2009-06-12
わざわざお金をかけて間違うとは
『息長川ノート』について筆がとまっていた感があるのだが、やっとひとつ柱を見つけて書き出した。
息長川についての、その柱についてあれこれ調べていて偶然に旧「西大津」駅、昨年改名されたらしく「大津京」駅についての動画を見つけて興味を覚えた。
「大津京」なんて都は歴史上存在しないとされているのだが、JRが大津市などの自治体の要望を受けて改称してしまったのだという。その際大津市から1億1千万の寄付がJRに対してなされるというのだが、これは批判者側からしか情報が拾えなかったので正確な値なのかどうか分からない。新幹線の栗東駅建設に「滋賀県117億円、栗東市85億円+10億円(寄付金)、大津市を含む6市22億円」という記述があったのでそんな相場なのかもしれない。
日本共産党栗東市会議員団 〜政策と見解:新都心まちづくり特別委員会報告〜
「西大津」駅の改称のどこに興味を覚えたのかというと、「息長川」を大阪に流れる今川という川に同定する説があり、そのことを示す碑を建てようという動きがあったのと同じような話だなぁ、という点。議論の余地があるのにお金をかけて形にして残してしまえ、という考え方が同じ土壌で培われた感じがする。「西大津」駅は下記動画内での小笠原好彦さん(歴史学者、滋賀大名誉教授)、山尾幸久さん(同じく歴史学者、立命館大名誉教授)らの指摘も空しく2008年に「大津京」駅にされてしまったそうである。今川の息長川の碑の方はまだ建てられた話を聞いていない。
「息長川」について調べていて、近江の地の在野の研究者のかたがたのレベルの高さに感嘆したことを先に書いたところだったため、それを台無しにする行為を同じ地の地方自治体がやっているというのは残念。大阪は府レベルでは現知事のもとコストカットを進めており、滋賀の現知事も不要な公共投資は行わない公約を掲げていたひとだが、どちらもまだまだ心配だということが改めて分かった。
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大仏造立の都・紫香楽宮(しがらきのみや) (シリーズ「遺跡を学ぶ」)
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