがかかった」としている。 しかし、タリーズ前と同様、調査対象の方向が加わっている個所もあり単純に比較できないだけでなく、二回の調査の比較だけでは「減少から増加に反転」ということは言えても、減少傾向に歯止めがかかったと見るのは拙速で、今後の推移を見守る必要があるだろう。  分析は、今後の対策の基になるものだけに、我が田に水を引くようなことは慎むべきだろう。 080907-01.jpg

[ written by ちのです ]

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