試合終了後、リングに上がった富樫直美(左)に祝福される多田悦子=豊中市のよみうり文化ホール
「WBA女子世界ミニマム級タイトルマッチ」(23日、大阪府豊中市・よみうり文化ホール)
WBA女子世界ミニマム級王者の多田悦子(28)=フュチュール=が23日、同級7位のヤニ・ゴーキャットジム(20)=タイ=を3-0の判定で下し、初防衛を果たした。次戦は12月6日に大阪・ATCホールで、WBC女子世界Lフライ級王者の富樫直美(34)=ワタナベ=と両王座をかけて対戦する予定。実現すれば、男女含め国内初の2冠戦となる。
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勝ち名乗りを受けても、多田の表情は晴れない。「練習したことができなかった。頭で考えすぎてしまって…」。リング上での勝利者インタビューでは、反省の言葉ばかりが口をついた。
ヤニの突進に苦しんだ。後半は相手の入りざまに右フックを合わせたが「体がビビっていた。気持ちが逃げてしまった」。重圧のかかる初防衛戦。「考えへんようにしたけど、守りに入ってしまった。ぶさいくな試合してしもた」と顔をしかめた。
次戦は一階級上の王者、富樫との2冠戦が予定されている。互いのベルトをかけて戦うのは、国内では史上初。フュチュールジムの平山会長によると、ジム間では合意に達しており、体重は多田のミニマム級に合わせる。WBC、WBAの認定がつき次第、正式発表されるという。
試合後、観戦に訪れていた富樫がリングに上がり「3カ月後いい試合ができるよう、練習を頑張ります」と意気込みを語った。一方の多田は「まだ考えたくない。頭を真っ白にしたいんで、休養くださ〜い」。リフレッシュしてから“歴史的大一番”に臨む。