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世界陸上:2年後のテグ大会、メダル獲得は困難(下)

 女子競歩コーチのデビッド・スミス氏(豪州)は「韓国女子競歩の選手は世界的レベルに成長する可能性がある。これまで選手たちは韓国の国内大会ばかり考えてきたが、わたしは選手たちを新たに国際レベルにまで引き上げたい」と抱負を述べた。

 男女400メートルリレー(100メートル×4)にも挑戦するだけの価値はありそうだ。陸上では珍しくチームプレーが必要なリレー種目は、反復練習による熟練度向上により記録のアップが期待でき、バトンタッチなどでミスが出るケースも多く、優れたスターがいなくてもメダルに挑戦できる、などの特徴がある。

 韓国と同じように短距離種目でスターがいない日本は、昨年の北京五輪男子400メートルリレーで38秒15のタイムで銅メダルを獲得した。日本のマスコミは史上初の短距離種目でのメダルとして大きく報じた。日本の男子リレーチームの厳しい練習は、昨年テレビでドキュメンタリーとして放映され、視聴者から大きな賞賛を浴びた。

■残り2年は最後のチャンス

 陸上競技の専門家は「陸上競技への投資が記録として表れるには最低でも3年以上は必要」と指摘する。

 しかし韓国の陸上界はテグ大会の誘致に成功した2007年3月以来、これまでの2年5カ月を無駄に過ごしてきたといっても過言ではない。テグ大会組織委員会は最近になって新たな歴史を作り上げたいとして積極的に動き出す姿勢を示してはいるが、陸上競技への国民の関心はまだ非常に小さい。大韓陸上連盟も最近になって外国人コーチを迎え入れ、記録に伴う褒賞金の増額などを進めている。しかし「韓国が世界陸上でメダルを取れるはずが…」という冷めた見方は相変わらずだ。

 今回のベルリン大会をきっかけに、国内で陸上のブームを起こそうとする努力と同時に、今後2年でメダルへの挑戦に向けた体系的な計画と実行が伴わない限り、「何のためにテグ大会を誘致したのか」という激しい非難の声は避けられそうにない。

キム・ドンソク記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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