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【09総選挙 全国ニュース】

小泉氏、チルドレン応援に奔走 なお「改革」訴え

2009年8月22日

候補者の応援に駆けつけ支持を訴える小泉元首相=18日夕、京都市内で

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 政界を引退した小泉純一郎元首相が衆院選公示後も連日、「小泉チルドレン」を中心に、自民党候補の応援に奔走している。小泉構造改革路線の弊害が指摘され、党が路線転換を打ち出す中、小泉氏はなお改革の必要性を説いて回っている。

 小泉氏は21日、岡山3区の自民党公認候補、阿部俊子氏の応援のため、岡山県和気町入りした。

 阿部氏は重複立候補した比例代表中国ブロックでは単独1位。小選挙区の結果に関係なく、当選はほぼ間違いない中、小泉氏がわざわざ応援に入ったのは阿部氏の対立候補が「郵政造反組」の中心人物、平沼赳夫元経済産業相(無所属、平沼グループ)だからだ。

 小泉氏が18日の公示日に第一声を発したのも、2005年の前回衆院選で「刺客」に名乗りを上げた小池百合子氏の東京10区。神奈川11区で立候補している次男の応援には入らず、公示直前から順次、片山さつき、佐藤ゆかり、中川泰宏、牧原秀樹、林潤各候補ら「小泉チルドレン」のてこ入れに奔走している。

 応援演説では「役所がやらなくてもいいことをやっている。これをなくさないと無駄はなくせない」「行政改革には痛みが伴う」などと強調。郵政民営化や規制緩和、行財政改革など構造改革へのこだわりを隠さない。

 ただ、前回選挙で自民党に歴史的圧勝をもたらす原動力となった「小泉改革」を取り巻く状況は4年間で一変している。民主党など野党は小泉改革が医療制度のほころびや中央と地方との格差拡大、非正規労働者の増加による所得格差などを招いたとして攻撃。自民党内でも小泉氏の首相退陣後、小泉改革への批判が顕在化している。

 こうした状況を受け、自民党執行部は衆院選マニフェストで「近年の行き過ぎた市場原理主義とは決別すべきだ」と路線転換を打ち出し、麻生太郎首相も17日の党首討論会で「地域間格差が出たとか、いろいろ問題点がある」と指摘した。

 四面楚歌(しめんそか)の小泉氏は20日夜、横浜市内での演説を「私が言っていることは全然聞いてもらえないが、選挙が終われば分かる」と締めくくり、いらだちをにじませた。

 (篠ケ瀬祐司)

 

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