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原子力空母、寄港も帰港も願い下げ!真の独立を目指せ

      横須賀ばかりでなく日本の主権はアメリカに侵害されまくっている

海形マサシ2009/08/24
 8月23日、横須賀市の米海軍基地近くにあるヴェルニー公園で、原子力空母ニミッツ(CVN−68)の寄港及びジョージ・ワシントン(CVN−73)の帰港に反対する集会が開かれ、200人ばかりの市民が集まった。

原子力空母、寄港も帰港も願い下げ!真の独立を目指せ | 集会の様子。市長選にも立候補した呉東正彦氏が挨拶(撮影すべて筆者)
集会の様子。市長選にも立候補した呉東正彦氏が挨拶(撮影すべて筆者)
 ニミッツは、ジョージ・ワシントンが母港化配備されて以来、初めての他空母の寄港となる。政権交代が確実視されている選挙期間中に帰港をするのには何か意図があるのではと勘ぐってしまう。

 ちなみに、ワシントンは、9月1日に帰港の予定だ。寄港も帰港も、筆者を含めた首都圏民としては、実に脅威だ。ワシントンは、今年、覚書で禁止されていたはずの原子炉のメンテナンスや修理を行っていた。もはや、米軍は市民の懸念など気にも留めてないようだ。

 この集会に参加した人々は、9条護憲と原子力の危険性という観点から反対を叫んでいるが、筆者のスタンスは少し違う。原子力に対しては大いに反対の立場だが、そのことに関していえば、出力の大きい原子炉をもつ空母が母港化することにより危険性が増大するのは明らかだが、すでにこれまで原子力潜水艦、また、ニミッツを含めた空母が、ワシントンの母港化以前に頻繁に寄港はしている。事故や災害がその時に起これば、それでアウトだ。また、原発推進国の日本らしく、横須賀には核燃料の製造工場があり、昨年には作業員の被ばく事故を起こしている。だから、今更、騒いでどうなるという感はある。

原子力空母、寄港も帰港も願い下げ!真の独立を目指せ | 米海軍基地近くでデモ行進
米海軍基地近くでデモ行進
 問題なのは、このような強大な戦艦を母港として使わせているということなのだ。それは、日本をハワイに継ぐ米国の属州とみなしているようなものと政治的には映る。ワシントンの前の通常艦キティ・ホークやそれ以前から、母港として基地を使わせるということを問題視していなければならなかったのだ。我々の主権が侵害されていると筆者は訴えたく、独自のプラカードを作り、集会の後のデモ行進で掲げた。

原子力空母、寄港も帰港も願い下げ!真の独立を目指せ | 筆者の立場を表したメッセージボード
筆者の立場を表したメッセージボード
 デモを見つめる群衆の中には、白い制服を着た若い自衛隊員たちがいたので、敬礼をしてプラカードを見せびらかした。このメッセージこそ大事である。なにも横須賀に限らない。首都圏では、横田基地により空域が支配されている。自衛隊が制作に協力した映画「ミッドナイト・イーグル」では核爆弾を積んだステルス機が上空を飛んでも日本国政府がなにもいえないことが問題点としてあげられていた。沖縄もそうだが、日本の主権は侵害されまくっているということだ。

 日本を守っているから仕方ない、というのは冷戦までのこと。それまでは、「吉田ドクトリン」という政策で軍事的に依存して属国に甘んじるも、その分、経済に予算を配分、経済大国へと成長できたのだ。アメリカには「反共の砦」という立場を売り物にできたから、何とかこちらの言い分も通せるところがあったが、今では一方的に要求を突きつけられてばかりいる立場だ。

 デモが終わった後、筆者は、三笠記念公園に行き、戦艦三笠の側にたっている東郷平八郎閣下の銅像に敬礼してきた。かつて日本を大国ロシアを相手に勝利へと導いた「戦争の神様」といわれる人物。昨年、この閣下と三笠の水兵たちの英霊に引き寄せられこの横須賀の地に足を踏んだ。彼らも筆者と同様に反対の立場で、自らの土地が外国の軍隊に占拠されていることを快く思っていないようだった。

 だからこそ、取り戻さなければいけない。彼らは、「できる」と言ってくれたように思う。その後、ワシントンは洋上で火事を起こし、米軍の下部組織と思われがちな自衛隊の長が、反米核武装論者として世間の脚光を浴びている。そして、親米的な自民党政権は終焉を迎え、世論を反映してか、脱米的な政権が日本に誕生する見込みで、米軍としては、のんびりとは居座れない状況となっている。

 原子力空母に限らず、米軍基地を日本から追い出し、日本の主権を守ろうと考えるべきだ。そのためには、筆者は9条改憲の必要があると思う。日本で独自の領土防衛を出来るような軍隊を配備し、アメリカに依存しなくてもいいようにならなければならない。

 そもそも、アメリカは、すでに頼りにならない。日本を守る気などなく、そのうえ、軍事覇権を手放さなければいけなくなるほど財政が逼迫した状態だ。そんなアメリカからF−22のような高価で機密だらけの戦闘機を購入するより、日本独自で戦略を練り、それにあった武器の開発をするべきだ。

 昨今の日本人は、誇りを持てず幸福度が低いとされている。ならば、米軍基地排除こそ、いい機会だ。自分で自分の国を守るためにはどうしたらいいか、それは軍事に限らず、政治や外交でも言えることだ。そんなことを国民的な議題として考え抜き、自国と自分自身に誇りの持てるようにしていければ、日本の未来はけっして暗くないと思う。

(下の写真はクリックで拡大します)
原子力空母、寄港も帰港も願い下げ!真の独立を目指せ | 夕陽を浴びながら、東郷閣下と三笠を背景に筆者敬礼の姿
夕陽を浴びながら、東郷閣下と三笠を背景に筆者敬礼の姿

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