岡谷市の今井竜五市長は２４日、市立岡谷病院と健康保険岡谷塩嶺病院の統合による新病院の建設計画に先行し、来年４月をめどに現在の２病院の施設を岡谷病院に集約する方針を市議会全員協議会に表明した。塩嶺病院に一部機能を残す可能性もあるとした。市は、岡谷病院隣の市文化センター跡地に建てる予定の新病院について、建設費を抑えるため現在の岡谷病院の施設活用も視野に入れていることを明らかにした。

　市は、中心部にある岡谷病院の方が郊外の塩嶺病院より施設規模が大きく、「市民の利便性が高い」（企画政策部）と説明。一方、塩嶺病院の緩和ケア病棟などは岡谷病院に収まりきれない可能性もあり、集約に伴う改修費を最小限に抑えるため分散も検討するとした。

　市は２０１３年度の新病院開院を目標に準備しているが、両病院を運営する市病院事業の赤字を改善するため、先行して施設集約する方針を打ち出した。ただ、小児科や産婦人科などがある岡谷病院と、循環器や呼吸器に特化する塩嶺病院は特徴が異なり、集約の具体的な方法や改修費用などは「これから」としている。今後、両病院スタッフらの作業部会で検討を深める予定で、今井市長は「診療機能は維持していく」としている。