東京のアート、展覧会、映画、ライヴ、イベントなどの情報を発信 立川直樹責任編集 TOKYO ART PATROL ~東京アートパトロール~

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立川直樹Profile
1949年生まれ。TAP編集長。
60年代後半からメディアの交流をテーマに音楽、映画、美術、舞台など幅広いジャンルで活躍するプロデューサーであり、ディレクターである。
アートの分野においては数多くの展覧会の企画・プロデュース、オーディションやアワードを通じた新人の発掘活動などを行ってきた。
「Audi MUSIC meets ART」や東京都現代美術館「MOT THE MUSIC」など音楽と美術といった複数のフィールドにまたがるメディアミックス型イベントプロデュースの第一人者でもある。
また森永博志氏との共著である「シャングリラの予言」(正・続)では、アート、エンターテイメントに関する膨大な知識に裏打ちされた独特のライフスタイル観を世に問い、都市生活者たちに大きな影響を与えた。

桐朋学園芸術短期大学教授。

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男は、なぜ女を殺さなければならなかったのか。森山未來主演『ネジと紙幣』

あの『女殺油地獄』をベースにした舞台、の割には、透明感の漂うチラシであり、Webサイトである。ふてくされてこちらを見据える男の髪を微笑みながら切る女。力の抜けた手書きの文字。そこがまた観る側の興味をそそる。

映像の脚本やコラムなどでも精力的に活動し、各方面から熱い注目を浴びている若手劇作家・演出家である倉持裕。2004年には『ワンマン・ ショー』で第48回岸田國士戯曲賞も受賞している日本演劇界の気鋭である。その倉持裕が手がけるのが、近松門左衛門の『女殺油地獄』をベースとし、時代を現代に置き換えた新作『ネジと紙幣』である。『女殺・・・』といえば、これまでに人形浄瑠璃、歌舞伎、舞台、映画と、時代を超えて何度も何度も繰り返し上演されてきた名作である。働かずに遊び歩き、女に入れあげ、悪事に手を染め、返せない借金を作ってしまうどうしようもない放蕩息子・与兵衛。なさぬ仲ではあるが、それでも息子を見限ることの出来ない両親。与兵衛に情けをかけたばかりにあわれ犠牲となる油屋お吉。もうずいぶん前に歌舞伎座で観た、片岡仁左衛門の冷徹さと憤怒と悪い男の妖艶さを身に纏った与兵衛が最高傑作だと思っていたのだが、今回倉持裕が選んだのは、森山未來である。

森山未來。ダンスも演技も「玄人筋」から非常に評判の高い彼だが、意外なことにストリートプレイは初主演だそうだ。どこか掴みどころがなく、しかしながら存在感がある彼は、永瀬正敏や浅野忠信の20代の頃の雰囲気を身につけている。いわゆるアイドルの美少年たちがこれでもかとサービスする満面の笑顔よりも、すねた顔や小さく漏れるような笑みが似合う男である。そんな彼が、この泥沼劇の主人公行人をどう演じるのだろうか。
そして行人に殺される、幼馴染で姉のような存在の人妻・桃子を演じるのがともさかりえだ。失礼を承知で言わせてもらえば、彼女も森山同様、いわゆる大輪の薔薇やダリアのような華やかさを売りにしている女優ではない。たとえて言うなら、リンドウやら桔梗のような、穏やかななかにも芯がある花のような存在感がある。特に年齢を重ねてきたことにより、その印象が高まった感がある。
加えて根岸季衣、田口浩正をはじめ個性的な俳優陣がキャストに名を連ねている。
「どんな状況に置かれようと単色に染まりきらない人間の感情、それから、そうしたマダラ模様の感情を操って生きていかなくてはならない人間というやつを描きたい」とは倉持の今回の作品に掛ける意気込みである。いつの時代も変わらない男と女、そして家族のあれやこれや。嫉妬や強欲、情念・・・・・・。近松の初演から約300年の時が流れた現代、日本の今を代表する劇作家・倉持裕は、この物語をどう調理するのだろうか。9月の天王洲銀河劇場が楽しみである。
(K.Nagato@TAP編集部)

「ネジと紙幣」
http://neji.ne.jp/index2.html
日程:2009年9月17日(木) - 27日(日)
会場:天王洲 銀河劇場
by tap2007 | 2009-08-24 22:39 | アートが匂うエンタテインメント | Trackback | Comments(0)
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