30日投開票の衆院選で、中日新聞社が公示後に実施した中部9県世論調査によると、県内4つの選挙区すべてで民主候補が優勢に立ち、自民候補が追う情勢となっている。自民が劣勢にあるのは、支持者離れが進んでいるため。しかし、投票する候補者や政党を決めていない有権者が4割弱おり、残り1週間の選挙戦が候補者の当落を左右する可能性がある。
衆院選への関心は「大いにある」「ある程度ある」を合わせて88%に達した。小選挙区で投票する候補者を決めていない有権者は38%、比例代表で投票する政党を決めていない人は35%だった。
◆1区
民主前職の川端達夫さんが優勢。民主支持層を固め、無党派層の支持も厚い。これに加え、自民支持層にも深く食い込んでいる。自民前職の上野賢一郎さんは前回総選挙と比べ、無党派層の支持離れで厳しい戦い。自民支持層も十分に固めていない。共産新人の川内卓さんは50代以上で一定の支持がある。
◆2区
民主前職の田島一成さんがリード。民主、社民支持層、無党派層から安定した支持がある。共産候補がいないため、共産支持層の票も大きく取り込んでいる。自民前職の藤井勇治さんは保守層固めが不十分。田島さん陣営の攻勢も許し、苦戦している。
◆3区
民主前職の三日月大造さんも民主支持層をほぼ固め、自民支持層の票も集めている。無党派層からは圧倒的な支持を得ている。自民前職の宇野治さんは自民支持層の票固めに苦しむ。無党派層の支持獲得も弱く、劣勢に立たされている。共産新人の木村真佐美さんは40〜50代で支持を集めるが、共産支持層を固められていない。
◆4区
民主前職の奥村展三さんも民主支持層からの安定した支持を基盤に、自民、公明、共産の各支持層からも支持を得ている。自民新人の武藤貴也さんは、自民支持層固めに苦戦。若手新人をアピールするも十分な無党派層の支持獲得には至っていない。共産新人の坪田五久男さんは共産支持層の票は固めているが、期待する無党派層や自民支持層から支持獲得にはまだ弱い。
◆自民、比例でも支持離れ
「投票先を決めた」または「大体決めた」と答えた有権者のうち、自民、民主両支持者はそれぞれ28・7%、26・9%と大差はなかった。しかし、比例代表で投票する政党を聞いたところ、5割以上が民主、2割弱が自民と答えた。
民主支持者は9割が民主に投票する意思を示した。その一方で、自民に投票するとした自民支持者は6割弱にとどまり、代わりに民主に投票する人は3割超に。自民党支持者の自民離れが顕著になっており、これが各選挙区の情勢にも影響を与えているとみられる。
投票先を決めた有権者のうち、無党派層も3割弱を占める。その6割が民主への支持を表明。自民への支持を示したのは8%程度で、民主との差がさらに開いた。
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