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世界陸上“女王”に「男」疑惑

 1分55秒45で優勝したキャスター・セメンヤ(中央、写真右も)=五輪スタジアム(共同)
 1分55秒45で優勝したキャスター・セメンヤ(中央、写真右も)=五輪スタジアム(共同)

 「世界陸上・第5日」(19日、ベルリン)

 ドイツ・ベルリンで開催中の世界陸上女子800メートルで優勝した南アフリカのセメンヤ選手(18)に性別詐称疑惑が浮上し、国際陸連が本格調査に乗り出したことが分かった。セメンヤ選手は19日のレースで今季世界最高のタイムで圧勝したが、逆三角形の体形や骨太の少年のような顔立ちなどから、性別を疑う声が高まっている。

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 自己記録を1秒27短縮し、今季世界最高の1分55秒45で優勝した“女王”が男性ではないかという疑惑が浮上した。

 ラスト1周。それまで2番目につけていたセメンヤがラストスパートすると、後続との差は広がるばかり。前回優勝した2位のジェプコスゲイを2秒以上引き離しての圧勝だった。

 すでに国際陸連は医学的な性別調査に着手しており、レース後の会見でも「もし調査の結果、彼女が女性でないことが証明されたら、われわれは彼女の名前を削除し、メダルをはく奪する」と述べた。

 ただ本人は子供のころから女の子として育っており「非常に繊細な問題で、慎重に扱わなければならない」とデービス広報部長は歯切れが悪い。国際陸連のサイトによると、セメンヤは1991年生まれで女性として登録されている。

 性別論争に火が付いたのは7月末のアフリカ・ジュニア選手権。昨季まで2分も切れなかったセメンヤが1分56秒72の今季世界最高をマーク。その逆三角形の体形や顔立ちから、性別を疑問視する声が上がっていた。

 今回のレースでも、抵抗を少なくするため、ほかの選手がビキニタイプのウエアを着用するなか、一人だけ半ズボンタイプを着用。たくましい太もも、盛り上がった腕にも注目が集まり、うっすら“ひげ”が生えているようにも見える。

 レース後、セメンヤは記者会見を欠席し、疑惑についてのコメントを避けている。検査結果が判明するまで、数日から数週間かかるが、「うわさは聞いていた」と3位になったメドウズ(英国)も結果に注目している。

 なお06年のドーハ・アジア大会では、今回と同じ女子800メートルで銀メダルを獲得したインドの選手が、検査の結果、男性と判明し、メダルをはく奪されている。

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