オーストリアの音響機器メーカー「AKG」社の大型ヘッドホン「K701」(実売7〜8万円)が5〜7月、家電店で品薄になった。この時期に放映されていた人気アニメ「けいおん!」のキャラクターが使用しているものと似ていると話題になったからだ。
輸入販売元のハーマンインターナショナルは「もともとそれほど売れることはない最上位機種で、驚いている。有名人と同じ服やアクセサリーを身につける感覚なのでは」と指摘する。
今年国内市場に参入したメーカー「フィリップス」によると、iPodなど携帯音楽プレーヤーの普及で、イヤホン・ヘッドホン市場はこの5年で100億円規模に拡大。昨年からの景気低迷の中でも、前年度比数%の成長を続ける。
こうした中、出版社の学研も8月、ヘッドホンをかけた女の子のイラストとカタログが一体になったイラスト集「ヘッドフォン少女画報」を刊行。これまで約2万部弱を刷った。
学研によると、出版のきっかけは約2年前にアマチュアのイラストレーターが発表した同人誌「萌(も)えるヘッドホン読本」。同誌は昨年、白夜書房から一般にも出版され、約2万5000部を売り上げた。今回の学研の企画にも、同人誌のメンバーが参加したという。
学研の渡部晋一さんは「コミケやネットの影響でイラストのテーマが細分化する中、数年前からヘッドホンをかけた女の子は人気があり、“ヘッドホン少女オンリー”の同人誌即売会が開かれるほど。最近は音楽を聴きながらイラストを描く人も多く、オーディオやヘッドホン好きと『創作の現場』は親和性が高いのでは」と分析している。