この人物のオモテとウラ　ピーチ・ジョン社長　野口美佳

●周囲には有名人がウヨウヨ

　それにしても、とんでもないところで名前が飛び出した。通販下着会社「ピーチ・ジョン」の野口美佳社長――麻薬取締法違反で逮捕された押尾学容疑者と一緒だった銀座ホステスの変死体現場が、野口社長の契約する六本木ヒルズレジデンスの一室だった。野口社長は１ＬＤＫで家賃４０万円以上の３部屋を契約し、ここは別名「ミーティングルーム」。親しいタレントや関係者に自由に使わせていたという。

　野口社長は、名前と社名から「ミカジョン」の愛称で知られている。ヒルズ族の中心的な存在で人脈は華麗。堀江貴文（元ライブドア社長）、藤田晋（サイバーエージェント社長）、野尻佳孝（テイクアンドギヴ・ニーズ社長）、さらにタレントの吉川ひなのや、“歌姫”浜崎あゆみらの名前がズラズラと挙がってくる。今年１月にお台場のテーマパーク「ジョイポリス」で開いた誕生パーティーには、ピーチ・ジョンのモデルをやっていた梅宮アンナやあびる優のほか、小島よしおやはなわなどお笑い芸人も集まったという。彼女の周りには常に芸能人が集まっているのだ。

　それもそのはず、野口社長にはうなるほどの資産がある。０６年にワコールホールディングスと資本業務提携を結び、０８年には完全子会社に。彼女はワコール株を６７０万株所有している個人の筆頭株主で、ワコール株だけで８０億円を超える。しかも一代で築いたというから、極め付きの成り上がりなのだ。

　野口社長は、１９６５年、仙台市生まれ。高校卒業後、上京しグラフィックデザインを学ぶ。アルバイト先で知り合った通販会社社長で１５歳年上の元夫と、８６年に結婚。９４年に女性向け通信販売会社ピーチ・ジョンを設立する。「女性のため」を徹底して、自ら渡米して下着を買い付け、輸入下着が大ヒット。その後年商１６０億円以上の会社に成長して、全国に１６の直営店を持つ。

　モットーは「情熱と快楽」。離婚、再婚を繰り返しバツ２で４人の子供の母親。現在５人目の子供を妊娠中だが、父親の名は、明かされていない。

　押尾のことは今年の６月に掲載された自身のブログで「押尾先生率いる、ＬＩＶ（ロックグループ）のリハーサルに陣中見舞い」から始まり、「学の顔は、ほんとによく出来ているなぁ」「体は、鍛錬の賜物。毎日の努力が磨きをかけてます。この人もまた、美は一日にして成らず、ですな」と絶賛していた。

　これでわかるように、野口社長はかなりのイケメン好き。

　西麻布のバーで、友人たちに囲まれる中、押尾の隣でうれしそうに話しかけているのを目撃されている。その時イッキコールがあがったが、押尾は「酒を飲まないんで」と断ってトイレへ行き、陰で「酔ったら、何されるか、わかんねえじゃん」と笑っていたという。

　今回亡くなった女性と押尾が知り合ったのも、もともとは野口社長の知人に連れて行かれた銀座の高級クラブだったという。

　事件後、野口社長は会社を通して「押尾を安易に信用したことを反省している」とのコメントを発表した。それだけで済むことなのか。

（日刊ゲンダイ2009年8月19日掲載）