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第13回 ソフトバンクモバイル村山貴一郎氏・三木静思氏インタビュー 携帯にオープンなプラットフォームを 「モバイルウィジェット」

2008年10月30日に発表された「モバイルウィジェット」は、ソフトバンクの携帯電話の待ち受け画面から直接さまざまな情報コンテンツにアクセスできるようになるウィジェットプラットフォームです。この秋冬の新端末「AQUOSケータイ FULLTOUCH 931SH」から搭載予定ですが、スタート前から、その大きなマーケットとオープンな仕様とに注目が集まっています。このモバイルウィジェットについて、ソフトバンクモバイルの村山貴一郎氏、三木静思氏にお話をうかがいました。

モバイルウィジェット導入にあたって

--まず、今回発表されましたソフトバンクのモバイルウィジェットはどのようなものを目指して開発されたんでしょうか?

村山 : まず、PCのウィジェットをそのまま持って来るイメージでプロジェクトをはじめました。もうひとつは、モバイルインターネットということを強く意識して、情報のリアルタイム性と、自由でオープンなプラットフォームを目指して開発を進めました。結果、ユーザにとっては、自分の好きなウィジェットを簡単にダウンロードできて、待ち受け画面に自由に貼れて、なおかつ複数のウィジェットを四面のシートを使って自由な組み合わせでカスタマイズでき、情報もリアルタイムに取得できるという、まさにモバイルならではのウィジェットを作れたかなと思っています。

--今回の導入にあたっては、待ち受け画面という、携帯電話というメディアにとって最もリッチな場所を開放されていて、これはかなり思い切ったことだと感じましたが。

三木 : モバイルウィジェットはオープンプラットフォームを目指して開発を進めてきましたので、結果的に待ち受け画面を開放することになりました。インターネットの世界を見ればわかりますが、オープンなAPIがたくさん公開されていて、開発者の方々がそれを利用して魅力的なコンテンツを提供し続けています。
公式/非公式にとらわれず、誰でも自由に開発できる環境を提供することで、モバイルの世界でも同様のことが起こるとことを期待しています。

村山 : もちろん端末のスペック的な条件がそろってきた、という部分もあります。また従来はキャリアが用意したポータルから各種サービスにアクセスしていただいていましたが、通信速度の向上や、QRコードや赤外線、メールにURLを添付するなど、あっという間に目的のサービスまでアクセスできる。こうしたアクセスの多様化といった状況が生まれてきたということもあります。ポータルからの公式サービスだけではなく、一般のサイトに自由にアクセスできるようになった。まさにモバイルインターネットが実現して、キャリアが囲い込むよりも、開放して活性化させたプラットフォームにしたいと。したがって、プロジェクト当初から「ここはオープンにします」という承認をとって開発を進めていきましたね。

--将来的に他社さんのプラットフォームと共有できるようにしていこうというお考えは?

村山 : モバイルウィジェットはNetFront Browser Widgetsをベースに開発しておりますので、すでにWindows MobileやWILLCOMさんとは、ほぼ共通と言えます。ただ、弊社の場合はより面白い開発が出来る様、GPSや端末情報取得などの独自拡張を行っていますので、それ以外は、ほぼ同じ仕組みで動作します。既にACCESSさんとは、共通で動作するコンテンツを双方のコミュニティサイトで紹介する準備を進めています。

--ちなみに、ウィジェットを利用する場合、パケット定額でないと厳しいかとは思いますが。

三木 : モバイルウィジェットの利用者の方々に対しては「パケットし放題」への加入をオススメしています。ウィジェットはインターネットサービスと連携するコンテンツが豊富ですし、これから登場する様々な魅力的なコンテンツをより便利にお得に使っていただきたいと思います。

--そういう意味では、電話やメール以外のパケットを使う機能をどんどん提案していくということですよね。

三木 : 1度でもモバイルウィジェットを使っていただければ、ケータイは電話とメールだけのものではない、インターネットマシンである事が判っていただけると思っています。

モバイルウィジェットの技術と機能

--ソフトバンクモバイルウィジェットでは、技術的にどんなことができる形になるんでしょうか?

三木 : いくつか仕様上の制限はありますが、大抵のことは実現できると思います。個人の開発者が自宅のサーバと通信して表示を更新するウィジェットも提供できます。また、端末内の情報にアクセスする機能もかなり豊富に用意しています。例えばカメラなどのアプリケーションを起動するのも手早く簡単にできますし。あと「署名」を付与したウィジェットであれば、発着信や現在位置などの情報を利用したものも作れます。

--GPS連動などは携帯電話ならではですね。

村山 : 逆に我々が署名で制限している部分は、ほぼ3つの機能しかないんです。あとの機能はすべて使用できますので、開発者の皆さんが作りたいコンテンツが作れるようになっています。音やストレージアクセスへの機能は今回用意できなかったのですが、近々対応したいと考えています。

--開発に必要な言語などについてお聞かせください。

三木 : 最低限必要な知識としてはHTML、JavaScriptとCSSですね。これらがわかっていれば基本は網羅できていると思いますので、あとは弊社の技術情報「モバイルウィジェット 技術情報」などを読んでいただければ制作できます。さらにFlashや画像加工のスキルがあれば、よりリッチなものが作れます。基本的にW3Cで定義されている標準仕様に則っていますので、企業のWebクリエイターの方だけではなく、個人でホームページを作っているというレベルでも、何かしら作ることは可能です。弊社が提供しているエミュレータ「モバイルウィジェット エミュレータ」を使っていただければ、PC上で動作確認ができます。注意点としては、携帯電話の機種ごとにそれぞれ仕様に微妙な差分があるところです。

村山 : 画面サイズの違いに関しては、ウィジェットの表示を通常表示と最大表示の2パターン用意していまして、最大表示に画面サイズの自動調整という機能を設けました。これにより端末ごとに開発者の手を煩わせることのないような仕様を心がけたつもりです。

--従来のJAVAアプリの開発との違いなどは?

三木 : どちらもプログラム開発という意味では大きな差はないと思いますが、それぞれの開発目的が違うと思います。JAVAで主なものは、例えばシナリオが作り込まれたRPGであったり、あるいは綺麗なグラフィック表現を用いたアクション系であったり、既存の家庭用ゲームの移植ものなど、色々とありますが、単体で完結する、作りこまれたものが多いと思うんです。ウィジェットはもう少しライトなもので、どちらかと言えば既存のWebサービスなどの資産があって、それらの簡易ビューアーとしてユーザに見せて、Webサイトへ誘導するなどの簡易ツールという面が強いです。もちろんウィジェット上でゲームなどの凝ったものを作ることも可能ですが、待受け画面に配置する性格上、うまく外部のサーバと連携したり、オープンなAPIを使ったマッシュアップサービスを作っていただいた方がウィジェットとしてのメリットを発揮できるんじゃないかと思います。

--Flashを使えるようにされたのは?

村山 : 次世代プラットフォームをアピールするために、インターフェイスのリッチさを打ち出したかったんです。縛られたインターフェイスではなくて、自由でリッチなものを作れるし楽しめるものをと色々考えまして、Flash連携を行いました。

--他社さんとの差別化で、他に意識されているところは?

村山 : 仕組みはそれほど違わないんですが、一番違うのは、やはりオープンであるということですね。誰でも作れて、誰でも使える。自分で作ったものを貼ったり、もしくは誰かにメール添付で送ったり。赤外線でも送れますし、ブログで紹介して、みんなにダウンロードしてもらう事もできます。

--ウィジェットを販売する方法などは?

村山 : 弊社の公式CP様であれば、通常のアプリとか着うたなどと同様に、コンテンツ課金の方式で今すぐにでも販売できます。

--御社で扱っていらっしゃる「iPhone」では、個人がアプリを販売できるモデルができています。モバイルウィジェットも、これだけオープンな仕様ですと、個人の方がちょっと気の利いたものを作って、それを100円で売りたい、みたいなことも出てくると思うんですが。

三木 : われわれも今後はそこを考えていきたいと思っています。サービス開始と同時に「ウィジェットストア」というサイトをオープンします。ストアには誰でも簡単にウィジェットを登録でき、またユーザも自分の好きなウィジェットが手軽に簡単に見つける事が出来ます。なので、まずストアにアクセスいただいて、たくさんのウィジェットを使っていただき、モバイルウィジェットの魅力を感じていただきたいなと思っています。

--現時点では、基本的に無料のウィジェットのみを提供するような形でしょうか?

村山 : 現時点では有料のウィジェットは公式CP様のサイトからの販売しかできませんので、有料のものはダウンロードリンクをご案内しています。お客様はウィジェットストアに来ていただければ、たくさんのウィジェットの中から好みのウィジェットを簡単に素早く発見することが出来ると思います。今回931SHには、このウィジェットストアのコンテンツを紹介するストアウィジェットもプリインストールしましたので、新着やおすすめ情報など、リアルタイムでキャッチできると思います。

モバイルウィジェットの今後の展開

--いまどのくらいの数のウィジェットを用意されているんでしょうか?

村山 : 11月末の「AQUOSケータイ FULLTOUCH 931SH」発売時には100タイトル程用意する予定です。

三木 : 931SHをお持ちでなくても、PCサイトの「ウィジェットストア」で提供タイトル全てをご覧いただけます。

--個人的なオススメウィジェットなどは?

村山 : 私はライトなウィジェットが好きで、「毎日のお弁当レシピ」とか。All AboutさんがWebサイト上で公開されているレシピを毎日配信するという簡単なものなんですが、まさに欲しい情報をポンッと待ち受け画面に置いておけますし。

三木 : 私は、弊社が提供する「マイメニュー」というウィジェットがあるのですが、これがなかなか便利でして。機能はすごくシンプルで、自分の好きなメニューを起動するオリジナルランチャーを作れるのですが、通常はアイコンとして貼っておける。ポイントはパッと見て誰でも使えて、使い勝手も良い所ですね。

--開発コンテスト「モバイルウィジェットコンテスト」も開催されていますね。

村山 : 是非ご応募いただければと。

三木 : 賞の本数も多いですし。

村山 : たくさんのご応募をいただいて、盛り上がるコンテストにしたいと思っています。

--今回の発表時には「インターネット・パートナーズ」として、モバゲータウン、ニコニコ動画、mixi、MySpace、Yahoo! Japanとの共同企画も発表されましたね。

村山 : オープンなプラットフォームならではの試みではと思います。ユーザへのアプローチに長けた企業の皆様に、ユーザに一番近い待受け画面を使っていただき、サービスを展開していただく事で、ユーザさんにとってさらにメリットになりますし、また、サービスも相互に活性化して行くと思います。

--最後に、今回は対応機種が1機種のみですが、今後の搭載予定などは?

三木 : 春モデル以降、続々と搭載端末を発売する予定です。

--ありがとうございました。

文:坂本 寛(タブロイド)/widgetown編集部
2008年11月5日

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村山 貴一郎

ソフトバンクモバイル株式会社 プロダクト・サービス本部 コンシューマーサービス企画部
モバイルウィジェットのプロジェクトリーダーとして、ビジネス/サービス面を中心に担当

三木 静思

ソフトバンクモバイル株式会社 プロダクト・サービス本部 通信プラットフォーム開発部
モバイルウィジェットのプロジェクトサブリーダーとして、技術仕様面を中心に担当

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