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花巻東、日本一へ甲子園の土は持ち帰らない!

2009.8.24 11:10
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花巻東、日本一へ甲子園の土は持ち帰らない!
中京大中京に敗れ決勝進出を逃した花巻東の菊池雄星(左から4人目)らナインは悔し涙を流した【フォト】

 第91回全国高校野球選手権大会第14日(23日、阪神甲子園球場)岩手初の日本一を目指して準決勝・中京大中京戦に臨んだ花巻東ナインが決勝を前に力尽きた。背筋痛で登板を回避したエース菊池雄星投手(3年)に代わり先発した吉田陵投手(2年)ら投手陣が13安打で11点を奪われた。打線も7安打1点に抑えられ目標だった深紅の大優勝旗には届かなかった。失意のナインはそれでも来春センバツでのリベンジを誓った。

 痛みをこらえてマウンドに立ったエース左腕を支えきれなかった。1−11の完敗劇。試合後の控室で花巻東ナインが大粒の涙をこぼした。

 「勝っていれば自分でもよく投げられたと思うけど、チームが負けてしまったから…」。

 肩を落としたのは先発した2年生左腕・吉田だ。一回こそ二死三塁から左前適時打で1点を先制されたが、二、三回は低めへ丁寧な投球で1安打4奪三振の熱投。だが四回にソロ弾を含め3本の長短打で3点を失い3回1/3で降板した。

 「今朝先発をいわれたときは、よし、やってやると思いました。でも初めてのマウンドで緊張があった。舞い上がってしまったところもありました」

 四回途中から後輩左腕をリリーフした2番手の3年生右腕・猿川も中京大中京の強力打線を止めきれなかった。四回二死一、二塁から左前適時打と死球を与え、二死満塁とされたところで、菊池の救援を仰ぐ形になってしまった。

 「あそこはやるしかないという気持ちで上がりました。でも雄星がいないときは抑えられる保証はないし打たれる確率が高い。2番手としてはプレッシャーがありました。抑えられなくて雄星に申しわけない」

 目頭を抑えた猿川だったが、打つ方では意地をみせた。四回の中前打を含め3打数3安打の猛打賞。「0点に抑えられていて自分が打たなきゃいけないと思った」と胸を張った。

 岩手県の選手だけで日本一を−。みんなで掲げた目標は、この夏に果たせなかった。それでも佐々木監督は「岩手のチームが日本一を目指す扉を開けたことは間違いないと思う」と強調した。

 試合後、涙のナインはだれ一人、甲子園の土を持ち帰らなかった。「甲子園で投げられたのはうれしかった。気持ちを切り替えて一からやり直しです」と吉田。新チームで甲子園に戻ってくるまで、夢舞台の土は残しておく。

(山田利智)



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