ブログをやっていると、滅多にないが、現場の「真実」が明かされる時がある。
消されたブログの中にあった、貴重な親の証言を再録する。
●NO TITLE
息子にはかかりつけ医が2人いるのですが、診断名が双方で違います。
片方はリハビリセンター付属の小児科医師で、診断名は「高機能自閉症」です。
診断基準はDSM-ⅠⅤ(米国精神医学会の診断基準)とICD-10(国際室秒分類)。
2つはほぼ同じ内容とあります。
もらった冊子には、IQ70以上で言葉の発達に遅れがあるものを「高機能自閉症」
ないものを「アスペルガー障害(アスペルガー症候群)」と呼ぶとあります。
テストは発達指数(DQ)を調べるもので、83でした。
もう片方は国立の精神病院の医師で、診断名は「広汎性発達障害の疑い」です。
診断基準はどれとは言われませんでした。
対人関係の障害が認められるものが「広汎性発達障害」。
知能に遅れがあれば「自閉症」、なければ「アスペルガー症候群」ということのようです。
テストは知能指数(IQ)を調べるもので、44でした。
診断書を書いてもらうと、知的障害の欄は「軽度」です。
「疑い」については、「成長著しい時期なので知能指数が正確でない」ことと、
「言葉を話す子は何をもって社会性の障害とするかが難しい」
「もう少し話せるようにならないと正確な診断は付けられない」と説明されています。
正直なところ、初めは「一体何なんだ!?」と思いましたよ。
学派の影響もあるでしょうが。
最近になって、早期療育の影響もあるだろうと考えるようになりました。
実際は就学前に正確な診断は付けられないのだけど、療育や支援を受けるのに
診断名が必要で、どうにか付けなくてはいけない。
誤診は避けたいので本当は付けたくないが、どうしてもと言われるなら・・・で、
医者独自の補足が増えていくのだろうと。
>単純に「自閉症(カナー型)」と「アスペルガー症候群(障害)」に分ければいいのである。
難しいでしょうね。
療育は早い地域は1歳代から始まりますが、1、2歳の子が「カナー」か「アスペルガー」か
見分けるのは。
だから「自閉傾向」や「疑い」という言葉ができるのだろうと思います。
個人的に考えているのは、国が基準を決めて、就学後に一斉検査でもされれば、
診断名は統一されるし、データが明確に残って後に活かされていくだろうに・・・
というようなことです。
親によってはすごいクレームが出そうですけどね(笑;
[ 2009-05-04 ]
●Re: NO TITLE
> 療育は早い地域は1歳代から始まりますが、1、2歳の子が「カナー」か「アスペルガー」か
> 見分けるのは。
> だから「自閉傾向」や「疑い」という言葉ができるのだろうと思います。
現在ここまで事が進んでいるとは知らなかった。
何故なら、認知心理学の点から言うと、18~22ヶ月頃に「自己」を獲得するだろうと 言われている。
その時期を経て、初めて発達障害がある「可能性」が見いだされる。
とすれば、当然1、2才でカナーかアスペルガーか等と言うこと自体が論外だし、
1歳代から始まる「療育」(この場合の療育の定義が不明だが)はすでにその時点でカルトだ。
私が言うのは、かつての私のブログに書き込める年齢でありながら、尚、「自閉傾向」だの
「自閉疑い」にしがみついている事に問題があると言っているのである。
親の心理的プレッシャーが無ければ、小学校入学までならば、特別診断名も、 特別扱いも必要ないと考える。
ただ、道路に飛び出すとか、木から落ちるとか、屋根に登るとか、池に落っこちると言う事には 「特別に」気を付けてね。
[ 2009-05-04 ] [ Chip ]
●NO TITLE
うちの息子も1歳代で療育を受けるところでした。
1歳半検診でひっかかり、その後、保健センターから電話がかかってきて説得。 1歳9ヶ月で発達検査を受けました。
言語理解と表出が著しく遅れているということで、療育をすすめられそうになったのですが、
私の方が「失礼な!」と蹴って帰りました。
結局、月1回保健センターの母子教室には通うことになりましたが。
療育の内容は、母子通園で決められた時間に決められたことをする練習です。
名前を呼ばれたら返事をして前に出て出席表にシールを貼る、お遊戯をする、
イスに座っておやつを食べる、などです。
結局その後、2歳手前で周囲がうるさくなり、「おまえの言葉かけが少ないから話さない」
と家族にも言われ、段々気が滅入ってきて、「自分がおかしいのだ」と思って受診したのが、
後者に挙げた精神科で、診察をしたのが今現在『主治医』と呼んでいる医師です。
主治医には療育について「この子の場合、4歳からで充分ですよ」と言われましたが、
保健センターの例があったので、なかなか納得できず、2歳代の頃は自己流で良いと
言われることを何でもやってましたね。
それでも不安で途中からでも療育に入れてもらおうとして定員がいっぱいで、
自閉症協会など方々電話をかけまくったり、保育園に入れようとしたりしていました。
「早期に療育を始めれば症状が軽減する」という情報をうのみにしていましたから。
息子が言葉を獲得したのも家庭療育のおかげと思っていましたしね。
今振り返れば、きっかけを与えたに過ぎず、「元々話す能力を持っていたのだ」と考える
方が妥当、とわかりますが。
「療育には明確な科学的根拠がない」と知った時は愕然としましたし、療育を受けて
大きくなった子供が2次障害を起こしている話を聞き、「なんだ、私と同じじゃないか」
と思いました。
ノースカロライナで地域ぐるみで行われているティーチプログラムが成果を挙げており、
成人が2次障害をほとんど起こさず社会生活を送っているという情報を目にして以来、
ティーチについてはいくらか取り入れていますが。
これも絵カードを使ってなどという、小手先のことではどうにもならない印象です。
親と医者がコーディネーターになって、地域社会ぐるみで環境を整えてこそ効果を 発揮するものという印象です。
「日本向きでない」と言われる理由ですね。
療育神話とも呼べる、早期療育を推進する動きは加速しています。
最近では、親の掲示板に、1歳未満の赤ちゃんを持つ親によって「自閉症でないか心配」 と頻繁に書き込みがあります。
「生後10ヶ月の子に療育を受けさせたい」というような話もあります。
「早期療育は良いもの」と信じて、「良いなら先回りしてやっておけば安心」ということ なのです。
私は障害児用でない育児関係の本もたまに読むのですが、今は早期療育ならぬ、 「早期教育」も盛んですね。
0歳代からドッツカードやフラッシュカードを見せるような教育です。
そのせいか、2歳にしてカードを見せると顔をそむける子が出てきているらしいですよ。
なんにせよ、おかしいと思います。
>私が言うのは、かつての私のブログに書き込める年齢でありながら、尚、 「自閉傾向」だの「自閉疑い」にしがみついている事に問題があると言っているのである。
まあ、そうですね。
「しがみついている」がどういった状態を言うのかわかりませんが。
「自己診断であれば病院に行った方がいい」というのは、治療の意味でその通りです。
問題点と向き合うのに、「自閉傾向」「自閉疑い」などの視点が必要だと医者が言った
ということであれば、それは確定でなくても治療上有益ではないかと思いますし。
個人的には、自己診断で「自分は何も困ってないけどアスペです」と言うのも、
「自閉症者の気持ちを代弁しよう」とか、「自閉症児の親にアドバイスしよう」とか、
「書籍を出そう」とか利益目的でなければ、良いのではないかなと思います。
商売や顔売りに使われるのは、親としても当事者としても絶対に御免ですけどね。
[ 2009-05-04 ]