自己の確立の実験 (復元記事)
テーマ:教育問題「ヒト」の自己はどの様に確立されるか、の実験を紹介しておく。(認知心理学)
被験者は18ヶ月~22ヶ月近辺の子供。
母親があやしている間に、トレーナーが鼻の頭に赤い色を付ける。
18ヶ月前の幼児は、自分の顔が鏡に写っている事を意識せず、時には鏡の裏側をのぞき込む。
(子犬や、小動物などと同じ行動)
22ヶ月を過ぎた幼児は、自分の鼻の頭に赤い色が付いている事に気付き、時には自分でぬぐい取ろうとする。
人間は、僅か18ヶ月から22ヶ月の期間に、「自分」というものに気づくのである。(自己の獲得)
この4ヶ月の期間は、4ヶ月かかるということではなく、その子供によって、その程度の「自己」の獲得時期に
差があると言う事である。
「ヒト」であれば、遅くとも22ヶ月になれば、「自己」を獲得するのだが、その時期を過ぎても「自己」を
獲得出来ない人類の事を、「自閉症」という。
しかし、その後の成長には差が出てくる。表面的には、「自己」を持っているような素振りを見せる自閉症だ。
いったい何による差か。 これから先は、残念ながら、「知能による差」なのである。
自閉症である「我々」でも、知能はある。しかし、そのレベルは千差万別。広く分布している。
将来、きちんとしたサンプル数が特定されれば、定形発達の人たちと、同じ分布を示す事が予想される。
「自己」を無意識に、脳の中にある自動プログラムで獲得出来る、定形発達に対し、
私達自閉症は、「知能」の助けを借りて、少しずつ、「知識」として獲得していくのである。
その1つの例はこの次に。 2007/06/03(日) ブログ 復元記事
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