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【国際】

中国教科書の「魯迅」半減 「難解」「必要」と賛否

2009年8月24日 夕刊

 【上海=小坂井文彦】中国の高校の国語教科書から「阿Q正伝」などで知られる中国近現代文学を代表する文豪、魯迅の作品が減る傾向にある。教育界では「中国語の学習に魯迅は不可欠だ」という反発の一方、「魯迅の絶対視はおかしい」との意見も出ている。

 教科書出版最大手の人民教育出版社が今年出版した高校3年間分の教科書に魯迅は3作品しか載っておらず、数年前の半分ほどにまで減った。ある教育学者は「魯迅作品は難解で、受験のために英語や数学に時間を割きたい、と考える学校が増えている」と指摘する。

 上海で教科書作成に長年かかわってきた華東師範大学の王鉄仙教授(68)は「魯迅作品からは言葉だけでなく、道徳、品格、思想も学べる。最低でも年間2作品、3年で6作品は必要だ」と話す。

 王教授は「毛沢東主席ら以前の共産党幹部は魯迅が好きで重視されてきたが、状況が変わった。魯迅を敬遠する生徒が増えているのは、教師が良さを教えきれないから。英国人ならシェークスピア、中国人なら魯迅を学ぶべきだ」と力説した。

 

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