やることなすことトンチンカン 麻生首相炎上す
2009年8月24日(月)10時0分配信 日刊ゲンダイ
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●演説は日の丸問題にこだわり、とうとう“足元秘書官”も登場
すでに終盤に突入した「政権交代選挙」は、大新聞が「民主300議席」とはじき出すワンサイドゲームだ。急降下を続ける自民党に打つ手はなく、麻生首相の形相も言動も尋常ではなくなってきた。
●まるで子供の学芸会
“現実”が見えない麻生首相は、ついこの間まで上機嫌だったという。永田町の議員会館で売られているお土産コーナーでは、太郎ちゃんのライターやまんじゅうが飛ぶように売れていた。街頭演説に出れば、鳩山民主党代表の倍以上の観衆が集まり、携帯の写メを向ける。
「オレ、意外と人気あるじゃねえか」と周辺にうれしそうに語っていたものだ。
だが、ライターやまんじゅうは「最後の記念」「話題のタネ」として買われているだけだし、多くの聴衆も動員された人たち。大多数の国民は麻生首相の顔を見るのもイヤになっている。それは党が行った選挙区調査にも表れていて、惨敗の極秘データを知らされた首相は、現実を突きつけられ、何が何だか分からなくなってきたようだ。
頭に血がのぼったのか、街頭演説もいよいよ意味不明になっている。
「麻生首相は当初、民主党批判で党勢を挽回する作戦だった。民主党の17兆円の財源問題をしつこく攻撃したり、マニフェストの修正を『ぶれた』と指摘することで、揺り戻しを期待した。でも、大マスコミは同調してくれたが、全然支持が回復しない。普通ならここで戦術を変えて、民主党の悪口は控え、王道に戻るものですが、今度は日の丸問題ときた。このところ演説といえば、決まって“民主党が日の丸をひっちゃぶいた。ふざけた話でしょうが。日の丸ですらきっちりできない”とヒステリックに叫んでいる。自分で器を小さくしている。これでは票が逃げるばかりですよ」(政界関係者)
今度の選挙で有権者が求めているのは、日の丸問題ではない。しかし、この一点しか見えなくなっている。とうとう炎上してしまったかのようだ。
ここまで大局観を失った首相だから、「傷跡」を「しょうせき」と読んでしまうように、気が動転して何を言い出すか分からない。そこで演説には、ついに“陰の補佐官”が登場した。
「最近は原稿を持った秘書官が、演説する麻生の足元に控えています。話す内容を忘れたり、飛ばしたり、間違えたりしたときに、助け船を出すためです」(事情通)
その様子がテレビでも流されたりした。子供の学芸会じゃあるまいし、こんなみっともない首相がどこにいるだろう。
次々と明らかになる大惨敗データに、平常心を保てないのも仕方ないが、この人はやっぱり首相の器ではなかった。炎上して発狂寸前になる前に、早く消えた方が身のためだ。
(日刊ゲンダイ2009年8月21日掲載)