大阪府堺市で、傷害と公務執行妨害で逮捕された男(22)が2時間30分も「死んだふり」をするという珍事があった。男は警察も舌を巻くほどの“演技力”だったという。堺署に聞いた。
−−死んだふり、ですか?
「19日午後11時半ごろ、ミニバイクに3人乗りで蛇行運転や信号無視をしていた男を警察官がバイクで追跡したところ、ミニバイクを故意に衝突させ、警察官にけがを負わせた。傷害と公務執行妨害の疑いですね。ところが、警察官が捕まえて手錠をかけた瞬間、パタッと気を失いよった。それまで元気に走って逃げとったクセに。それから2時間30分、死んだふりを続けました」
−−病院に連れていったとか
「あんまり起きないもんやから、救急車を呼んでね。病院では反応を見るため小針でつついたり、尿検査のために尿道にカテーテルを挿入してみたり、いろいろやってみたんです」
−−聞くからに痛そう
「僕は経験ないけど、そら痛いでしょう。膀胱に届くまで突っ込むわけやから。それでも、しぶとい奴でピクリともしない。どこでこんな訓練したんやというぐらい見事な演技でしたわ」
−−目を覚ましたのは
「捜査員5、6人でわっせわっせと抱えて病院から署に連れて帰りました。パイプ椅子に座らせても目を閉じたまま。仕方ないから母親を呼んで本人確認させている時に突然目を開けた。捜査員が『何してるんや』と怒鳴ったら、悪びれもせず『眠かったので寝てたんや』とシレッと答えよった。こんなことして何の意味があんのかなぁ…」
−−どんな男
「見た目は茶髪にTシャツとジーパンで、今どきの若者という感じやけど、やることはいちびった中学生と一緒ですよ」