選挙戦も佳境に入った折りも折、民主党党首に「選挙違反騒ぎ」が勃発した。
鳩山氏は23日午後、東京都台東区の「谷中銀座」を練り歩いた際、報道陣を前に150円の「谷中メンチ」を1個購入し、すぐさまほおぼった。「勝つ」に引っかけた縁起担ぎのパフォーマンスだった。
しかし、ここで問題発生。鳩山氏は1000円札を出したが、おつりを受け取らないまま人込みとSPにもまれて立ち去った。近くで見ていた人からは「有権者の買収を禁じた公職選挙法違反に当たる」と指摘され、さらに「やっぱり大金持ちは違う」と皮肉る声まで出る始末。メンチカツをほおばる姿も新聞、テレビで大きく報道された。
自身の選挙区ではなく額も小さいとはいえ、鳩山氏の応援を受けた民主党候補陣営は24日、「誤解を招く」として事務所スタッフを25日にも店に行かせ、鳩山氏に代わって2日遅れで釣り銭を受け取ることにした。
まさに油断は禁物。そこで鳩山氏は自身への戒めも込めたように動いた。衆院選で同党の獲得議席が300を超える勢いとの報道を受け、公認候補全員と党都道府県連などへ「報道に浮かれ、幻惑されるなら、政権交代は水泡に帰す」との“げき文”を24日までに電子メールで送った。
“げき文”では鳩山氏ら執行部が23日夜、党本部で情勢を分析したことに触れ、終盤戦では「全国100激戦区勝利に全力を挙げる」と強調。そして「終盤戦に死力を尽くさぬ限り勝利の女神は冷笑を浮かべ、翻って敵にほほ笑む」と引き締めている。メンチカツ事件は、やはり「他山の石とせよ」ということ!?