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他社サイト履歴、楽天が広告利用 「勝手に収集、気味が悪い」

8月21日7時57分配信 産経新聞

他社サイト履歴、楽天が広告利用 「勝手に収集、気味が悪い」
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楽天の「アドフォーユー」の仕組み(写真:産経新聞)
 楽天が同社の検索サイトにアクセスした利用者のパソコンから、他社サイトにアクセスした履歴に関する情報を収集し、広告配信に利用していることが判明し、行政や消費者団体なども巻き込んで問題視する声が強まっている。この行為自体に違法性はないが、「情報が勝手に収集されて気味が悪い」などという利用者の声に加え、インターネット広告事業者なども「広告価値を下げる」と批判している。

 問題が指摘されたのは、楽天が昨年6月から自社の検索サイト「インフォシーク」に導入した「楽天ad4U(アドフォーユー)」と呼ばれる広告配信システム。これは、インフォシークを訪れた利用者のパソコン上のブラウザ(閲覧ソフト)内に蓄積された他社を含む過去のサイト閲覧履歴を15種類に分類。楽天がその情報に基づき、利用者の閲覧履歴に合わせた分野のネット広告を配信する仕組み。

 楽天は今後、グループ内の他のサイトでも、このシステムを適用させる計画だという。

 利用者のアクセス履歴に合わせて広告を配信する仕組みは「行動ターゲティング広告」と呼ばれ、ヤフーやグーグルなど多くのサイトで導入されているが、現在は自社のサイト内だけのアクセス情報を収集するのが一般的だ。

 アドフォーユーに対しては、ネットサービスの問題点などを論議する総務省の研究会で取り上げられ、消費者団体が「情報を無断で収集する行為だ」などと非難。総務省も「社会的なルールに反する」(消費者行政課)と批判的だ。

 アクセス履歴の利用をめぐっては、ネット業界で自主的にルールを定めているが、「利用者に分かりやすく情報を提示する」など抽象的な内容にとどまり、詳細なルールはない。

 楽天では、サイトの下段に「個人情報保護方針」と題したページで、グループのウェブサイトにアクセスした際に取得された閲覧ページや日時などに関する情報を収集すると表示。また、楽天では「サイト閲覧情報収集に反対する場合、システムを無効化する機能も提供している」としている。

 ネット業界では「利用者の反発を招くサービスは広告価値を下げるだけ」(ネット広告大手)と楽天に同調する動きはないが、ネット業界に詳しい慶応義塾大学の新保史生准教授は「行政によるガイドラインの策定が必要」と指摘している。(黒川信雄)

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最終更新:8月21日12時53分

産経新聞

 

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