刃物の規制について

ひとりごと・・・

う~む・・・

どうも面白くない状況ですね・・・

刃物規制法案のことです。かなり大々的に新聞やネットニュースに出ていたので、既にご存知の方も多いかと思います。

以下はネットに掲載されていたFNN系の記事を引用したモノですが、

警察庁、「ダガーナイフ」所持禁止などを盛り込んだ銃刀法改正案まとめる
警察庁は、東京・秋葉原の通り魔事件で凶器として使われた「ダガーナイフ」の所持を禁止することなどを盛り込んだ、銃刀法の改正案をまとめた。
現在の銃刀法では、刃渡り15cm以上の刃物などが禁止の対象で、秋葉原の通り魔事件で凶器として使われたダガーナイフについては、対象外となっていた。
今回、警察庁がまとめた銃刀法の改正案では、刃渡り5.5cm以上の刃物などについて、原則として所持が禁止され、ダガーナイフも対象となる。
また改正案では、2007年、長崎・佐世保市で起きた散弾銃の乱射事件を受けて、猟銃の所持を許可する要件が厳格化され、弾の管理を徹底させる内容も盛り込まれている。
銃刀法の改正案は、今国会に提出される予定。

と言うことらしいです。

しかし、相変わらず曖昧な書き方ですね。

YOMIURI ONLINE にもう少し具体的に書かれたモノがありました。

ダガーナイフ所持禁止へ、銃刀法改正案を閣議決定

 政府は21日、東京・秋葉原の無差別殺傷事件の凶器になった「ダガーナイフ」の所持禁止などを盛り込んだ銃刀法改正案を閣議決定した。
 開会中の臨時国会に提出する予定。警察庁では年内の施行を目指しているが、今月末に国会が解散されれば審議入りできない可能性もある。

 現行の銃刀法では、刃渡り15センチ以上の刀、剣、やり、なぎなたなどを「刀剣類」として所持を禁止している。ダガーナイフのように両刃で左右均整の形状をした刃物は「剣」に該当し、秋葉原の事件で使われたものは刃渡り約13センチだったため規制の対象外だった。

 改正案では「剣」の対象を1962年以来、46年ぶりに見直し、刃渡り5・5センチ以上については所持を禁止する。施行後6か月間を猶予期間とし、すでに流通しているナイフについては、その間に警察や回収業者に処分を依頼するよう求める。

 また、長崎県佐世保市で昨年12月に起きた散弾銃乱射事件を受けて、猟銃所持の許可要件も厳格化。新たに〈1〉ストーカー行為や配偶者への暴力〈2〉破産者〈3〉自殺のおそれ――なども、銃を所持できない「欠格事由」に追加する。いったん許可した後も、近隣住民らからの苦情があれば警察が再調査できるとの規定も新設され、警察庁は現場向けの運用指針を作成している。

(2008年10月21日10時40分 読売新聞)

つまり5.5cm以上の刃体、つまりヒルトなりハンドルの際なりから計ってポイントまでの長さを刃体というのだそうですが、まぁほとんどのダガーがアウトですね。
同じようなことを伝えた記事でも、前者のモノでは全ての刃物が5.5cm以上のモノはダメとも受け取れる内容です。
もうチッとマシな書き方をしてほしいところです。どうやらコレを見て早合点したのか、昨日からそのコトに関しての問い合わせの電話が多かったです。

この調子でいけば、規制強化が盛り込まれた法案が通るのはほぼ間違いないですね。

7月末まで警察庁が受け付けていたパブリックコメント募集ってのは、いったい何のためだったのだ・・・と思ってしまいます。

思い起こせば・・・6月に秋葉原で事件が起こって直ぐにダガーが禁止になる様な話があったり、また7月頃でしたでしょうか、法案が国会に提出されるという話が新聞に出ました。
地方紙ですが、もう「禁止」になってしまったかのような新聞の見出しだったので、さすがにその時は新聞社に問い合わせて、記事を書いた人に話を聞きました。
そしたら、その新聞記者も実際にはそのようなワケではない、と言った回答をしました。
法案が提出される動きがあった、と言うだけでその時点では禁止なわけナイのにあたかももう禁止になってしまった、と言う書き方・・・

まぁそんなわけで、法案が提出されても国会で審議されないと決まらないわけですし、ちょうどそれから福田前首相の無責任丸投げ辞任で、臨時国会すら開けない状態でしたから、しばらく法案が通ることはないな、と静観しておりました。
その数日後、都条例でダガーについて、18歳未満への販売、譲渡は禁止、と言う内容で決まったと言う発表がありました。
各県や市などにおいての条例で次々同様の内容が決められていましたが、やはり東京都と言うのは特別行政区と言うのでしょうか、つまり影響力と言うのは強いわけで、その動向は今度の国会での法案がどうなるのかを占う上で重要なんですね。そこで、18歳未満への販売禁止・・・と言うのなら、ネットショップとかその他のオークションとかはどうなのかわかりませんが、一般的な刃物屋では自主的に販売は行っていませんから、コレまで通りで特に今後の運営上の影響はないな、と思っておりました。
なので、引き続き静観・・・と言う立場を取っていましたが・・・

しかし・・・さすがに、今回は何らかの対処法を考えていかねばなりません。

なりませんが・・・実際はそんなに簡単で単純な問題ではないんですよね・・・

カスタムナイフメイカーの根本氏は早くから、コレまでに販売したダガータイプのモノは規制対象外の形状に加工するなど、対策案を表明していました。
松田菊男氏や田辺一寿氏からも販売したダガータイプに関しては同様の加工を施してくれる、との話を取り付けております。

なので、それらのナイフに関してはせっかくのスタイルが台無しになってしまいますが、一応対処の仕様はあります。

ただ、規制適応外のスタイルに、と言うことであれば、まずその規制が具体的にどのようなモノかと言うことを探る必要があります。
どこからドコまでがダメ、と言うことさえハッキリすれば形状の加工等も次の段階に入れます。なので、いまの時点で騒いでも仕方がないと思うんですよ。

法案が通って、その規制の内容がハッキリすれば、いずれ我々刃物業者にも通達が回ってくるでしょう。キクさんも関の刃物会館などに問い合わせていますから、そっちのルートでも明らかになると思います。
時間的な余裕が十分にあるというわけではないですが、まずはその規制の内容をジックリ検討する必要があると思います。

ま、一つ言えることは・・・現時点では、いわゆるダガーについての所持に関しては何ら違法性はないわけですから、とにかく法案の内容でドコまでがダメなのか、がハッキリするまでは下手に騒がないことだと思います。

でも、これだけ報道でバンバンやるとですね~、不安になりますよ。

しかもその報道内容が、如何にもナイフの存在自体が悪いかのような含みを持たせてやっていますからね。
なんか悪意を感じますね。

さて、どうしたモノやら・・・

この話はちょっと続くかもしれません。