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療養費立て替え、17億円詐取か 大阪の柔整師、信販会社との契約悪用

8月22日7時57分配信 産経新聞

 大阪市西成区で整骨院を経営していた柔道整復師(62)が代表を務める療養費請求代行団体が、医師の診療報酬にあたる療養費の立て替え払い契約を結んでいた信販会社から、担保となるレセプト(請求書)のデータを偽造し、約17億円をだまし取ったとして、詐欺罪で大阪地検に刑事告発されていることが21日、分かった。厚生労働省は「このような契約は聞いたことがない」としており、療養費をめぐり信販会社が詐欺の被害に遭うケースは珍しいとみられる。

 告発状によると、請求代行団体は平成14年8月、加盟する整骨院のレセプトを担保に、療養費を立て替え払いするファクタリング(債権買い取り)契約を大手信販会社と締結。15年8月〜17年1月、団体に加盟している整骨院のレセプトに、加盟していない別の整骨院のレセプトを加えて水増しした虚偽データを提出し、計約17億円をだまし取ったとしている。

 療養費は通常、健康保険組合などに請求してから受け取るまでに3カ月以上かかる。しかし信販会社とファクタリング契約を結ぶことで、手数料は差し引かれるものの20日後に現金を受け取ることができる。

 関係者によると、この柔整師は早期に現金化できるメリットをうたい文句に、団体への加盟者を増やしていったという。過去には複数の請求代行団体の代表を務めるなど業界では実力者として知られ、数年前まで大阪市中央区で柔道整復師の養成学校も経営していた。しかし、今年になって破産、現在は兵庫県内の整骨院に勤務している。

 柔整師は産経新聞の取材に「信販会社による療養費先払いシステムは資金繰りに困る柔道整復師のために私が考案した。加盟する柔道整復師が療養費を不正請求するなどしてシステムが立ちゆかなくなっただけで、金をだまし取るつもりはなかった」としている。

 ■柔道整復師 厚生労働省が認可した国家資格を持つ整(接)骨の専門家。整骨師、接骨師、ほねつぎとして知られる。厚労省認定の学校、大学で3年以上、専門知識を習得し、国家試験に合格すると取得できる。骨折、打撲、捻挫(ねんざ)、脱臼、挫傷を治療すれば健康保険組合など保険者に療養費を請求できる。

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最終更新:8月22日9時11分

産経新聞

 

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