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Adobe AIR Contest 2009
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第15回 アスクル「ASKUL DESKTOP2」 ウィジェット制作レポート

先駆者「ASKUL DESKTOP」

2008年6月に日本語版がリリースされてから、多くの企業が次々と利用サービスを発表している「Adobe AIR」。2009年1月に開催されたAdobe Max Japanでは、アドビシステムズ株式会社が「Adobe AIR」のインストール数が1億件を超えたことを発表し、その注目度の高さに比類が無いことを強くアピールした。

オフィス通販の雄・アスクルが2008年3月にβ版を発表した「ASKUL DESKTOP」は、「Adobe AIR」へ国内でもいち早くリーチしたこと、開発においてまだ日本語での正式サポートが無い状態での商用プラットフォーム展開だったということで高い関心を集めた。その群を抜いたリッチさも話題になり、弊サイトwidgetownでも2008年5月に取材記事を組ませていただいた
2009年2月、その次期バージョン「ASKUL DESKTOP2」がリリースされた。前回の取材時から1年、「Adobe AIR」の歴史を牽引していると言えるこのウィジェットが、どのような進化を遂げたのか探ってみたい。

再構築されたコンセプト

発表から1年が経ち、利用者と接する時間が十分とれたところで見えてきた「ASKUL DESKTOP」の課題は何だったのだろうか。

「お客様から色々な反響を頂いて、一番多かったご意見が、動作が重い、というものでした。『ASKUL DESKTOP(Ver.1)』は試験的に多くの機能を実装した結果、想定以上にPCへの負荷が高くなってしまいました。オフィスのPCでご利用されることを考えると、これは大きな問題です。また、多くの機能を入れていた関係からか、操作がわかりづらいというご意見もありました。そこで今回は、“動作”と“見た目”の面でライトにすることと、シンプルな操作にすることを念頭にブラッシュアップを図りました。多機能化路線を先へ進めたいという気持ちもあったのですが、そこは潔くばっさり切った形です」小野俊克氏はそう語る。今回のリニューアルで「ASKUL DESKTOP」は大幅なイメージ・チェンジを図った格好だ。
「“動作”を軽くするために、『オフィス用品検索』と『みんなで調整メモ』という2つだけの機能に絞りました。また、“見た目”を軽くするために、インターフェイスのカラーとデザインも変更しました。『ASKUL DESKTOP(Ver.1)』はブルーをベースにしたものでしたが、日々の発注に利用するアプリケーションなので、もっと見やすいものにしようと、シルバーを基調としたデザインにしました。これで『お気に入りブランド』のロゴや商品の画像もクリアに見えるようになりました。また、“操作”をシンプルにするためWebサイトと同様にお客様の視線が左上から右下に行くように導線を整理し、ユーザが次に何をすればいいのかが分かりやすいように工夫しました」

動作を軽く、ユーザインターフェイスをシンプルにするということを徹底的に検討した結果が、今回の大幅リニューアルに繋がった。しかし、今回のリニューアルは、変更というよりは原点回帰なのだそうだ。

「見た目はがらっと変わったように見えると思うのですが、もともとの『ASKUL DESKTOP』の企画段階にあった案に戻ったというところです。お客様の商品購入の際に黒子として活躍するアプリケーションとして、お客様からのご意見を反映させていく進化をめざしています。ご意見を検証した結果、多方面への機能拡張よりもシンプルなコンセプトの精錬へ原点回帰しました」

ちなみに、リニューアルされた「ASKUL DESKTOP2」の紹介ページには、かわいらしいイラストの3人のキャラクターが表示されている。そのキャラクターは、「ASKUL DESKTOP」ラボのチームメンバーがモデルになっているそうだ。黒い髪のキャラは小野氏、赤い髪のキャラは川村氏がモデルになっているという。

洗練された2つの機能

「ASKUL DESKTOP2」の基軸となる2つの機能「みんなで調整メモ」と「オフィス用品検索」とはどのような機能なのだろうか。川村真澄氏はこう述べる。
「まず、『みんなで調整メモ』。『ASKUL DESKTOP2』の肝になる機能です。『ASKUL DESKTOP(Ver.1)』のときは、アスクルの直接的なお客様である発注担当者への機能を中心にしていたのですが、『ASKUL DESKTOP2』は買っていただいた商品を実際使っていただいているお客様(エンドユーザ)へのアプローチがテーマになっています。この機能は、発注担当者とエンドユーザとのやりとりを可視化することができる簡易的な掲示板機能で、たとえば、アスクルへの発注をするときに皆で相談したり、場合によっては新入社員の歓迎会を決めたり、というようなちょっとした調整ごとでも利用していただければと考えています」

さらに、4月28日のバージョンアップにより、『ASKUL DESKTOP2』には会社用と自分用という2つの購入ボタンが実装された。

「以前よりいただいていた、『アスクルの商品を個人的に購入したい』というお声にお応えして、個人決済用の機能を実装しました。購入支援ツールとしての『オフィス用品検索』により商品を検索した際、会社用を選択すると、法人で決済する『アスクル・インターネットショップ』へ。自分用を選択すると、個人で購入する『ぽちっとアスクル』へと、購入先を変えて商品を選ぶことが可能になります。自分用も会社用と動きを同じにしたので、慣れるとストレス無くご利用いただけるのではと思います。もちろん会社のアカウントをお持ちでないエンドユーザの方も、個人用に商品を購入いただけます」

Adobe AIRの可能性

加速度を増して精錬されていくweb業界で、eコマース、B2Bでのウィジェット活用について、今後の展開をどう予想し、そこでどういう戦略を取ることを考えているのだろうか。

「敢えてウィジェットの活用をAdobe AIRの活用に読み替えさせていただくと、Adobe AIRは今後、文字通りウィジェットとして、デスクトップ上のタッチポイントとしての展開と、ブラウザ+Webサイトでは実現できない機能やサービスを提供するツールとしての展開に2極化すると考えています。我々は後者を追求しています。今回のリニューアルで機能を絞るということをしました。今後は機能を追加することは基本的には考えておらず、今あるものを磨きこんでいくという形で、これからの時代に切り込んでいければと考えています」

前回の取材の際には、「ASKUL DESKTOP」で日本“発”のECのあり方というものを立ち上げたいという思いを語っていただいた。その思いに変化はあったのだろうか?

小野氏はこう語る。
「今回のリニューアルで、“機能”と“見た目”共に大きく変わってしまったことで、ご愛用いただいていたお客様へはご不便をおかけしたと真摯に感じています。そんな中、前のバージョンからここが変わったけど、今度はこうしてほしいね、というようなご要望を頂くと、励みになります。まだまだ使いづらい部分もあるかと思いますが、今後もポジティブ・ネガティブに関わらずお声を頂きたいです。それをできる限り反映していくという姿勢で今後は運用していきます。今まで頂いたご意見は、サイトのほうで『ご意見ポスト』としてフィードバックしているので、そこもご覧頂ければ嬉しいです」

川村氏はこう続けた。
「技術やサービスの制限など、超えなければいけない壁がたくさんあります。機能だけではだめで、ASKUL DESKTOPならではの価値あるコンテンツをお客様にご提供できないか、と考えている最中です。制限があるからこそ生まれるアイデアもあるのではないかな、と前向きな姿勢でありたいと思っています。Adobe AIRにとり組んでいる方たちと情報を共有しあって前に進めたらいいですね。日本“発”のECのあり方を提案したいという気持ちにぶれはありません」

webサービスの最前線で「Adobe AIR」を開拓し続けている彼らから、まだまだ目が離せない。


『アスクルデスクトップ』


文:widgetown編集部
2009年4月22日
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