【北京=多部田俊輔】中国財政省がまとめた国有企業の経営状況によると、7月の国有企業の営業収入総額は前年同月比4.9%減の1兆8437億元(約25兆3000億円)となった。6月の営業収入総額は今年に入って初めて前年同月実績を上回ったが、再び減少に転じた。財政省は「国有企業の業績は改善しているが、まだ安定していない」とみている。
7月の利益総額は前年同月実績とほぼ同じ水準の1327億元。業種別では政府の景気刺激策の恩恵を受けている建材や建設などの業績が順調に伸びた。石炭や海運などは苦戦が続いている。
国有企業の業績は最悪期からは脱しているが、景気の先行きには慎重な見方も出ている。国内証券アナリストは「上半期の業績を良く見せるために(国有企業が)6月に出荷を増やし、7月はその反動から減少した可能性もある」と分析している。
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