参院選とうほく2009

民意のゲンバ 09衆院選・仙台(3)高速道路「安くなっても時間は2倍」/エコに逆行、矛盾を実感

お盆の交通量が増えた高速道路。割引や無料化を歓迎する一方、疑問の声も=仙台市青葉区の東北自動車道仙台宮城インターチェンジ

 お盆の帰省客らで混雑した高速道路。自動料金収受システム(ETC)利用で通行料が上限1000円となる割引の適用期間に合わせて「大移動」した人が多かった。

 「割引で安く帰れた」。長野市の実家に帰省した仙台市宮城野区の主婦(43)は素直に喜ぶ。
 片道1万円以上かかっていた通行料が2000円で済んだ。政治に求めるのは目に見える効果。「帰省にかかった時間はいつもの倍。これ以上は厳しい」と渋滞が気になるが、さらに出費が抑えられる高速道無料化に期待し投票するつもりだ。

 東日本高速道路東北支社によると、お盆期間(6〜16日)の管内の利用台数は1日当たり平均3万6900台で前年比で約25%も増加。管内の10キロ以上の渋滞も36回(前年16回)と倍以上に。

 「渋滞に巻き込まれた上、割引は受けられず散々」とぼやくのは太白区の自営業の男性(51)。金銭的に余裕がなく、ETC車載器を買えないまま高速道に乗らざるを得なかった。「政府は財布に余裕がある人しか見えていない」。投票では各党の中小企業対策に注目する。

 割引を利用して関東方面に遠出したという青葉区の会社員男性(28)は「国はエコを推進すると言う一方で、通行料の割引で環境を悪化させている」と矛盾も感じた。

 だから無料化にも同じ矛盾を感じるし、財源の確保策も不透明に映る。「矛盾を気にしない政治家の二枚舌にだまされないよう考えて投票したい」。重視するのは子育てと福祉政策だという。


2009年08月21日金曜日

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