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自公連勝区、地割れ 「縮図」150選挙区序盤情勢調査

2009年8月21日

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 朝日新聞社が実施した総選挙序盤の情勢調査で民主が大勝する勢いであることがわかった。調査した150選挙区を個別にみていくと、03年、05年に自民が連勝した選挙区でも民主の優勢が目立ち、自民の地盤が崩れつつあることがうかがえる。ただ、情勢は終盤にかけて変わる可能性もある。

 ■大物も劣勢 《03年=自、05年=自》

 自民連勝区は、今回調査した150選挙区のうち半数を超す76選挙区ある。今回の情勢をみると、こうした金城湯池でも民主の進出は著しく、自民を圧倒しそうな勢いだ。

 76選挙区のうち民主が優勢な選挙区は37に達する。北海道5区や静岡3区では、派閥の領袖(りょうしゅう)や閣僚経験者を相手に民主の元職や新顔が有力になっている。

 このほか、民主がやや優勢とみられる選挙区も京都1区や広島4区など13ある。

 さらに、自民と民主が互角の戦いを繰り広げている選挙区が14あり、大分2区では自民と社民の前職が接戦になっている。

 自民が優勢の選挙区は群馬5区など6、ややリードしているとみられる選挙区は島根2区など3にとどまる。ただ、それらの選挙区では、民主は公認候補を立てず、他の野党の応援に回っているケースが多い。

 栃木3区では自民を離党した候補、埼玉11区では無所属の候補が議席をとりそうだ。

 このほか、03年選挙時に保守新党(後に自民党に合流)が当選した愛知9区と和歌山3区では、愛知9区で元首相が厳しい戦い、和歌山3区では現職閣僚が民主と競り合うなど、実質的に自民連勝区といえるところでも必ずしも有利とはいえない状況だ。

 ■民主奪回へ 《03年=民、05年=自》

 前回05年選挙で民主が大敗したのは、03年に小選挙区の議席を獲得しながら、再び自民に奪われる選挙区が都市部を中心に相次いだからだった。「03年民主で05年自民」の選挙区は今回の150選挙区のなかに30選挙区ある。

 このうち、大阪10区を除く29選挙区が自民と民主の直接対決になった。同じ顔合わせの選挙区が目立つ。

 序盤の情勢は民主がかなり優位だ。東京1区や福岡3区で元職が優勢に選挙戦を進めるなど、23選挙区で自民などを引き離している。残る6選挙区でも、神奈川4区で新顔が混戦から抜け出るなど、やや先行する形。

 大阪10区では、民主党の推薦を受けた社民前職が優勢で、30すべての選挙区で自民が議席を失う可能性もある。

 逆に、05年に自民から民主が奪った岡山2区では、民主の前職が議席を守りそうだ。

 ■地盤固める 《03年=民、05年=民》

 03年、05年とも民主が取った選挙区は岩手4区など24。党の幹部クラスも多く、強固な地盤があるところだ。今回、候補者が代わった北海道8区と愛知1区でも優位に立っているほか、残るすべての選挙区で民主前職が安定した戦いぶりをみせている。

 ■厳しい公明 《03年=公、05年=公》

 公明が連続して勝った選挙区のうち、今回は大阪3区、同16区、兵庫2区の3選挙区を調べた。公明は前職がそのまま立候補、民主はいずれも新顔が挑戦する。大阪3区では接戦になっているが、同16区、兵庫2区では公明が厳しい戦いを強いられている。

 「縮図」150選挙区の選び方

 調査対象の150選挙区は、過去の総選挙での各党の獲得議席数や、今回調査前の本社取材網による情勢判断、選挙戦の対決構図や地域的なバランスを考慮して選んだ。こうして統計的に選んだ選挙区は全国300選挙区の「縮図」になっている。激戦が予想される選挙区や話題の候補者がいる注目区などであっても、調査対象ではない選挙区がある。

 <調査方法> 18、19の両日、コンピューターで無作為に作成した番号に電話をかける「朝日RDD」方式で実施した。各選挙区の有効回答の目標数は400。世帯用と判明した番号は全国で計9万1411件で、うち6万277人から有効回答を得た。回答率は66%。

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