渋谷天外、NGK初登場!松竹&吉本と夢コラボ
勢揃いした松竹と吉本の新喜劇陣の前で話す藤山直美(中央左)と月亭八方(同右) |
◆ 松竹新喜劇、吉本新喜劇の計49人がエール交換 ◆
浪速の喜劇界を引っ張ってきたライバル同士の“夢コラボ”が実現した。創立60周年を迎えた松竹新喜劇の渋谷天外代表(54)らメンバー29人が24日、吉本興業の劇場である大阪・なんばグランド花月(NGK)の舞台に立ち、創立50周年を迎えた吉本新喜劇の内場勝則座長(49)らメンバー20人とエール交換。天外は「いつか一緒にやってみたい」と合同公演への思いを口にした。
◆ 八方&藤山直美“キューピット” ◆
いつも通りの公演が終わり、どんちょうが下がった舞台に“なぜか”月亭八方が現れる。「藤山直美さんです!」と紹介され、本人が登場すると会場は「え〜っ」とどよめいた。吉本の劇場に松竹を代表する女優が立つ。私生活から親交の深い2人がライバル会社の橋渡し役として息の合ったトークを繰り広げ、場が温まったところで再びどんちょうが上がった。そこで史上初めて松竹と吉本の新喜劇メンバーがズラリと肩を並べた。
渋谷天外が「50周年おめでとうございます。これからも楽しいギャグをお願いします」と祝福すると、内場は「松竹さんに負けないように吉本も100年を目指して頑張ります」とエールを交換。松竹側が吉本側に大きな楽屋のれんをプレゼントすると、吉本側は還暦に引っかけて赤いちゃんちゃんこを手渡した。
9月5日から大阪松竹座で記念公演を開く松竹側が持ちかけて実現した“歴史的コラボ”。1988年に藤山寛美(故人)が劇団員を引き連れてNGKを訪れ、当時の吉本・林正之助会長(故人)を表敬訪問したり、藤山直美がゲストとしてNGKの舞台に立ったことはあったが、多数のメンバーが舞台上で顔を合わせたのは過去に例がない。初めてのNGKに天外は「お客さんが近いし、声が通るので喜劇がやりやすい劇場」と印象を語った。
笑いと涙の本格演劇が松竹なら、吉本は笑いにこだわったドタバタ劇。内場は「お芝居を見るなら松竹、単に笑うだけなら吉本」と松竹を持ち上げたが、天外は「いつか一緒にやってみたい」と合同公演を希望し、藤山も「大阪がにぎわえばいい」と同調した。今後の新展開を予想させる、この日のコラボだった。
[ 2009年8月25日付 ]
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