NATROMさんのブログに、門真市全体での白血病死者数が全国平均に比べてどうか、という記事が出ました。
http://d.hatena.ne.jp/NATROM/20090817
門真市全体で見るかぎり、全国平均に比べて多いわけではなさそうです。
この先の話をするには、末広町・古川町の局所的なデータが必要ですね。
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この記事に対するコメント[153件]
1. maru — August 18, 2009 @17:01:17
「日本における癌死亡の地理的分布」( 東北放射線科学センター編集)に掲載されていた白血病死者数ですが、地域がん登録制度にすべての県および、すべての病院が加入しているわけではないので、精度的にどうかなと思っています。
地域がん登録制度の問題点http://www.mhlw.go.jp/shingi/2005/04/dl/s0421-5j2.pdf
http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/iryou_news/20060210ik06.htm
末広町の近くの、白血病を診る総合病院?が加入しているか否かにもかかってくるのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
米国なみに全登録できるとよいのですが。やってほしいですね。
きくち August 18, 2009 @23:40:33
バイアスには両方向あります。「危険方向」も「安全方向」もバイアスです。
もし、NATROMさんの調べられたデータが「白血病が多い」という結論を出していたとしたら、それでも「登録制度」や末広町の病院に対して同じ疑問を口にされましたか?
3. zorori — August 18, 2009 @17:42:09
>「日本における癌死亡の地理的分布」( 東北放射線科学センター編集)に掲載されていた白血病死者数ですが、地域がん登録制度にすべての県および、すべての病院が加入しているわけではないので、精度的にどうかなと思っています。
NATROMさんにお尋ねしたらいかがでしょうか?
maruさんはどの程度の精度が必要だと思っていらっしゃるのかよく分かりませんが、それはそのデータから何を言うかによるわけですし、件のデータの精度で言えることもあれば言えないこともあるわけです。
単に「精度的にどうかなと思っています」では議論が進まないのではないでしょうか?
4. NATROM — August 18, 2009 @18:55:34
>癌の死亡数の調査においては、指定統計調査である「人口動態調査」死亡票の目的外使用が必要となるため、その申請を厚生省および総務庁に対して行い、「人口動態調査」死亡票の磁気テープの提供を受けた。
市に属さない町村については個別に集計されていますので、門真市内での町村別のデータも存在したはずです。厚生労働省か総務省に申請すれば、データが入手できるのでしょうか。
5. com — August 18, 2009 @20:19:09
自分にとって気に入らない数字の時は、数字が意味するところを考察せずに、自分にとって都合の良い解釈をする。
そこはかとなくSF臭がしますね(笑
comもNATROMさんの記事を読ませて頂きましたが、NATROMさんが引用した数字は引用元をたどるのが簡単です。都合の良い解釈をする前に、せめてウィキペディア等でその数字の意味を調べてはどうでしょうかねぇ…。
zororiさん、com的には非常に興味深いです。件の人的にどういうデータであれば「精度的に」満足し得るのか、そして、自己の考えが否定されたとき、どのような態度になるのか。
6. zorori — August 18, 2009 @20:35:36
と思っていたら、NATROMさんが見つけていただいたわけで、頭が下がります。本には局所的なデータはないそうですが、追跡すればありそうですね。ということで、ものすごい前進だと私は思うのですが。
maruさんは、「どうかな」とおっしゃっていますが、ひょっとして、異常な事が起きていたという局所的データが得られるかもしれないではありませんか?どうなるかわかりませんんけど。
きくち August 19, 2009 @00:39:54
こんなデータが即座に出てくるとは思っていませんでした。
やはり、「集合知」なのでは。
とにかく、こういうのを「前進」と思ってもらわないと。
8. かとう — August 19, 2009 @00:46:21
>NATRONさん
ありがとうございます。勉強になります。
そこに出てきている表で、期待値16人(男性)11人(女性)で、女性のSMRは1を上回
っていないわけで、補正後の数字ではあるけれど、男性が24人、女性が8人、お亡くなり
になった(繰り返しますが補正前。補正方法を知らない僕は、生の数に戻せません。)計算
であり、大元の週刊金曜日の記事を眉唾してから考えないといけないと思えました。
この程度だと、保健所が動いていなかった、そもそも知らなかったとしても問題ないレベルに
見えます。
大阪の地理に疎いのですが、門真市内の末広町じゃないんです?
それとも、何とか郡の末広町で、両方対等な地方自治体で、どっちにも市長と町長がいる
様な関係で、別途統計の取りなおしが必要なのでしょうか?
上の概算は、門真市末広町と、末広町が市内の区画の名前であり、地方自治体じゃないって
前提です。
きくち August 19, 2009 @01:00:01
10. かとう — August 19, 2009 @01:01:50
地理上は解りました。
行政上の区分は門真に繰り込まれてのNATRONさんの結果なのか、
独立町村としてNATRONさんの結果には入ってないから、再調査、
で、今度は直接、厚生労働省か総務省に申請しないとだめなのかな?
きくち August 19, 2009 @01:26:12
航空写真やストリートビューで見ると、高圧線が頭上を通ってるのがよくわかりますね。大橋町のほうにも延びてるけど、こちらでは調査はないのかな。保育園の真上を通ってるのは、かなり嫌かも。
12. かとう — August 19, 2009 @01:50:12
電磁波じゃなくても、切れたりしただけで大惨事ですし。
鉄塔が後から来たのなら、電力会社は何しとんねん。です。
保育園が後から来たのなら、園長さんにクレームしたいですね。
そういえば昔、沖縄国際大学にヘリが墜落したこともありましたね。
普天間飛行場に大学が隣接していて、離着陸時のパスに学校敷地が完全に入って
ました。離着陸失敗したら、学校の敷地に絶対落ちてくると、隣の大学の僕らは
いつも言ってました。
クリアランスって必要だし、効果対コストで劣るようなものじゃないんだけどなぁ。
(一部の馬鹿高い土地代の地区を除く。)
13. maru — August 19, 2009 @06:45:13
末広町の白血病については、NNN今日の出来事の報道、で、取材者がその時点で4人の死亡者まで確認して、地元の医師会や白血病専門の医師に発生率について確認している取材があったので、前述のような疑問が出たわけです。
その報道がなければ、こうした疑問はなく、そういうものかと思いますが。
14. kurita — August 19, 2009 @07:00:15
で、その取材の結果はどうだったんですか?
15. maru — August 19, 2009 @06:48:02
>癌の死亡数の調査においては、指定統計調査である「人口動態調査」死亡票の目的外使用が必要となるため、その申請を厚生省および総務庁に対して行い、「人口動態調査」死亡票の磁気テープの提供を受けた。
なのですが、癌やたとえばHIVになっても最終死亡理由が肺炎だったら、肺炎、と死亡欄に記載されるとききました。でも人口動態調査には肺炎以外の元の疾病の記載ってなされるのでしょうか。
私は別に決めつけてるわけでもなく、”疑う点はすべて疑ってかかれ”と思っていますし、その疑問を呈することは、”「数字だけの議論」”とは思いません。
つーか、私が思ったことに対して逆上モードで反論されても、と。
私のそもそもの疑問の根源は、自治会長されている方の指摘をメディアまで取り上げたのにもかかわらず、その問題提起をまったくとりあわなかった自治体や国の姿勢にあります。(ビデオでは確か取材者と一緒に自治体に相談にいった図も残っていたかと)この問題の原因が電磁波であれなんであれ、現実的な実態調査をした上でないと、そりゃ、疑念は消えませんし、判断できませんよ。
きくち August 19, 2009 @09:29:42
そういう問題があるのかどうかは、ご自身でも問い合わせられることだと思うので、問い合わせてみられればいいかもしれません。
ここまでではっきりしているのは、公的記録を見る限り、門真全体として白血病が多いとはいえないということです。
日本全体のデータを見たって何もいえないことについてはご説明さしあげたのですが、納得しておられないかもしれません。日本全体のデータは「日本は白血病がむしろ少ない」と解釈してもいいものだったわけです。これがmaruさんの希望にそぐわない解釈かどうかは関係ありません。
ただし、これは予想通りのデータです。日本全体のデータで議論するのは、そもそも筋が悪いわけです。
次に門真全体として見ても、白血病が多いというデータはなかった。「登録されていないのではないか」という疑問についてはNATROMさんが明確に答えてくださいました。少なくとも死因としての白血病は正しく勘定されています。
「市」くらいまで狭めればなにか出るのかなと思いましたが、そうではないことがわかりました。
これは重要で、詳細に調べるとしたら、もっと狭い範囲に絞る必要があるということです。
非常に重要な結果だと思いますが、これを重要と思われないことがそもそもわからない。
短期間にここまでわかったのは、もっと評価したらよさそうなものなのですが、評価より先に「そんなデータは信じない」になるとすると、今できることはあんまりないです。
もちろん、疑うのはいいと思いますけど、できることとの兼ね合いってものはありますから。
僕なら、もしこの路線で進めるとすれば、もう少し狭い範囲での同様のデータを調査すること(あるかないかも含め)だと考えますが、maruさんは「同様のデータ」では納得されないのですよね。
たとえば、市民運動として、自治体や国に詳細なデータを要求するなり、調べるなりすることはできるでしょう。これはぜひ試みられたらいいのではないでしょうか。興味はあります。
ただ、もし公的データは信じないという立場だと、できることはさらに限られます。
住民への聞き取り調査でしょうか。それなら、市民団体がやったほうが(多人数動員できるでしょう)早いように思いますし、できるのでは?
もともとの僕の疑問は、自治体も市民団体も追跡調査していないのか、でした。「自治体が調べてくれない」で終わっちゃうのもよくわからない。自治体や保健所に対してそういう調査要求を出し続けたのかもわからない。少なくとも保健所にはそんな要求が出され続けたという記録はないようです。
つまりは、誰も本当には気にしてなかったってことじゃないですか。みんな12年間、確認もせずにほったらかしていたわけですよね。12年前にひと騒ぎしただけですよ。
「疑うことは疑う」もなにも、僕たちが数日前に突然「この数字の意味は?」って言い出すまで、誰も数字の意味を考えも疑いもしなかったってことですよね。
17. maru — August 19, 2009 @07:08:31
かとうさん、きくちさん、保育園や学校の敷地内に送電線が走ってるのって、末広町だけの問題でなく、かなりありますよ。地図で見るとドヒャーと思うくらいあります。しかし、送電線だけじゃなく、普通の配電線の下だって数μTあるところもあって、そんなところに学校や保育園、調べると少なくないです。とくに配電線に近接して2Fとか3Fにある施設は調べたほうがいいと思います。
きくち August 19, 2009 @09:39:53
磁場が強いというデータがあって、対策コストがそれほどかからないことなら、住民運動として電力会社と交渉して、うまくいく可能性が高いのでは?
19. maru — August 19, 2009 @07:17:28
ちょっと調べてみたら、IH調理器で3000W〜5000W,IH炊飯器で1000W〜、電気洗濯乾燥機で1000W〜、パソコンは?W,エアコン1〜2基で?W,電気式床暖房 ?W〜 そりゃ漏洩磁場あがりますよね。電線が変わらなければ。
きくち August 19, 2009 @09:41:44
調理器や洗濯機は使用時間が限られています。
いっぽう、つけっぱなしにする冷蔵庫などは急速に消費電力を減らしています。テレビもそうですね。
冷蔵庫の消費電力の年次推移をきちんと評価して比較するのは難しいのですが(途中で表示のしかたが変わったので)、たとえば以下のような試算を参考にしてください。
http://pubweb.cc.u-tokai.ac.jp/hideki/kimura-lab/iroiro/reizouko.html
家庭内の消費電力の内訳も書かれています
21. みっちゃん — August 19, 2009 @08:54:48
>癌やたとえばHIVになっても最終死亡理由が肺炎だったら、肺炎、
>と死亡欄に記載されるとききました。
>でも人口動態調査には肺炎以外の元の疾病の記載って
>なされるのでしょうか。
に対する情報提供です。
詳細はリンク先のP7−P8あたりをみていただきたいのですが
>死因統計に用いる死亡原因、いわゆる死因は、
>上述の原死因を使用しております。
>1)直接に死亡を引き起こした一連の事象の起因となった疾病
となっていますので、白血病罹患者が免疫低下のため肺炎により
死亡した場合も、起因となった疾病である白血病で
統計されることになります。
22. maru — August 19, 2009 @09:08:22
少々安心しました。感謝申し上げます。
きくち August 19, 2009 @09:31:47
というわけで、門真市全体では増えていないという結論はいいですね。
調べるべき範囲はずっと狭いわけです。
24. maru — August 19, 2009 @09:13:34
ジャーナリストの広河さんが取材の中で直接会えて確認した数字は、末広町の100m内に白血病が4人、2人が子ども(一人は小学6年生)、
番組で取材を受けておられた門真市医師会長はT先生で、(番組では実名)「300人規模なら圧倒的に多い」
あと、大阪成人病センターの正岡徹先生の談話の一部「100m内に白血病は少のうない、むしろ非常に多い、原因を確かめる必要があり、そうしない限り今後も患者が出てくる必要がある」
あと、ごめんなさい、どこかで書きこんだ海外の癌、脳腫瘍の集団発生に関する取材は、「今日の出来事」のビデオとは別で、1995年3月18日、テレビ朝日「ザ・スクープ」「検証 高圧送電線の電磁波 人体への影響は?」という番組です。
きくち August 19, 2009 @10:31:11
正岡先生がされたというのが一般論なのが、末広町の話かわかりませんが、一般論としては300人に4人なら「圧倒的に多い」です。
問題はその後12年間でその数字がどう変化したのかです。これまで誰も調べなかったのなら、関係するあらゆる人たちの怠慢だと思いますが、済んでしまったことはしかたない。12年もの間隔が空いたので、逆に「その後の変化」ははっきりわかるでしょう。
もし、その後減っているならよし、傾向が変わっていないなら、あらゆる理由を考慮した疫学調査をするべきです。
その意味で、これを「電磁波問題」と決めつけている人たちもどうかしていますよ。まじめな話です。
26. maru — August 19, 2009 @10:07:02
27. maru — August 19, 2009 @10:09:02
あと、夏と冬、エアコンや床暖房が使われる季節、すごく高くなりますよ。4倍くらい違うところもあるそうです。使う時間帯が限られてるといっても、均して考えたら曝露はあがります。馬鹿になりませんよ。
きくち August 19, 2009 @10:41:41
ご自身の家ではなく、よそのご家庭で測定をしてあげているという意味でしょうか。
自分では床暖房を使わないのに、他人の床暖房で磁場が上がるという意味ですか。他人の床暖房のことがわかるとは思えないのですが。
29. maru — August 19, 2009 @10:17:14
きくちさん、電線交換要求をしても100μTまで安全とするWGの答申が通ったら、「国が安全といってるんだからやらない」がますます正当化されるんじゃないでしょうか。現時点で、それを理由に子供部屋が1μTで、費用は個人持ちをするという申し出をしてるのに、対策を断られてる例はあるわけです。
あたしが思うのは、市民運動はこうすればいい、と、きくちさんは簡単にいわれますけど、それじゃあ”科学者は何をしてるのか”、と思うんですよ。
「市民運動は人が多いから」、って、どこの”市民運動”を指していっているのかと。あたしの知ってる”市民運動”はみんな手弁当ですよ。少ない家計から持ち出しやって。科学者は市民運動をしないんですか?
門真の件も、私は関東にいて関東で、多少やってますけど、当然”今のところは電磁波の一部の問題”しか調べられてないわけですが、すみませんが、大阪の科学者はいままで何をしてるのかな、と思いますよ。
どこぞの人が、なんにでも電磁波に結び付けて、って揶揄や皮肉を仰いますけど、いまどき先進国で送電線下の建築を許可してるのって、日本くらいじゃないでしょうか。電源関係の低周波は欧州はとっとと規制やら自主規制をやって10μTを超える電気毛布を使ってる人はほとんどいないから、問題、話題にもならないけど、日本はそうじゃないんですよ。民家の軒先を走る配電線の磁場だって、海外は街の配電線はありませんから、問題にもならない。配電線だって、送電線以上に、最高100μTいくんですよ。
日本の科学者よ、何やってんのさ、といいたくなるんですよ。日本の科学者への苦情をきくちさんにぶつけてしまって申し訳ないですが、ほんとそう思うんです。
きくち August 19, 2009 @11:45:00
「科学者」という言葉で何を指したいのかわかりませんが、たとえば高圧線問題の専門家以外は、どのみち高圧線については「専門外」であることに変わりありませんから、そのための研究費がついているわけでも研究補助者がついているわけでもありません。専門外というのは、知識がないという意味ではなくて、「そのための研究費もないし、人もいない」という意味です。大きな研究費は使いみちが厳しく制限されています。
人がいるわけでもなければ、特にお金があるわけでもありませんから、「手弁当」に関して特段事情が変わるわけではないです。
人がいないのはもっと深刻ですね。
人の数なら住民運動のほうが数が多いと思いますよ。だから、住民運動でできることはそのほうが早いでしょう。
科学者がやってくれないから科学者が悪い、ではだめだと思います。
科学者はみんな、それぞれに優先順位の高い研究テーマを持っています。それを保留にして、別のことに取り組むというのは、いろいろな意味で大変です。
今回のことでも、「ああ、こうやって、みんなが個人的な時間を割いて調べても、都合のいいことしか評価してくれないのね」という無力感はあるわけです。たぶん、一連のやりとりを読んだ多くの人がそう感じているでしょう。
個人的な話を書きますが、僕が市民運動に絶望したのは『買ってはいけない』です。「科学的にナンセンスでも、都合がよければ受け入れる」という考えを捨ててくれないと、最後は相互不信で終わりですよね。
科学者がやってくれないから科学者が悪い、なんて言ってないで、科学者に興味を持ってもらうための努力をしたらいいのではないかと思うのですよ。
「興味を持たないのが許せない」なんてのは勝手すぎる話で、優先順位というのは人それぞれです。物理学者は「高圧線はまず疫学の問題」と考えるでしょうし、疫学者は「深刻な感染症がたくさんある」と考えているかもしれません。
要するに、科学者に対して、「優先順位を変更してでも取り組む価値がある」と思わせる努力はしなくてはならないと。
ただ、その際に「自分にとって都合のいい結果しか受け入れない」という態度であれば、たぶんそもそも興味を持ってもらえないです。『買ってはいけない』は、普通の科学者に「これを受け入れる人たちとなんらかの意味で合意するのは不可能ではないか」と思わせるに充分なのものです。
市民運動が「危険を煽るだけの科学者」の言うことしか信じないという立場をとるなら(僕にはそういう傾向が見えます)、合意は難しいでしょうね。
とすれば、市民運動側も「科学リテラシーの向上」に努力しなくてはならないし、科学者もそのための協力は惜しまないのではないでしょうか。
「市民科学研究室」のサイトや情報はチェックしておられますか?
31. maru — August 19, 2009 @10:44:44
たとえば、そこのお宅は、変電所や送電線などから500m離れたところにあります。だから変電所や送電線の磁場はほぼ関係ないんですね。
でも、そのお宅のすぐ横を通る配電線で、お宅の先から数千戸の電気を送っています。
だから、数千戸のお宅が電気を使う時間帯になると、そのお宅の配電線から漏れる磁場が上昇します。
たとえば、最近の屋内の磁場が、春秋の通常0.2μTだとすると、夕飯の時間5〜9時にその倍はいくということになります。
そのお宅は平屋ですが、同じく配電線の並びには二階建のお宅が多数あります。二階だと配電線に近いので磁場が倍増します。
きくち August 19, 2009 @11:50:55
そのためには、電力会社に「この時刻」と指定して、磁場を測ってもらうところから始めるべきでしょう。ただし、たとえば0.1μTだった場合に、さらに対策を求める根拠はないでしょうね。
ところで、「床暖房」が影響しているというのはどういう根拠ですか? 単に「ある時間帯は増える」ということであれば、まずは「ある時間帯は増える」です。
33. maru — August 19, 2009 @10:52:54
末広町の件を「電磁波問題」と決めつけるのも菊池先生がいわれることをきいて、そりゃそうだ、と思いましたし、前述したように電磁波の問題より、このような事件が起きても国も自治体も、誰も調査しないことの方が恐ろしいです。けど、前述のザ・スクープなどにもありますけど、送電線や変電所のそばで癌などや脳腫瘍の集団発生は指摘されてるんですよね。だからカリフォルニアのアーバイン市などはすでに0.4μT以上の場所に家を建ててはいけないという条例を作ったりしてるわけで。そういう前例があるから、疑われるわけです。
しかし末広町はとくに磁場が強い。私も近辺の送電線を測定しましたけど鉄塔下で10μT超えたところはまだ見たことないです。PCBとか放射線とかいろいろ考えられる要素は当然あるでしょうけど、10μTを超える鉄塔下に町内がある例は少ないと思うので、疑いが出ることは”どうかして”はいないとは思います。
1989年までの白血病が海外と比較して突出して増加してるのでないことはひとつの安心材料にはなります。が、89年のときにはこんなに家電が普及していなかったので、それ以降がどうなるかというと、近年の電化推進の影響が気になります。たとえば、昔は頭のところで1μTを超える換気扇はなかったし。
きくち August 19, 2009 @11:55:15
それから、門真の件で高圧線を疑うなとは言っていません。高圧線も候補、ということですが、ただし、他の疫学データとの乖離が大きすぎるように思うので、現時点で高圧線と決め付けることには害のほうが大きいでしょう。
35. maru — August 19, 2009 @11:17:09
ごめんなさい、語弊がありますね。欧州では地下埋設など、ってことで、電磁波が低減されるツイスト配線に、すでになってるんでしょうかね。
36. maru — August 19, 2009 @12:51:29
>ところで、「床暖房」が影響しているというのはどういう根拠ですか? 単に「ある時間帯は増える」ということであれば、まずは「ある時間帯は増える」です。
これは某業界関係者に電気式暖房やエアコンの関係で、今まではエアコンで夏だけ磁場が上昇してたのが、冬でも上昇するようになったという話をききました。
>ただ、その際に「自分にとって都合のいい結果しか受け入れない」という態度であれば、たぶんそもそも興味を持ってもらえないです
私の書き方に無礼があるようで申し訳ありません。ただ、この問題は私が都合のいい結果しか受け入れないとか受け入れるとか以前の、常識外の事実があって、それはとにかく調査されるべきだという頭が先にありますので、失礼な書き方になっていると思います。ごめんなさい。
あと、バイオイニシアティブ報告の内容やWHOの白血病上昇の報告、兜研究や兜さんが干された背景の告発本(この件を冷静に取材し続けた朝日の松本さんの本)などの衝撃、しかもバイオ報告などを厳粛に受け止めて欧州が厳格規制に向かっていることの衝撃、フランスなどでそれこそ国を挙げて電磁波問題が騒ぎになっているにもかかわらず、報道すらされない日本の現状はなんなの?日本の科学者や文化人、英語の達者な先生方は何をやっとるの?という焦りと、電磁波が海外ではすでに公害の位置づけで対策を取りつつあるのに、電気を無線で送る家電の開発とかユビキタス社会推進とか、あっという間に7社分の携帯基地局だらけの住環境とか、街中の磁場が相当に上昇してきていることとか、日本の科学者が気にしない間の、急激な環境の変化を知ってもらいたいという気持ちはあります。
37. maru — August 19, 2009 @13:13:00
>「電力会社に「この時刻」と指定して、磁場を測ってもらうところから始めるべきでしょう
電力会社は無料で測定してくれますので、ここを見ている方で気になる方はそれを利用されたらどうだろうと思いますが、基本的に測定時間は電力会社の営業時間内のみのようです。
>僕の理解では、「変電所や送電線そばで脳腫瘍が集団発生」という疫学的に意味のある調査はないのでは?
大河原さんの主意書にあるように、国が東久留米市や記事になった横浜や門真市の疫学調査をすべきだと思います。日本が一番そういったデータを持っているわけで、それでそもそも、兜研究が始まったとききましたから。”疫学的に意味のある調査”ではないですが、ザ・スクープで取材されていたのは、イギリスの180m内脳腫瘍6人の訴訟の例などでした。
38. Enzo Romeo — August 19, 2009 @15:03:32
>89年のときにはこんなに家電が普及していなかったので、
えーっと、昭和30年代との比較なら納得しますが、ここ20年なら家電の普及度なんて、横ばいですよ。
我が家を例にしても、20年前と比べて増えた家電って
食洗機、DVDレコーダー、パン焼き器、コーヒーメーカー位(常時使うものじゃないし)で、逆にカセットデッキ、ビデオデッキがなくなってる。
また、きくちさんが言われるように、テレビ、冷蔵庫、エアコンの消費電力は減ってますね。
39. yuki — August 19, 2009 @19:53:33
人が病気になり、原因が場所にあるのではないかと思いいたったとき
普通は引っ越すことを考えませんか?
病人だけでも他へ移すとか。
いつまでも住み続けてそこで亡くなるとは限らないのでは?
きくち August 19, 2009 @20:15:15
病気と関係なく人口が変化することもあります。
土地のせいだと思い込んで引っ越したけど、実は土地とは関係なかったということもあったかもしれません。
どれくらいの人がそういう理由で引っ越して、どれだけが実際に意味のある引越しだったのかを誰かがどうにかして調べて、ということが可能なのかどうか、僕にはわかりません。
調べられることしか調べられないでしょうね。
その調査が「もっとも重要な要素」を無視することになるのなら、その調査には意味がないのでしょう。多少の見落としはあっても本質的に重要な要素を落としていないなら、「だいたい正しい」ということになるでしょう。
41. maru — August 19, 2009 @19:23:04
各家庭の電気消費量ですが増加しております。http://www.iae.or.jp/energyinfo/energydata/data1030.html
財)エネルギー総合科学研究所のサイトによると、2005年時点で、70年代の約3倍で、2000年ごろから2005年はあまり伸びてない、とあります。
元の調査はこちらだそうです。
(財)日本原子力文化振興財団:「原子力」図面集-2007年版-(2007.2)(同CD−ROM)
2004年(平成16年)から2006年までは、オール電化が倍近くに増えているデータがLPガスの競合レポートにあります。
http://www.j-energy.co.jp/et/lpg/professional/jomoinfo/energy/20070601/index2.html
きくち August 19, 2009 @20:26:46
なるほど、世帯平均は70年の3倍ですか。
まあ使いすぎだとは思います。
増加が大きいのはエアコンと「その他」ですね。
冷蔵庫とテレビは台数が増えたり大型化しているわりには増えていない。
エアコンをなんとかすると効果が大きいのでしょう。
オール電化は高層マンション以外では筋が悪いと思うので、僕は誰にもお勧めしませんが、増えてるのでょうね。
43. dazit — August 19, 2009 @20:21:28
引っ越した人もいるかも知れませんが、そもそもの発端は"町内での"癌死、白血病死の人が多いと言う話からです。
なので町内あるいはそこを含む門真市での死の傾向を調べているわけで…。
http://www.cp.cmc.osaka-u.ac.jp/~kikuchi/weblog/index.php?UID=1249880334
44. com — August 19, 2009 @20:10:01
maruさんのコメント29— August 19, 2009 @10:17:14より。
>きくちさん、電線交換要求をしても100μTまで安全とするWGの答申が通ったら、「国が安全といってるんだからやらない」がますます正当化されるんじゃないでしょうか。現時点で、それを理由に子供部屋が1μTで、費用は個人持ちをするという申し出をしてるのに、対策を断られてる例はあるわけです。
〜ないでしょうか、となっていますが、実際に試してみたのでしょうか?試してもいないのであれば、まずは試してみてください。電力会社に正当化されないように説得すれば良いだけです。
既にやられたのであれば、相手方の対応を嘆くだけではなく、自分たちの不備を徹底して補い、何度でも相手にしてもらったらどうでしょうか?
ここに連射されていた情報だけでは、素人目にも「こりゃだめだ」と思えるのばかりですから、もっと自分たちで精度の上がる情報を収集してはどうでしょうか?
ここで電力会社が何もしてくれない、と嘆いても何にもなりませんよ?
>あたしが思うのは、市民運動はこうすればいい、と、きくちさんは簡単にいわれますけど、それじゃあ”科学者は何をしてるのか”、と思うんですよ。
何か、この辺に大きな誤解というか、思い込みがあるような。
大学や独立行政法人の研究者って、普段何をしていると思いますか?もちろん、自分の研究テーマを研究しているに決まっているじゃないですか。無論、自分の所属機関から給料や研究費用をもらって。
科学者は何をしているのか、と憤る前に、maruさんたちは研究者、行政、電力会社(その他ステークスホルダーも)に対して、しっかり事情を説明したのですか?
maruさんは、自分のアイデアで新しい事業を提案しようとしたことありますか?もしくは、よその部署から仕事の検討依頼とか。
自分の仕事を抱えながら新たな事業を検討するってのは、非常に難しいです。その際、本当に目があるのか吟味しますが、より厳しく検証するでしょう。そこで目があると判断されれば、やっと人と金が確保され、専属になるでしょう。
検証してザルと判断されれば、当然却下されるでしょう。
本気で研究者やその他のステークスホルダーに対して検証してほしいとお思いですか?思っているなら、今までやってきたことが他人を動かすに値する精度を持っていた、と自信を持って言えますか?
研究者や行政も、自分の仕事があります。それを押しのけて自分の主張を通すだけの努力を、どれだけしてますか?
ここまでの検証からすると、ロクに発症頻度や疫学的考察をしていないのですから、相手にされなくても仕方ないと思いますが。
>「市民運動は人が多いから」、って、どこの”市民運動”を指していっているのかと。あたしの知ってる”市民運動”はみんな手弁当ですよ。少ない家計から持ち出しやって。科学者は市民運動をしないんですか?
手弁当だから…というのは、情状酌量される理由ではないですが。
きくちさんがどのような市民運動をされているのかは、他のエントリをご一読ください。
>どこぞの人が、なんにでも電磁波に結び付けて、って揶揄や皮肉を仰いますけど、いまどき先進国で送電線下の建築を許可してるのって、日本くらいじゃないでしょうか。
今までの経緯…きくちさんからは危険情報ではなく、信頼できる調査、具体的には疫学調査が必要、と再三にわたり指摘されているにもかかわらず、一向に危険情報の乱立を止めようとしない、挙げ句の果てにオーディオの件ですから、maruさんに対して揶揄が飛ぶのは仕方ないと思いますが。
また、 きくちさんのコメント23 August 19, 2009 @09:31:47中の、
>安心材料があってよかったですね。
>というわけで、門真市全体では増えていないという結論はいいですね。
調べるべき範囲はずっと狭いわけです。
のような、ご自身の主張と反する指摘をされてもスルーしているようでは、「自説を曲げない人なら議論しても仕方ない人ぢゃね?」と思われても仕方ないと思いますが。
あと、要望なのですが、ここは高圧電線/門真市/白血球がキーワードですよね?家電とか、無関係な話題を出して話を拡散しないでもらえますか?読んでいる人に対して、甚だしく不親切ですよ?
45. maru — August 19, 2009 @20:48:38
北海道と東北のですが、H19年度版の、オール電化件数の最新情報がありました。うなぎのぼりでした。(JOMO LPガス 競合情報)
http://www.j-energy.co.jp/et/lpg/professional/jomoinfo/energy/backnumber.html
ちなみに、
エコキュートの消費電力は1kW〜2kW程度
オール電化のサイトを見ると、
稼働時間は一日8時間運転する例もあるようです。
IH調理器は最近のは、最大で5.8kWだそうです。
食洗機も最近、普及しだしてますが、1kW以上あります・
きくち August 20, 2009 @01:58:22
ガス・コジェネレーションのほうが筋がいいと思うんだけど
食洗機と洗濯機はまさに「利便性」ですよね。
これを「使うな・取り付けるな。我慢して手で洗え」とは言えないでしょうね。
「ガスにしろ」ならまだしも。
47. maru — August 19, 2009 @21:07:22
大阪府における小児がんの生存率
J-GLOBAL - 大阪府における小児がんの生存率の動向 【文献】
http://www.google.co.jp/search?hl=ja&safe=active&rlz=1G1GGLQ_JAJP324&q=%E5%A4%A7%E9%98%AA%E5%BA%9C%E3%81%AB%E3%81%8A%E3%81%91%E3%82%8B%E5%B0%8F%E5%85%90%E3%81%8C%E3%82%93%E3%81%AE%E7%94%9F%E5%AD%98%E7%8E%87&btnG=%E6%A4%9C%E7%B4%A2&lr=
兜研究にも大阪が参加していました。故、兜さんが発表されたパワーポイントの資料がWEBにUPされて、そこに参加都道府県がUPされてました。
超低周波磁界と小児白血病及び脳腫瘍に関する我が国の疫学調査(1999-2002)
国立環境研究所 首席研究官 兜 真徳
http://www.jet.or.jp/e_health/img/symposium04_03.pdf
あと、関連情報の1つです。
子供の急性リンパ性白血病では、強力な化学療法を行うと一般には80パーセント以上、再発の危険が高いハイリスク群でも60パーセント以上が治癒するまでになっています
http://www.gsic.jp/cancer/cc_21/ht/gj.html
がんサポート情報センター
きくち August 20, 2009 @01:52:50
化学療法は体力がないと大変そうな気がしますが、癌治療学会のサイトによれば
http://www.jsco-cpg.jp/guideline/08.html#02-1
急性リンパ性白血病は
...................
化学療法により大部分は寛解し,その後長期に寛解を継続すること,すなわち治癒が得られることがわかっている。
.................
とのことです。
49. zorori — August 19, 2009 @21:17:21
みっちゃんさんのお答えで既に安心されたようですので、別の観点からの蛇足です。maruさんの疑問は、死因候補は複数あるので、白血病患者数は白血病が死因と認定された数より多いのではないかということかと思います。
それはその通りです。治る患者も沢山いますし、交通事故で亡くなる白血病患者だっているわけですから。もし、知りたいのが患者の実数ならば、死亡者数では低い見積もりになるのは当然です。
しかし、門真市の一部地域が他の地域に比べて異常なのかという相対的な比較の問題ならば、死亡者数でも患者数でもどちらでもいでしょう。
ちなみに、交通事故の死亡者数は事故後24時間以内に無くなった方しかカウントしません。従って、交通事故が原因で無くなった方は統計値より多いはずです。実数を気にしなければならない場合はこのことが問題になったりします。しかし、門真市と他の地域の交通事故の比較が目的なら十分です。
目的とすることに影響しないことを気にしても仕方ないでしょう。
50. maru — August 20, 2009 @07:07:03
家庭年間消費電力量の平均値ですが、2006年度の記載がありました。
2006年度で5650kWh というデータがあるそうです。(日本エネルギー経済研究所編「EDNC/エネルギー・経済統計要覧」
http://criepi.denken.or.jp/jp/topics/061101.pdf
上記数字をみると、70年代の5倍になっています。
オール電化の家庭(エコキュート+IH調理器)の平均値は18997kWh、
というNPO気候ネットワークの試算に、そこまで高くはならないと反論する電中研のサイトに掲載されていました。では、現実にどのくらいの消費電力なのかは書いてありませんでしたが、
インフラ(配電線)は昔から変わらないのに、5倍の電流を流し、さらにマンション・宅地開発&家電の増加で電流増加=漏洩磁場が増加するわけですから、実測で、0.1μTの環境が0.4μTになったりするのも当然だと思いました。
近辺で配電線下、地上1mで1μT以上の通りを6本見つけました。近くに変電所はなく、住宅街を通る道です。
変電所や送電線からの分岐で、数千戸?へ電気を送る配電線沿線ってことだと思います。でも、当然、誰も気がついていません。
兜さんの研究の時点では、0.4μT環境の子供は1%と試算されていましたが、時代の変化でそうとは思えなくなってきました。
きくちさん、市民科学研究室のサイト、拝読させていただいております。バイオイニシアティブ報告(公衆のための要約)の翻訳なども掲載くださって、拝読しました。英語圏と日本の、一般への情報量の格差に圧倒されます。
きくち August 20, 2009 @09:25:56
細かい話を小出しにせずに、一度きちんとまとめてみられてはいかがですか。
ちゃんとノートに整理しておられますか?
磁場測定ですが、弱い低周波磁場の測定ですから個人での測定(何を使っているのかわかりませんが)は「目安程度」なのではないでしょうか。目安程度のもので一喜一憂されるのはあまりお勧めしがたいので、やはり電力会社に測定依頼してきちんと測定することをお勧めします。
また、いろいろな人がまともな情報も怪しげな情報も流しています。オーディオまで拾ってきちゃったことから思うに、情報の取捨選択には注意したほうがよくて、「危険を煽るだけ」のサイトや本はmaruさんには向かないと思います。
怪しげな情報に一喜一憂するのはよくないので、たとえば「市民科学研究室」が重視していない情報は心配の種にしないと決めるくらいでいいのではないでしょうか。それだけでも充分心配と思われるかもしれませんが、それでも全然違います。
門真の件でもわかるように、不確かな情報には「フォローアップがない」という特徴があります。あとで「実は誤りだった」となっても、そのことが伝わらないのです。
低周波磁場への長期暴露による小児白血病のリスクは2倍なり3倍なりというところでしょう。兜研究ではALLだけなら5倍弱ですよね。
小児白血病以外の癌が高圧線の影響で増えることは充分にありえますが、小児白血病よりも更に影響が見えづらい程度のものです。
Bioinitiative報告を採用するとしても、毎日怯えて暮らすレベルのリスクではないと思います。それよりは、住民運動としてきちんと取り組んでいったほうがいいのではないでしょうか。
もちろん、怖がるのは自由なので、どうこういう筋合いではないのかもしれませんが、ちょっと焦りすぎに感じられます。
いずれにしても、一度きちんとまとめてみてはいかがですか。
52. maru — August 20, 2009 @09:27:49
測定器は以下に写真がありますが、低周波はUHSと、新型トリフィールドメーター、4080です。
http://www21.ocn.ne.jp/~furumoto/meters-a.html
文部省がC評価で継続も潰したという告発の出ている兜研究では小児脳腫瘍で白血病以上に高い数字が出ているので、心配はしますけど、心配していても仕方ないので、改善されるように動いていきたいと思います。その沿線沿いには友人が複数います。変電所側の友人が若くして脳腫瘍で逝き、二十代で乳癌の人もいて心中穏やかではないのですが、着実にやっていこうと思います。
兜研究の報告書はWEBにあがっていました。
http://scfdb.tokyo.jst.go.jp/pdf/19991170/2001/199911702001rr.pdf
きくち August 20, 2009 @22:45:07
まず0.4μT未満では白血病リスクの上昇はありません。
したがって、0.1μTなどで心配する理由はこのデータからは出てこないし、過去のプール分析からも出てきません。
この傾向は完全に一貫しているので、0.1μTの規制値を要求する理由はどこにもないだろうさ思います。
0.4μT以上でも、ALL+AMLのリスク上昇は実は有意ではありません。ALLのみとしたときに有意となります。理由はこの磁場ではAMLが対象群にしか発症していないからです。したがって、逆にAMLに限定すると磁場の相対リスクは0という妙なことになります。形式的には「低周波磁場がない場合のAMLの相対リスクは無限大」ということになりそうですが(磁場があるほうが安全、という意味)、もちろんそれはナンセンスです(本当にナンセンスかどうかはわかりませんが)。
要するに、もともとそれほど多くない病気なので、磁場で絞ると症例がなくなってしまうのですね。ALLも有効な症例は6例だけです。ここでは「もともとそれほど多くない病気のリスクが二倍になるのはどの程度怖いか」ということを考えていただければと思います。
それでも、6という症例数は「白血病には磁場の影響あり」とみなすには充分な数だということです。これもまた「そもそも多くない病気だから」です。しかし、数字をシリアスに取るには少なすぎるのでしょう。
先行するプール解析がなければ、この結果をどう解釈するかは議論が分かれたのかもしれません。有意か有意ではないかという議論をあまり詳細にするのも、それほど意味があるとも思えません。
やはりプール解析と傾向が完全に一致したことは重要で、兜報告だけなら白血病のリスク上昇は必ずしも有意とはいえないが、プール解析との一貫性がこの結果に信頼性を与えているのではないでしょうか。
ちなみに年齢を8歳未満に限定すると有意にリスクが上がりますが、6歳未満にすると有意に下がり、もはやリスク上昇は有意でなくなります。
0.4μT以上で8歳未満のオッズ比7.25をどの程度シリアスに受け取るべきか僕にはわかりません。これをシリアスに受け取るなら、同じ磁場で6歳未満の相対リスク上昇が有意ではないこともシリアスに受け取ってよさそうに思います。すると「6歳から8歳の間だけが特に影響を受ける」という結論も出せてしまいます。成長期を考えると、本当にそうかもしれませんが、しかし、この数の症例でそんな詳細が議論できるわけがないと考えるほうが健全な気がします。ここでも、有意か有意でないかを詳細に議論するのは、さほど意味がないと思います。
結局のところ、条件をたくさんかけて絞っていけば、症例も対象群も数が減ってしまうということでしょう。
いずれにしても、ここでは小児白血病のリスク上昇は0.4μT以上で2.6倍くらいということにしておくのがいいのではないでしょうか。それ以上の強い話は、いずれもなにがしか問題を含むように思います。
脳腫瘍はさらに症例が少なく、0.4μT以上では暴露群に3、対象群に1です。オッズ比10.6はぎりぎり有意ですが、かなり危うい話をしています。実際、「まとめ」には
.........................
小児脳腫瘍についても、小児白血病の場合と同様、「寝室の磁界レベル」が0.3μT 以上あるいは0.4μT 以上でリスクが上昇する傾向が見られた。なお、症例数が白血病よりかなり少なく、誤差変動が白血病よりも大きい可能性がある。
........................
と書かれており、白血病に比べて信頼性が低いことがわかります。
脳腫瘍のリスク上昇は、たしかに白血病より大きな値になっていますが、数値を額面通りに受け取ってもしかたがないでしょう。結局、白血病よりもさらにかかりにくい病気の話をしているのですから。
ちなみに、この脳腫瘍のオッズ比の最大(まずありえない値という意味)を持ってきて、「リスクは100倍以上の可能性がある」などと書いている人たちもみかけますが、それこそ「危険を煽るだけのダメな数字の使い方」だと思います。そんなことがいえるようなデータではないことは明らかです。そもそも、信頼区間95%というのは恣意的な値(でたらめという意味ではない)ですから、意味さえちゃんとわかっていれば60%でも99%でもいいのです。99%まで広げたら、最大はたぶん200倍くらいになるのではないでしょうか。
また、これをもって、白血病よりも脳腫瘍を怖がるのはナンセンスだと思います。
それにしても、大変な労作です。症例が少ないと批判するのは簡単ですが、これだけのデータを集めるのは大変な作業でしょう。まとめにも書かれていますが、「再調査は相当困難」です。二度とできないのではないでしょうか。
要するに、それくらい発症数の少ない病気の話をしているのですけど。
54. ぱく — August 20, 2009 @10:13:30
ちなみに私は毎日3テスラの装置で仕事をしています。
肩こりは取れませんが白血病になったこともありませんw〜w。
きくち August 20, 2009 @20:03:06
まあ、特定の個人が癌にならないことと、発癌性とは関係ないですからね。
小児白血病にしても、年間1万人にひとりのところが、1万人に二人なり三人なりになるという話です。ですので、リスクが上がろうが上がるまいが、どのみち1万人のうち9990人以上は白血病を発症しないわけです。
56. かとう — August 20, 2009 @10:53:07
もちろん、別々に議論すべき問題です。
何でもかんでも貼り付ければいいと云う姿勢に、物言いがついています。
静磁場は、特に触れられていません。
3テスラって事は、MRIの静磁場ですよね。
じゃあ、磁気を体にくっつけると(なんとかエレキバンとか、
ネックレスとか)血行がよくなり、肩こりが無くなるってのは、
当てにならないのかな
57. ちがやまる — August 20, 2009 @11:06:44
iarc 2002のレビューでは、定常磁場については人に関して不十分なデータしかないし、動物実験等のデータは使えるものがないので、人の発がんについて分類不能(Group 3)と言ってるようです。
(一般論としては、私は煙草を数十年間吸ってるけれど肺がんにはなっていないから余計な心配はいらない、という議論は成り立たないわけです。)
http://monographs.iarc.fr/ENG/Monographs/vol80/index.php
きくち August 20, 2009 @20:00:17
Group 4になると、もっと積極的に「なさそう」という評価で、こちらは「発がん性なしというデータ」があるわけですね
59. DICE — August 20, 2009 @13:48:19
って話も同じですよね、この流れでしたら。
これだけネットで情報を収集し、書き込みされているんですから一般の方よりPCや周辺機器から浴びる電磁派は多いでしょうね、きっと…
何だか本末転倒な気がします…
きくち August 20, 2009 @20:05:09
コーヒーが気になる人には「コーヒーを飲まない」という選択肢があるわけです。
電気製品にも「使わない自由」があって、実際、ご飯を電気釜で保温せずに蒸し器で温めると書いてられましたから、避けられるものは避けようとされてるのでは。といっても、実のところ、PCとかスイッチング電源とかはずいぶんと出ると思いますけど。
いずれにしろ、「避ける気になれば、比較的簡単に避けられるもの」と「避けるには引っ越すか工事かしかないと思われるもの」とは同列にしないほうがいいのだと思います。
タバコで言うと、自分が吸うことより、副流煙を問題にするということかと
61. com — August 20, 2009 @20:39:06
ちがやまるさん、きくちさん、
IARC判定をする際、データ不足の場合は「分類できない」とします。
従って、カテゴリ3(データがあって3になった)とは意味合いが異なります。解釈的には、データ的にほぼ無い、というところでしょうか。
きくち August 20, 2009 @20:55:53
ありがとうございます。
Groupはあくまでも証拠の強さだから、要するにGroup 3は「証拠がない」という事実を言ってるだけなんですね。
63. atlantis_Hatena — August 21, 2009 @04:49:38
算出方法わかれば、計算くらいはやってみますが...。
64. atlantis_Hatena — August 21, 2009 @07:53:09
いずれにせよ、反応がおくれます、ひとまず報告まで。
65. maru — August 21, 2009 @06:46:54
きくちさん、ありがとうございます。まさにその通りです。わーい。
PCは私はかなり使っていた頃に体調が悪くなったので、現在はデスクトップにして、アースとって、本体やモニターから1m以上離れて使ってます。それでも意味ないかもしれませんが。
携帯は大昔、売るほど使ってました。その時分、健康と”使い方”について某社の偉い人に”指導”を受けたことがあって、三つ子の魂じゃないけど、それが下地となっての問題提起があります。
私は携帯は十年以上使ってやめましたから、リスクの数の中に入ってきますね。
磁場環境が0.4μT以上に知らない間に上昇するということは、小児白血病などは”数年で”結果が出る場合があるわけですから、やっぱり焦ります。バイオ報告でも乳癌との関連を支持している(0.2μTで癌増殖の論文に触れている)と公衆のための要約にあります。
まぜてはいけないのですが、電線でも基地局でも具合が悪くなる電磁波過敏の方が身近に複数いて、引っ越してしまった方も複数います。病院では病気を診て人を診ず、教科書に書いてないこと以外は病気ではないという扱いで、切実に困っている人たちがいます。化学物質過敏症センターにはたくさん相談がくるそうです。全国各地だけの話ではなく、世界中で。なかには思い込みの方も混在するから問題なんでしょうけど、世界レベルで訴えがあるのはやはりおかしい。そうした症状は、もはや無視できないレベルになってきているわけで、欧州議会は私は”過敏になりすぎ”ではないと思います。日本のお医者さんにもうちょっと興味を持っていただけたら、と思います。
また、脳腫瘍はさらに稀な病気ですが、私の友人に1人のほか、私のせまい交友関係のなかで、身近な例を持つ友人・知人がいます。「親戚夫婦が白血病と脳腫瘍(鉄塔下)、「アマ無線の人が脳腫瘍」、「高校生が脳腫瘍(送電線下在住)」「同僚の子供3人が白血病(送電線下2、軍通信施設そば1)」
これは普通ではないのではあるまいか、と思ってるわけです。
WHOの勧告も大事ですけど、電力会社のコンサルの話だけじゃなくて、最終案の話し合いのときに電力業界代表8名をご招待(密室会議)したり、WHOのEMFチームの代表について、関連業界の会社が旅費と研究資金を年間15万ドル提供したという報道のことや、ニュージーランドの裁判で証言した内容とか、欧州議会がセンシティブになるのも当然だと思います。欧州議会で案を出した議員にも脅迫状がきたとありますし。やっぱりなんかヘン。
きくち August 21, 2009 @12:16:20
PCモニターから1m離れるというのは結構極端ですね。これは「電磁波リスクvs.見づらい・使いづらいことによるさまざまなリスク」のトレードオフです。妙な姿勢を続けることによる健康被害は馬鹿にできないと思いますし、目も疲れるのではないかと思います。
きくち August 21, 2009 @12:33:20
もちろん、「自分は高圧線と携帯の両方に対して問題意識を持っている」というのは結構なのですが、議論は分けてください。意味がないからです
電磁波の効果は周波数と強度によって全然違うということはお分かりですよね。
よく言われるように、光も電磁波ですから、紫外線による日焼けも「電磁波問題」と言うことはできます。科学的には間違っていない表現でしょうが、それがものごとをわかりやすくするとは思えません。健康影響のメカニズムも対策もまったく違います。
X線もγ線も光ですから、γ線被爆を電磁波問題と呼んで悪いのかどうかわかりませんが、少なくとも問題の理解が深まる方向ではありません。
メカニズムも対策も違うものは分けて議論しなくては、進むものも進まないのです。たとえば「高圧線対策をしよう」という集会で「でも、携帯の基地局も対策しなくちゃ」と言っていては、なにも進みません。
高圧線の低周波磁場は1秒に60回程度という低い振動数なので、かなり特殊です。我々がいわゆる電波として考える振動数とはかなり違います。どのくらい低いかというと、このままスピーカーにつなぐと音して聞けるくらいです(ちゃんと抵抗をいれないとスピーカーが壊れるので、詳しくは米本実「楽しい電子楽器」を読んでください)。しかも、可聴域の一番下くらい低い音です。つまり、鼓膜を揺らせるくらい遅いわけです。
携帯はGHzですから1秒に10億回ですよね。8桁違いますよね。たとえば赤外線とX線って、せいぜい4桁とか5桁とかの違いなんでよ。でも赤外線とX線の効果は全然違うし、それを混ぜて議論してもしかたがないことはわかりますよね。
(1)どちらにも問題意識を持っている
(2)両方ごっちゃに議論する
このふたつはまったく違います。
68. TAKESAN — August 21, 2009 @07:59:41
>atlantis_Hatenaさん
多分、「母集団」や「標本」、「母数」などの用語について、色々混同がある、ように見受けられますので、まずは統計の教科書にあたって調べてみるのが良いかと思います。
69. DICE — August 21, 2009 @08:43:30
>コーヒーが気になる人には「コーヒーを飲まない」という選択肢があるわけです。
『コーヒーや緑茶が発癌性物質を含むという事を知らずに摂取している人が沢山いるのに国や飲料品メーカーが告知しないのはおかしい、知らない間に子供までが…』
っていう話をして危険を煽るという筋の悪い話をしている方と同列に見えたんですよ。
私は10年弱ではありますが、高圧線の直下で毎日働いていた事もありますし、プログラマーという職種にも就いておりましたので世間一般の方より多分、電磁波を受けておりますが、それによって体調が悪くなったという事は別段ありませんし、そういう環境に長く身を置いていますが周りでその様な事は聞いてもおりません。
電磁派が身体に与える影響は少なからず私もあると思います。
ですが必要以上に危険を煽る様なやり方には違和感を覚えるのです。
不確かな情報や不誠実な情報を根拠にして危険を煽り、胡散臭い物を売りつける商売を長年見て来たからというのもあるのですが(苦笑
きくち August 21, 2009 @12:37:42
あらゆるもののパッケージに「予測されるリスクとその大きさ」を書く時代が来るのかもしれません。それが本当にいいのかと言われると、よくわかんないですけど。
71. kurita — August 21, 2009 @08:24:30
二重盲検法で確認された“電磁波過敏症”の人は世界に一人も存在しない、と理解しているのですが、間違っていたらどなたか御指摘下さい。
もちろん、ここでも何度も言われているように“電磁波過敏だ”と訴える人の訴えの内容が虚偽であるという意味ではないので、その点は誤解の無いように。
> 「アマ無線の人が脳腫瘍」
昔から「子供に女の子が多い」とかいう話(都市伝説?)は聞きますが、脳腫瘍は聞いたことないなぁ... っていうか、そいうエピソードをいくつ集めてきてもダメだって、何度も言われてるのに。 それから、脳腫瘍や白血病になった人の周りの環境だけいくら調べてもダメなんです、ってことも何度も言われてると思うけど。 鉄塔や送電線や軍通信施設や変電所や架線や基地局や中継機や携帯電話やパソコンや電子レンジや炊飯器や換気扇などと無縁の生活をしている友人・知人がどれだけいますか? 誰かが病気になるたびに、電磁波と結びつく原因をみつけちゃうんじゃないですか? 交通事故を起こした人がみんなシートベルトをしていたからといって、シートベルトが事故の原因だとは限りませんから。
誰が誰を接待したとか脅迫状を受け取ったとか、そんな下らない話を調べてるヒマがあるなら、何度も言われているように、ちょっとでも疫学の勉強をした方がよっぽどこれからの役にたつと思いますよ。
72. maru — August 21, 2009 @09:32:46
あと、日本の科学界のこの惨状。
日本学術会議参加の113学会で不正行為(産経記事2005年7月5日)
論文データの捏造や盗用、113学会で 学術会議調査
(朝日2005年7月4日)
一般の人がリスクを判断するときは、科学だけじゃなくてその背景を一緒に見ますよ。とくにお金が絡んでくるときは。重要な問題です。
あと、電線下で白血病が多いということを問題視したワルトハイマーの調査によってようやくこの問題は指摘されはじめたわけで、ワルトハイマーは他の科学者から嘲笑されてたわけですけど、おかしいと思うのは当然の心だと思います。実際に増加するという結果がWHOでも兜研究でもバイオイニシアティブでもそこに含まれる多数の論文でも出てるんですから。
きくち August 21, 2009 @13:37:29
歴史は教訓とすべきですが、「だから今の科学者も信じられない」という話をし続けられては、科学者と市民の相互不信を招くだけではないでしょうか。
知見がどのように積み重ねられ、どのように評価されてきたかを時間順にきちんと評価するべきです。
高圧線問題はカロリンスカの研究結果があり、いくつかの小規模な研究でpositiveかという結果があり、それからアメリカの比較的大規模な研究でnegativeという報告があり、さらにpositiveがあって、プール解析があり、IARCがありWHOがあるわけです。科学の歴史からすれば、比較的短期間でよくれだけ進んだものだと思います。それだけ、科学者の興味を惹いた問題だったわけです。
「positiveという結果以外はすべて嘘」ではないんですよ。間違いと嘘は違うし、そもそも間違いでもないかもしれない。研究デザイン上しかたのないこともあります。もちろん、認知バイアスもあるかもしれない。それを極力減らすのが研究ですけどね。
本当に兜研究の報告をご覧になったのなら、いかに大変な研究かおわかりだと思います。なんの不正もバイアスもなくても、規模が少し小さければnegativeという結果も充分に出うるものでしょう。たとえば、兜研究でも、話をAMLに限ってしまうなら、「0.4μT以上の高圧線下ではむしろAMLの相対リスクは0」です。
だからこそ、個々の研究結果よりも、positiveもnegativeもひっくるめてのプール解析が重要だったわけでしょう。
こういう「数量的に微妙」な問題をきちんと研究するのは大変です。そして、研究の初期にはpositiveもnegativeも出ます。それは不正でもバイアスでもなく出うるものです。それが、研究を積み重ねるにつれて、一定の結論に収斂していくわけです。
現時点での結論をもとに、過去の研究を非難するのは、それが本当に重要な何かを見逃したのでなければ、お門違いです。研究者には「その時点でできることしかできない」のです。
また、兜研究の労力を理解されていれば、「でも、多いという報道がある」などとはいえないこともおわかりなのでは。
あれくらいやって初めて捉えられる「差」なのですから、それが、ニュースの取材くらいで見つかるとは思えないでしょう。そんなに簡単にわかることであれば、あれだけの研究など必要ありません。「数値的に微妙な問題」だからこそ、あんなに大変な研究になったわけです。それを理解しないと、兜研究の意味がない。
ニュースなどで「異常に多い」と報道されるのであれば、それはむしろ認知バイアスの可能性が高いと考えるべきです。「そんなに簡単にはわからない」ということくらい、理解してくださいね。
「兜研究によると、0.4μT以上の高圧線下ではAMLの相対リスクは0と結論される」なんて、誰も言わないでしょ。データ上はそうなっているんです。だから、そう言いたければ言うことはできます。統計解析しなければそうなるでしょうね。でも、0というのはいくらなんでもおかしいわけで、その結論には意味がないから言わないんです。
ニュースで「一大事」と大騒ぎされたものの、のちの科学的検証では問題がなかった事例というのはいくらでもあると思います。
ニュースは重要ですし、それから問題が始まることはあります。しかし、その後に「問題なし」となったのなら、それは問題なしだったのです。しかし、ニュースは「問題なし」の場合にフォローしないので困りますね。
きくち August 21, 2009 @14:04:54
http://www.cp.cmc.osaka-u.ac.jp/~kikuchi/weblog/index.php?UID=1243007559
にも書いたことなのですが、統計的にリスクが高くなるからといって、それを個人が実感できない場合はたくさんあります。
小児白血病の発症率は年間1万人にひとり以下ですよね。それがたとえば高圧線近くでは3倍になるというわけです。これは高圧線近くのこどもを見ると、年間1万人に3人くらい発症するということです。
わかると思いますが、高圧線があろうがなかろうが、年間1万人のうち9990人以上は白血病にかからないわけです。
この違いを個人が実感できるか、です
無理でしょう。
1万人にひとりと1万人に3人の違いを実感できるという人がいるとすれば、それはやはりどこか間違えていると思います。つまり、「多い」と感じるとしても、それは認知バイアスだということです。
ご自身の周囲にたしかに白血病が見られるのだということはあるかもしれませんが、身も蓋もない言い方をするなら、それは不幸な偶然です。
そうではなくて、「バイアスがないようにきちんと研究したら、1万人に3人だということがわかった」なんです。
きくち August 21, 2009 @14:23:45
きくち August 21, 2009 @14:28:08
市民運動のかたはおうおうにして「大きな数ほど説得力がある」と思いがちなようですが、逆でしょう。「その数字はでたらめだ」と思われたら、進む対策も進みません。
根拠のはっきりしたデータがあるなら、それで押し通すべきです。
それが自分にとって不本意に小さいとしても「根拠のない大きな数」と「根拠のある小さな数」のどちらがより有効かといえば、後者ですよ。
77. kurita — August 21, 2009 @09:49:09
そりゃそうです。 誰も否定してませんよ。 間違った方法では正しい原因や対策を突き止めることはできませんよ、って言ってるだけです。
で、対象群の概念については勉強されたんでしょうか?
78. 悪魔天国 — August 21, 2009 @11:00:32
こうですか?
79. kurita — August 21, 2009 @11:46:17
「対照群 」です。 失礼。
きくち August 21, 2009 @13:10:45
対称群とか
ところで、僕は最近自分の文章にタイポが増えている気がします。悪い兆候かも
81. disraff — August 21, 2009 @11:46:15
このままでは、少なくとも科学畑の人に対して訴求力のある議論にはなりません。
82. かとう — August 21, 2009 @12:39:54
「利益相反」ってどっから出てきました??
ただでさえ、何の話をしたいのか解りづらいのに。。
83. KOH — August 21, 2009 @15:48:49
>アマ無線の人が脳腫瘍
ですか.
なぜ,高周波をここに持ってきます?それともアマチュア無線の極低周波磁場ですか?
(私はかなりハードなHAM RADIO愛好家ですがね,Hi)
きくちさんが
>電磁波の効果は周波数と強度によって全然違うということはお分かりですよね。
と言われていますが,実際にはもっといろんなファクターがありますよ.
波形,波源の形状,距離,高さ,輻射パターン,暴露時間.etc
もっと厳密に分けて吟味されませんか?
オーディオは論外ですが電磁波過敏症も出てくるし,申し訳ないですがmaruさんがいろいろ書く度に私に電磁波の恐怖が伝わるなんてことは全くなくて,『煽る系』の本やサイトのダメな情報の再配布とか,残念なことをされているなあという感想です.
84. ゆんゆん探偵 — August 21, 2009 @15:46:57
逆に言うなら、実感出来るほど白血病の発病者が多く周囲にいるのなら、それは高圧線による曝露といった「軽微な影響源」では無く、放射性廃棄物の違法投棄による汚染といったような「重篤な影響源」を疑った方がいいと言うことですよね。(まあ、その場合増えるのは白血病だけじゃないでしょうけど)。
85. atlantis_Hatena — August 21, 2009 @17:47:22
偽陽性も極小数の発生率の場合に判定が違ってくる(陽性が偽陽性と判定されるほど頻度が変化する)話ですから。よく出てくるのが、HIV1(ADISじゃない)のELISA検査でのローリスクグループの陽性反応の判定...。
ただ、さらに発生集団の数が小さいと、どういう推定になってくるかは、ちょっと不明。(300人って町の人数総数だとおもあったけど、違うらしい...。←統計用語は使えないので、日常用語を使います。)
これ以上書くと話が拡散しそうだから、ひとまずこれだけ。
86. かとう — August 21, 2009 @18:41:13
何の話をしたいのかよく解らないよ。
TAKESANさんに言われている様に、まず統計の基本的な所から押さえて
ください。
ご専門は心理学の方面でしたっけ?
そっちでも統計は必須なので、やって損はないし。
時間等で出来ないのなら、統計の話に加わらない方が全員の混乱が
無くなるから、全体利益になります。
300ってのは、母数が非常に大きいときに、サンプル数をどの程度
取ればいいかって話から出てきている数字です。
そもそも集団の数が少ないのなら、普通は統計なんていわず、全数調査
します。
87. yuki — August 21, 2009 @18:44:43
化学物質の例ですが、A,B,Cのの三種類あった場合
それぞれ単独で有害性がゼロでもA+B+C=6になる場合があるからです。
電磁波・電磁場の問題でもそれぞれ単独では、たいした問題ではない結果になっていても、超低周波電界+超低周波磁界で影響は大きくなる可能性があります。
高周波によって電力密度が高い場で他の周波数の電磁波・電磁場が、どう影響するかも変わってきませんか?
WHOなどは単独で調べるだけでなく複合した電磁波・電磁場の影響を調べるべきではないでしょうか?
個別の議論では実際の住環境を語れないと思いますが…。
きくち August 21, 2009 @19:42:53
実験研究だけであれば、そういう批判も充分にありえますが、少なくとも疫学は実際の住環境で行なわれています。
あとは、それをどう分類するかの問題ですよね。
組み合わせが増えるほど、疫学の対象となるデータが減ってしまうので、解析は難しくなるのだと思います。
兜研究の報告書で小児白血病のデータを見ていただくと、関係があるとされる0.4μT以上での症例数は6です。0.4μT以上でさらに他の分類をするのはほとんど無意味でしょう。
これはなぜかといえば、やはり「多くない病気」だからです。
どんな効果が複合的に効いているかわからないけど、いずれにしてもそれほど多くないのです。問題は「多くない病気をどれくらい心配するか」ではないでしょうか。
それと、誤解はしておられないと思いますが、電磁場そのものについては「重ね合わせ」が成り立ち、個別のものの足し合わせでよいです。健康影響という意味ではなく、電磁場そのものについてですが。
前に出てきた「ラドンはどうか」というような話が、それこそ電磁場そのものではないが電磁場と環境にある物質との複合影響ということになりますね。比較的どこにでもある物質であれば、電磁場強度で分類した中に組み込まれているので、結論は変わりません。場所ごとに違うとなると、データをさらに場所ごとに分類しないと関係は出てきませんね。
89. TAKESAN — August 21, 2009 @18:49:33
細かいですが。
「サンプル数」を、「標本を構成する要素の数」の意味で使っておられるならそれは誤りで、正確には、「サンプル(標本)サイズ(の大きさ)」です。
「サンプル数」とは、標本の集合の数の事なので(つまり、「標本」はそもそも集合を指す)、たとえば、独立 k 標本が何ちゃら、という場合の k が「標本数」にあたります。
母集団を構成する要素の数については、単純に、「母集団の大きさ」とか「母集団サイズ」の語を用いるのがいいのではないかな、と思います。
90. TAKESAN — August 21, 2009 @19:05:10
標本を構成する要素の数の事は標本の大きさと呼び、標本の数とは呼ばない、ときちんと書いてあるのに、その2ページ後で、標本の大きさの意味で「標本数」と書かれていた本、を読んだ事があります。ちょっと受けてしまいました。
91. かとう — August 21, 2009 @19:45:23
化学物質はおっしゃる通りですが、(だから、混ぜるな危険ってのが
ある。)電磁波は、混ぜて危険性があがるようなものではありません。
というか、そもそも混ざらないです。
>TAKESANさん
フォローありがとうございます。
きくち August 21, 2009 @19:52:56
ただ、影響も足し算でいいかという問題提起だとするなら、それは足し算でいいとする根拠はないのだと思います。
もっとも、個々に非常に弱い効果であるなら、近似的には足し算で済むと考えられそうですが。
93. tty — August 21, 2009 @19:53:28
チェルノブイリのあとのウクライナ共和国でのガンなどの発生率をまとめた資料が以下にあります。
http://www.med.nagasaki-u.ac.jp/renew/information/interna_heal_j/
これによると甲状腺がんははっきりと、増加しているというのがはっきりわかるのに対して、白血病はほとんど増加していない今後もきっと増えないと書かれていて驚きです。
白血病の増加が放射性廃棄物だとしたらかなりの高濃度のものをすてないといけなそう。
きくち August 21, 2009 @20:29:56
それは意外でした。ありがとうございます。
ご紹介のサイトにも「放射線被曝後の主な関心事である白血病」という記述があるので、調査したみなさんにとっても意外だったのかもしれません。被曝線量がよほど多くないと関係は見られないということなのでしょうね。
放射性物質汚染だと言いたいわけではないので、ベンゼン汚染とかでもいいのですが(兜研究では、ベンゼン・ラドン・γ線をチェックしています)、いずれにしても「高圧線」と決め付けるにはあまりに多い数だと思います。
95. かとう — August 21, 2009 @20:07:56
そもそも、電磁波が健康に与えるメカニズムが解らない状態では、
健康への影響に関してはなんとも言えないですね。
96. atlantis_Hatena — August 21, 2009 @20:58:02
ともあれ、ちゃんと対象群にフォーカスが戻ったみたいなので、これ以上特にコメントはしません。
97. TAKESAN — August 22, 2009 @01:34:41
------
ベイスじゃ無くてベイズですよね。それから、上でも出てきている定番の「対象群」。「照らし合わせる群」とでも憶えておくと間違えにくい気がしますが、タイポなんでそういう問題でも無いですかね。
きくち August 22, 2009 @10:20:53
たしかに、化学物質を疑うほうが筋がいいのかもしれませんね。
兜研究ではベンゼン・ラドン・γ線を取り上げているので、そのあたりが白血病の原因として疑うべきものなのでしょう。
いずれにしても「他の原因」というのは常に考えるべきものだし、もしも本当に伝えられるほど多いのであれば(死亡率自体も高いように思える)、高圧線はむしろ原因として考えがたいのではないかと思います。
対称・対象・対照は、とっさに間違いやすいですね。わかっててもうっかりやりかねない。手で書けば間違えないのだけど、変換で出てきた場合は。
99. atlantis_Hatena — August 22, 2009 @02:50:35
タイポです。> ベイズ、対照群
100. QSM — August 22, 2009 @10:43:34
今回のことに限ったことではないのですが,連続でたくさん書くより,考えをまとめて丁寧に推敲したうえで,すっきりまとめて投稿して頂けないでしょうか.ただでさえ追いかけるのが難しいこのブログのコメント欄が余計読みづらくなってしまいます.
きくち August 22, 2009 @16:45:44
短い連続コメントはおうおうにしてコメントをしたかたの評価を下げる働きがありますし、左のコメント一覧が見づらくなってしまうので、内容をまとめてからひとつの大きいコメントにしていただいたほうがいいと思います。
もちろん、長いものは分割していただけばいいのですが
「ネタ」の場合、短い連続コメントが効果的なこともあるので、そこは臨機応変で
102. サルガッソー — August 22, 2009 @12:16:23
私は知らなかったんですが、ウイルスファクターの白血病なんてのもあったんですね。
そこでWikipwdiaでおもな原因を調べたところ
放射線、ベンゼン、ウイルスが挙げられていましたが、
電磁波は挙げられていませんでした。
そもそも問題提議した人はなぜ電磁波を疑ったのでしょうか?
きくち August 22, 2009 @16:55:38
高圧線の低周波磁場は白血病のリスク要因としては他の要因に比べて大きくないのだと思いますが、「その場に固定されたリスク要因」という意味で少々特殊です。
ただ、疫学調査の結果を見る限り、リスク要因ではあるが心配しすぎるのもどうかという感じです。
問題は、疫学に乗っていない「報道レベル」とか「噂レベル」の話で、これらが異常に大きな数字を出して、恐怖を煽っています。疫学の結果との乖離が著しいので、サンプル選択のバイアスが大きいと考えるのが自然でしょう・・と思うのですが。
門真の話はその一例として考えてみようとしたのですが、そもそも伝えられる数値を確認した人がいないのではないかということになっています。
門真の例などで高圧線ばかりが要因として取りざたされた理由としては、「はっきり見える」ということが挙げられると思います。他のリスク要因は「見えない」ですよね。
104. PseuDoctor — August 22, 2009 @12:42:25
>サルガッソーさん
HTLV-1に限らず、また白血病に限らず、ウイルスが悪性腫瘍のリスクファクターになる事って、結構あります(あくまで「リスクファクター」です)。
例えば、
HPV(ヒトパピローマウイルス):子宮頸がん
肝炎ウイルス:肝がん
EBウイルス:リンパ腫
などです。
また、ウイルスではありませんが、Helicobacter pylori(いわゆるピロリ菌)は胃がんのリスクファクターです。
>そもそも問題提議した人はなぜ電磁波を疑ったのでしょうか?
「高圧線が近くにあったから」なのでは。
>皆様
念のため書いておきますが、私も電磁波の影響を否定したい訳ではありません。ただ、どうしても優先順位を意識しない訳にはいかないのですね。
極端な話をすれば、私は道を歩く時に「交通事故に遭わないか」「雨に降られるのではないか」等をそこそこ気にしますが「隕石に当たるのではないか」は全く気にしません。
危険性を考えるのであれば、確率の大きそうなものから順に考えていくべきですよね。その視点が欠けている場合には「結論ありきの議論ではないか」と疑われても仕方が無い気がします。
きくち August 22, 2009 @20:06:14
疫学の結果に基づいて数を勘定してみれば、心配の優先順位としては高くないという結論になると思いますが。
行政も電力会社も市民団体も、自分の都合のいい時だけ疫学の結果を参照しているようで、気分はよろしくないですね。都合の悪い結果もきちんと見るのでなければ、意味ないんですけど。
ただ、WHOも言っているように「低コストの対策」は求めてもいいと思いますし、あるいはもっと厳しく「Bioinitiative報告を参考にせよ」と求めてみてもいいとは思います。そのあたりまでは根拠が示せるので。それ以上のものを求める根拠は見つかりませんが。
そして、最後はコストや利便性との兼ね合いですよね。
市民団体も含めて「コストや利便性との兼ね合いの中でどれだけの規制をするか」をきちんと議論する場を作ったらいいのだと思いますけれども。
106. QSM — August 22, 2009 @20:33:32
>「ネタ」の場合、短い連続コメントが効果的なこともあるので、そこは臨機応変で
わざわざネタコメントの心配までしてしまうまじめなきくちさんに惚れてしまいそうです.それはそうと.これはいい機会だということで疫学の本を買ってみました.これから勉強します.その後このコメント欄を読み返してみます.
きくち August 22, 2009 @22:43:17
108. ちがやまる — August 22, 2009 @20:42:17
ある程度のリスクが明らかになってしまえば、コストと利便性を見積もって対処をするための目安が出てくるでしょう。
そこが明らかになっていない場合に、どうしたらいいかが今回の問題ではなかったでしょうか。電力線のそばで仕事する人に高い頻度でがんが発症する、という話はおそらくないでしょうから、急いで厳しい対応を求める理由はないはずです。しかし、何の対応も必要ない、という結論も性急すぎるでしょう(喫煙の害が50年位前までどう考えられていたかを思い出してください)。
環境の問題が明らかになる場合、社会のあらゆる成員に一斉に影響が出る、というわけではない場合が多かったのではないでしょうか。暴露量が何らかの理由で他より桁外れに大きかった場合(水俣病とか)や、遺伝的背景が異なる場合(白人の紫外線による皮膚がん)に一部の人に影響が出ていた、という具合に。その場合、直ちに自分に影響しなそうだから取り上げなくていい、とは考えたくないです。犠牲者が出る可能性のある問題であれば何らかの形で自分に関係する可能性も高いでしょうから、できる範囲で自分にひきつけて考えたいです。
いわゆる超低周波電磁場は大きい問題ではないのかもしれません。でも、送電線に比べて電気毛布やじゅうたんの方が影響がありそう、という場合にそこにデータ搬送用の高周波が乗っている場合に影響はないのか、とか、個々の携帯電話は大きい問題はないとして基地局のアンテナ近傍では影響はないのか、とか、私も気になる問題はあります。多くの人の前に、ここまでは安心できるからこうする、という根拠を示しながら物事が進んでいるわけではない点は今後の課題になりうるのではないかと思います。
きくち August 22, 2009 @22:52:57
兜研究の報告書を見ると、送電線については高磁場での白血病症例が少なすぎて、あれ以上細かい条件で分けるのは意味がなさそうです。その意味では「そもそも少ない」わけですが。
電気毛布常用者のほうが集めやすいのではないでしょうか。
電気毛布・電気カーペットについての疫学研究はあってもよさそうに思いますが、聞いたことはありません。どうなのでしょうね。
110. ちがやまる — August 22, 2009 @21:24:57
リスク因子と結果の関連を検討する、という場合に、別の因子が結果に影響している可能性(交絡因子)は常に考えてそれに対処する必要があります。
実際にそれらが結果に影響しているかどうかは別として、EBウイルス、パピローマウイルス、ベンゼン等への暴露などは電磁場による白血病を考慮する限りは考慮しておく必要があるでしょう。
111. prin — August 23, 2009 @10:06:36
電磁波のことを調べていたらここに来ました。どこにつけるのがいいのかよくわからなかったのでここに。
ニセ科学批判しているらしい唐沢っていう人が
http://www.aspect.co.jp/hakase/05.html
の中で携帯のせいで、イルカとか海洋動物に悪影響を与えると言っているんです。人間に影響がなくても、野生動物に影響があるならDDTのように制限をかけないとまずいのではないでしょうか。
▽以下引用▽
唐沢 確かに電磁波の問題は年々大きく扱われるようになってきていますからね。たとえば最近の話題だと、イルカやクジラが海岸に打ち上げられる現象との関係性が指摘されていたり…。
博士 今年の2月にも千葉の九十九里浜でありましたよね。あの現象と電磁波にどういう関係が?
唐沢 実はあれは海流が変わったとかそういう話ではなくて、どうやらケータイの普及が原因らしいのです。
博士 えっ、そうなんですか!?
唐沢 クジラやイルカは地磁気を感知する装置のようなものが脳の中にあって、それを使って自分たちの行く道を決めているんですね。でもケータイの普及によって飛び交う電磁波の量が倍増したことで、地磁気以外の電磁波がその感知機能に影響を与え、それが原因で海洋生物たちが間違って海岸に打ち上げられるようになったのではないかって言われているんですよ。
きくち August 23, 2009 @11:15:38
そもそも集団座礁が増えているのかどうかから始めなくてはならないと思いますが、本当に増えているのでしょうか。ニュースで見かける頻度が上がることと実際に増えていることとはほとんど無関係なので、データがないとよくわからないと思います。そういう統計がなかなか見つかりませんね。
google scholarでdolphin "mass stranding"を検索してみると700件強見つかります。dolphin "mass stranding" phoneでは80件くらいなのですが、ざっと検索結果を見た感じでは電話を座礁の原因と考えているものはなさそうです。むしろ、イルカ救難ネットワークみたいな話が多そう。
もちろん、少しはあるのかもしれませんが、集団座礁自体は携帯電話普及以前からある現象なので、どうでしょうか。
まずは、携帯普及とともに本当に増えているかどうかを見るのが簡単っぽいですが。
集団座礁の原因としては寄生虫説とか地磁気説(座礁が起きるのはそのあたりでもっとも地磁気の弱い場所という研究あり)とかその他いろいろあるようです。
というわけで、唐沢さんがなぜ「ケータイの普及が原因らしい」と言うのか、現時点では僕にはわかりません。
ほんとに調べて言ってるのかな。
................
最近起こっていて原因が分からない色々な症例、たとえば、うつ病の増加や若年性のボケなどの原因を考えた時に、一番関係がありそうなのが電磁波だとは言われています。
...............
なんてことも書いてありますが・・・
もちろん、言ってる人はいるでしょうね、たぶん。どんなものでも電磁波に結びつける人はいます。
「ありえない」わけではないですが、じゃあ疫学的に確認されているのかというと、Bioinitiative報告はアルツハイマーについて低周波磁場がオッズ比2程度という研究を紹介していますね。仮にそうだとすると、「一番関係がありそう」とは言えないでしょう。
この程度のオッズ比なら、普通の人には「低周波磁場の強いところではアルツハイマーが増えている」と認識できないのではないでしょうか。
きくち August 23, 2009 @14:39:02
書いたものを読むに、本人もそんな気はないのでは?
「と学会」と「ニセ科学批判」は違うよ、ってことなんですが
114. KOH — August 23, 2009 @10:34:29
唐沢さん、海中に携帯持って行ってかかるかどうかやってみたらいかがでしょうか?
すいません、私はカナヅチなもので..
きくち August 23, 2009 @11:19:52
いや、そもそも本当に集団座礁が携帯の普及とともに増えているのかどうか、ぜひ知りたいところです
116. kurita — August 23, 2009 @10:49:20
きくち August 23, 2009 @11:18:44
http://jeb.biologists.org/cgi/reprint/120/1/1.pdf
118. e10go — August 23, 2009 @12:39:38
「寄り鯨」で検索すると分かりますが、「イルカやクジラが海岸に打ち上げられる現象」は、昔からコンスタントにあります。
江戸時代には、幕府が「鯨定」という取り決めを作るほど紛争が起きています。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%8D%95%E9%AF%A8#.E6.B1.9F.E6.88.B8.E6.99.82.E4.BB.A3.E3.81.AE.E6.8D.95.E9.AF.A8.E7.94.A3.E6.A5.AD
最近になって「クジラの海岸の打ち上げ現象が増えた」という話は見当たらないのに、「電磁波」を持ち出す意味があるのか・・・
きくち August 23, 2009 @12:44:39
「増えているか」を調べるところから始めないと。
どこかにデータはありますかねえ
IWCとか?
ニュースは最近になって増えているのかもしれません。しかし、それは現象が増えたかどうかとは関係ないので
120. 温泉カワセミ — August 23, 2009 @13:17:30
>ニセ科学批判しているらしい唐沢っていう人が
>http://www.aspect.co.jp/hakase/05.html
あんれまぁ、鯨の座礁とかの話もさることながら、件の記事そのものが、あの怪しげなバイオラバー紹介のネタやん・・・
唐沢さんも、よぉ知らんことは知らんで終わらせときゃあ良ぇのにねぇ。
『開発者の方が医学的にもきちんと効果を証明しようと真摯に研究』とか『既得権益を守りたい人たちからの反発』とか適当に話を合わせちゃダメだよぉ〜〜〜
きくち August 23, 2009 @14:29:00
122. e10go — August 23, 2009 @14:17:42
>どこかにデータはありますかねえ
見当たりませんねえ。
唯一見つけたのが以下のURLですが、あまり参考にならないです。
http://www.jfa.maff.go.jp/iinkai/suiseisin/gijiroku/kanri/016.htm
水産庁の資料「水産政策審議会、第17回資源管理分科会議事録」
━━━引用(はじめ)━━━
それから、先ほど第1発見者なり何なりの話も出ましたが、最近、年間100件を超える件数の鯨の座礁等ございますけれども、必ずしも漁師さんが最初に見つけているわけでもございませんし、一般市民の方が発見される場合もあります。
━━━引用(おわり)━━━
浜に打ち上げられたクジラは厚労省の管轄らしいけど、処理自体は打ち上げられた場所の自治体の様です。(日本の場合)
きくち August 23, 2009 @14:36:07
で検索すると80件くらい出てくるので、このあたりを読めばいいんですかね。
結構大変
唐沢さんの情報源は何? っていう疑問はわきますね
124. トンデモブラウ — August 23, 2009 @15:26:12
ネタですから。
125. さんちゃん — August 23, 2009 @16:27:04
・・・という話を聞いたことがあるが、信憑性はいかほど?
きくち August 23, 2009 @23:01:26
その場合
(1)本当に帰還率は落ちているか
(2)電磁波の強い地域でそれが特に顕著か
というあたりから文献を調べないと、って感じでしょう。
最近得た教訓は、「最近なになにが増えているが、それはなになにのせいである」という主張があったとき、「なになにが増えている」という前提部分が単なる噂に過ぎないこともおうおうにしてある、ってことでしょうか。
(1)は伝書鳩協会(知らないけど、たぶんある)に訊けばわかるのでしょうね。
きくち August 23, 2009 @23:22:36
......................
1970年代を境に、鳩レースの平均帰還率は明らかな低下傾向を辿り、数千羽規模の登録レースでも、最終レースを待たず全滅することが各地で頻発している。それは日本に特有の現象で、原因の探求がされているものの、はっきりしたことはわかっていない。主に猛禽類の大増殖説・携帯電話の電磁波影響説(1990年代後半からいわれるようになってきた)・育種上外来種偏重かつスピード重視の改良が横行した結果の3つが言われている。
.....................
だそうです。
帰還率の低下ははっきり確認された事実のようです。日本特有の現象とは意外です。
70年代からだとすると、仮に電磁波だとしても携帯電話は関係ないですね
128. サルガッソー — August 23, 2009 @18:50:27
問題提議したい人は誰がコストを負担してどのように調査すべきかってことを意識するべきだと思うんですよね。
○○は問題だと思いませんか?
って読者にどんな反応を期待しているのでしょうか。
掲示板に書いたら学者の人が「ほうほう面白そうだ」って予算の稟議通して機材揃えて現地に行って調査するとでも思っているんでしょうか。
129. かとう — August 23, 2009 @20:31:22
といって、科学者でもなければ、ニセ科学批判者でもありませんね。
例えば、稗田 おん まゆらさんも学会員ですが、「バードウオッチング
の会に入り込んだ鳥」とも言われてるし。
そういう変なものを集めて面白がっていた集団ですが、その集めた
変なものの中で、「これは笑えない」というものに真剣に突っ込みを
入れる様になった人も居るし、その逆過程で学会員になった人もいます。
でも、決してイコールではない。
130. prin — August 23, 2009 @22:27:33
ニコニコ動画で検索したら、以下のような番組紹介がでていたので、ニセ科学批判を行っている科学評論家だと思ってました。
▽以下引用▽
博士も知らないニッポンのウラ#2
博士も知らないニッポンのウラ第2弾。以下ミランカソースより 今回のテーマは「ニッポンのニセ科学」ゲストに科学評論家・唐沢俊一氏を招き、私達の身の回りに蔓延する“ニセ科学”と どう向き合っていくべきかを考える。
△ここまで△
>124. トンデモブラウ ― August 23, 2009 @15:26:12
>唐沢某に情報源を聞くのはタブーです
という話を聞いたのでもう少し検索範囲を増やして2chとかの情報を今日1日ながめていたのですが、すごいだめな人なんですね。
ほとんどの話がガセネタで、たまに本当の話があっても盗用のものとは。これから先はこの人の名前を見ても無視するようにします。お騒がせしてすみませんでした。
きくち August 23, 2009 @23:03:04
「世界一受けたい授業」でも雑学を紹介する役ですね。
面白い話もいろいろされると思いますけど、信頼性については、それぞれの事項に即してケースバイケースで各自判断してください。
132. かとう — August 23, 2009 @23:00:45
誤解も仕方ないですね。
僕の認識なので間違っているかもしれないですが、「オタク」そして、
「オタク評論家」、「古本コレクター」「雑学博士」ぐらいの感じかな。
>すごいだめな人なんですね。
えっと、「偉い人」が言ったから正しいなんて事は、絶対に無いです。
言った内容そのものを吟味しないといけません。
ノーベル賞受賞者でも、間違ったことを言います。
この辺、科学を齧っている人には常識です。
prinさんが、「この人が言うんだから、間違いない。この人の意見は
全て正しい。」って人を求めていて、そういう人以外を「だめな人」
と呼ぶのなら、僕ももちろん「だめな人」です。
きくちさんだって、「だめな人」と言われる事を肯定すると思います。
そういう意味では、世の中には「だめな人」しかいないと思います。
「すごい」を附けるかどうかは、お任せします。
133. かとう — August 23, 2009 @23:23:07
本であれば、編集者が書き文責編集部ですし、テレビであれば、
構成作家とかが書いて文責ディレクターです。
なので、「え?詐称?」みたいに飛びつくのは、ちょっと待って。です。
134. かとう — August 23, 2009 @23:32:04
って事は、日本ではパケットロスが多いって事ですね。
やはり次世代方式、SNAP (SNAil-based data transfer Protocol)の
出番ですか。
135. TAKESAN — August 23, 2009 @23:27:07
えっと…。
○○はどうなんでしょう、という問いかけに対して、きくちさんが一つ一つ、資料を探してきて、こんな感じじゃないだろうか、と書いておられますよね。これ、結構な負担だよなあ、と思ったり。
○○はどうなんでしょう、調べたらこんなのありました、くらいは書いた方が、話は進みますよね。そうで無いと、通常は、どうなんでしょう→どうなんでしょうね としかならない訳ですが、きくちさんは一つずつ調べて、こんなのありましたからこういう感じでは、と返しておられる訳です。
ここまでやってくれる方は、そうそうおられませんよ。
(きくちさんは、自分も興味を持って調べたので、さほど負担では無い、と仰るかもですが)
※こんなのありますよ、を闇雲に続けるのが論外なのは、言うまでもありませんけれども
きくち August 23, 2009 @23:45:28
当然、資料がついているほうが簡単ですね
137. prin — August 23, 2009 @23:29:45
僕も全てのことを信じられる偉い人がいるとは思ってません。ただ、ゴミ屑ばかり書き散らすもう見なくてもいい人っていうのはいると思います。ここにも隔離されている人がいますよね。
プロフィールにはその人の得意分野が書いてあってお金をもらって活動している人であればそれなりに信じられるんじゃないかと思ってたんです。編集者やディレクターがプロフィール欄を書いたとしても、あまりにも違っていたら本人から修正を求めるようなことは普通ではないのでしょうか。
あと、今日1日この人のこと調べてわかったのは、かとうさんがあげられている「おたく」「古本」「雑学」についてもガセネタや盗作ばかりしかなく、彼の本当の著作で信用に足りるものがほとんどないと検証されてました。また、盗用事件を何度起こしても懲りなかったり、名誉毀損で訴えられて負けてもなお訴えた人に対して名誉毀損をするような人だったので駄目な人だと思いました。
正しい内容であれば、きっと盗用元があるのでそれを見ればいいし、オリジナルな内容であればほとんどガセなんでもう無視するのが一番効率がいいなと思ったんです。
きくち August 24, 2009 @00:05:15
雑学的小ネタについては「盗作」と「●●と言われている」的な表現との区別は難しいと思いますが、もっともよく知られているのは『新・UFO入門』事件で、これは「お詫び」も出ているはっきりしたものですね。
http://www.tobunken.com/news/news20070803110042.html
きくち August 24, 2009 @11:25:53
http://mandanatsusin.cocolog-nifty.com/blog/2007/07/post_604f.html
僕自身はこの問題を追いかけたことはなくて、「引用とはとても言えないレベルのかなりはっきりした盗用があり、唐沢さんと出版社が謝罪したらしい」という程度のことしか知らなかったので、出版側のおわびが一番はっきりしてるのだろうと思ったのですが、事実上決裂していたのだとすると、「おわび」だけ読んでもだめってことですね。
きくち August 24, 2009 @01:24:42
「肩書きは科学評論家でいいですか」って訊かれたら、どうしますかねえ。「評論家」って名乗るだけなら、誰でもできちゃうからなあ。期待に応えてオッケーを出したかもしれませんね。わかりません。「雑学博士にしてください」って言ったらよかったと思いますが、言わなかったのか言う機会がなかったのか。水道橋博士との対談だし。
「科学者」じゃなくて「科学評論家」だと、信頼度の目安にはならないかもしれない、という気がしてきました。
141. kurita — August 24, 2009 @01:38:27
http://www.fws.gov/desfbay/Archives/Whale/Whale.pdf
サンフランシスコの周辺で座礁するクジラの数は増えているらしいのですが、このクジラの保護が 1946年に開始されてから頭数が十倍以上に増えているので(二千頭未満から2万6千頭以上まで)、単純に座礁件数を比べることはできない、と指摘されています。
とは言え、“In the past two years, we have seen an increased number of gray whale strandings throughout their migration route.”とも(2001年あたりに)書かれているように、必ずしもクジラの頭数と座礁数が比例しているわけでもないようです。 そのため、クジラが増えてきたために餌の量など環境要因によるクジラの生息可能数の限界に達してきたのかもしれないとも書かれていて、結局最後には、クジラの座礁に関して正しい結論を出すためには、座礁したクジラだけでなく、健康なクジラ、群れ全体に関する調査も必要だ、とまとめられていて... なんとなくこのスレッドの話題にふさわしいところに落ちましたでしょうか。
きくち August 24, 2009 @14:03:05
世界中の集団座礁の年次推移なんてものはないのですかねえ。
むしろ、世界中では意味がなくて、ローカルなほうが意味があるのかな。
頭数の増加も考えなくてはならないというのは、「癌死亡率は上がっているか」と似た問題ですね。
143. かとう — August 24, 2009 @12:00:04
必要とせず、特に条件も設定されないですね。
今なら、日本に数百万の「高校野球評論家」が居ますね。
秋になったら、ぱったり減りますが。
次は、「プロ野球ドラフト評論家」かな?
144. 庸 — August 24, 2009 @13:47:50
145. さんちゃん — August 24, 2009 @19:12:13
日本伝書鳩協会のHPを見てみましたが、伝書鳩のレースごとに帰還率をだしているので原因はともかく悪くなっているかどうかは分かりそうと思っていましたが、wikiに載ってましたか。
・日本伝書鳩協会
http://www.nihon-denshobatokyokai.org/n-index.html
でも、日本特有の原因ってなんだろう・・・。
こんなのありました。
実際の通信には耐えられないそうです。
・鳥類キャリアによるIP
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%B3%A5%E9%A1%9E%E3%82%AD%E3%83%A3%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%81%AB%E3%82%88%E3%82%8BIP
146. トンデモブラウ — August 24, 2009 @20:56:50
とは言え、無責任にでたらめばかり発信してたらダメでしょう。
「評論家」にも忸怩があるはずだ。
しかも、素人評論家(オタクとも呼ぶ)の実力を舐めるわけにはいかないんじゃないかな。
小説や伝聞がソースじゃ、そのへんの素人オタク以下じゃん。(>唐沢某とやら)
きくち August 24, 2009 @21:35:55
電磁波問題には「噂」が多くて、「何が事実か」「なぜ電磁波問題だと思われているか」を明らかにしておく必要があると思います。
鳩は事実としてはあるようです。イルカやクジラのほうは個体数変動まで考えても多いのかどうか、ですね。いずれにしても、電磁波問題だと考える根拠は今のところ希薄なのではないでしょうか。また、どちらも携帯電話普及以前から起きている問題のように思えます。
148. トンデモブラウ — August 24, 2009 @21:50:06
有機金属化合物とかアクティブ・ソナーの可能性の方が、すんなり納得できそう。
きくち August 24, 2009 @22:37:17
寄生虫を疑っている人もいますね
集団座礁に関する限り、電磁波は候補としてかなり下のほうでしょう。
150. tty — August 24, 2009 @22:35:49
英語版のwikipediaにも
http://en.wikipedia.org/wiki/Pigeon_racing
Some evidence has surfaced indicating that mobile phone towers may be interrupting the birds navigation.[10] No published research has investigated this theory however.
携帯電話の等が帰巣を妨げているとか書いてます。
http://mikannohan.exblog.jp/4915545/
によると
【世界に根強いファンを持つハトレースで異変が起きている。ハトレースは、一定の距離までハトを運んで空に放ち、帰巣本能を使って鳩舎に戻る速度を競う。かって7〜8割だった英国のハトの帰還率は近年、5割程度に落ち込んでいる。
帰還率低下の理由として英国最大の愛好家組織「王立ハトレース協会」ピーター・ブライアント会長が挙げるのが、携帯電話やその基地局の電磁波だ。「迷いバトが目だって増えてきたのが10年前。ちょうど携帯電話が全英に普及した時期と重なる」】
だそうです。元ネタをRoyal Pigeon Racing Associationからさがしたのですがちょっと見つけられませんでした。
日本だけでなく少なくとも英国でも発生している現象のようです。
きくち August 24, 2009 @22:58:56
日本での帰還率減少が「70年代を境に」だとすると、携帯電話ではないはずですが。
152. baudrateRA — August 24, 2009 @22:45:45
水道橋博士×唐沢俊一のくだんの対談については、こちらでもホソボソと
やっているので、よかったら遊びにきてください。
携帯電話の電磁波ってイルカやクジラのもとまで届くんですか
http://tondemonai2.blog114.fc2.com/blog-entry-211.html
似ているようで違う ―― 限りなく黒に近いグレーと限りなく透明に近いブルー
http://tondemonai2.blog114.fc2.com/blog-entry-212.html
この 2 人がニセ科学批判していた番組というのも、あったようですね。
水道橋+宮崎+唐沢+ニセ科学
http://shibuken.seesaa.net/article/42303819.html
2007 年のこと?
153. PseuDoctor — August 25, 2009 @00:00:14
えーと、一段落したっぽいので話題を巻き戻しちゃいますが、
>きくちさん
http://www.cp.cmc.osaka-u.ac.jp/~kikuchi/weblog/index.php?UID=1250519440#CID1250939174
>そして、最後はコストや利便性との兼ね合いですよね。
仰る通りです。発生確率のみで決まる様な書き方をした、先の私の発言は言葉足らずでした。
この場合の利便性とは、リスクマネジメント的に言えば
発生確率×発生した時の被害
で示されるものであり、掛けるコストと利便性の変化量を比較して、コストの方が少なければ実行する意味がある、という事ですね。
ただ、発生確率は(データが十分にあれば)算出可能でしょうが、被害の大きさを定量化するのは難しい場合があります。企業活動であれば全てを金額に換算するのが原則なので、そうすれば良いのですが、健康被害の大きさをどの様に定量化するのかは難しい問題です。
ここからは全くの個人的思い付きに過ぎませんが。
一例として「生命を失う確率が1/10000であれば、自分の人生のうち1/10000をその対策に費やす」というのはどうだろう、と思っています。具体的には、余命が約27年であれば、トータルで1日をその為に使う、という事ですね。
これは少ない様に思えるかもしれませんが、もし1万人の人が同じ事を行えば、単純計算で1人の人が27年(約1万日)かけて行うのと同じ労力(これを「人日」という単位を使えば10000人日と表せます)が提供される事になり、馬鹿に出来ません。
勿論これはあくまでも基本値であり、ノブレス・オブリージュ等の概念を考慮すれば幾らでも変化しうるものだとは思います。
それでも、個人的なレベルでの「優先順位」とか「リソースの配分」とかの問題に対する、ひとつの指標に成り得るかもしれない、と思ったので書いてみました。