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- 第11回 08/10/09号『オーディション合格者に聞け!(1/2)』
オーディション合格者に聞け!
第11回 08/10/09号
今回のインタビューはPLAYSTATION®3オンライン配信専用タイトル「ゴミ箱」を企画・開発中のメンバー、有限会社「JET RAY LOGIC」に所属する松田さん、長嶋さん、松下さんの3名にお話を伺ってきました。「PlayStation®C.A.M.P!」の代表作になるであろう「ゴミ箱」の誕生秘話をたっぷりとご堪能ください!
- 松田太郎
コンピューター系の専門学校を卒業後、地元の会社でSEなどの職務をこなす傍ら、長嶋氏と松下氏とともに有限会社「JET RAY LOGIC」を設立。「ゲームやろうぜ!」に合格後、自らが企画したPLAYSTATION®3オンライン配信専用タイトル「ゴミ箱」の制作に入る。主にディレクションとプランニングを担当。
- 長嶋郁雄
コンピューター系の専門学校卒業後、地元のデザイン関係の会社に入社。「ゴミ箱」では主にデザイン全般を担当している。
- 松下博和
コンピューター系の専門学校卒業、地元の会社でプログラム関係の職務に就く。「ゴミ箱」ではプログラム全般を担当している。
まずは「JET RAY LOGIC」さんのそれぞれの役割について教えてもらえますか
松田太郎氏(以下敬称略):私が社長で、最初にチームの道筋を立てていく「JET」役なんですよ。それで長嶋が僕の考えた企画に光を当てる「RAY」役、松下がプログラムを組んで論理的にまとめる「LOGIC」役の、三位一体のチームワークでやっています。前回のオーディションはこの3人で応募したんですけど、僕だらけでは、やれることに限りがあるので、「ゴミ箱」の制作は同じオーディション合格者の岡嶋さんと大村君と一緒にやることになりました。
では、前回のオーディション(旧「ゲームやろうぜ!」)に応募した経緯をお聞かせください
松田:長嶋が「ゲームやろうぜ!」のオーディションを見つけてきて、「じゃあ、やろうか!」という感じですね。
松下博和氏(以下敬称略):僕らは名古屋にある専門学校の同級生で、一緒にゲームを作りたくて会社を設立したんですけど、なかなかチャンスがつかめなくて……。なので前回のオーディションは本当に渡りに船でしたね。
その頃に応募した作品を覚えていますか?
松下:大雑把に言うと「掃除機」を使った企画ですね。世の中に溢れているゴミを、デカイ掃除機を持って掃除していこうっていう、アクションゲームです。
企画はどのようにして考えられているんですか?
松下:最初に社長(松田さん)が企画の土台みたいなものを作って、そこから3人で詰めていく感じですかね。
松田:そこが「JET RAY LOGIC」たる由縁のところで、僕がまず勢いをつけて、それを長嶋君が綺麗に成長させてくれるわけですよ。そして松下君が論理的にまとめて実現化していくという、昔からこのスタイルでやっています。
長嶋郁雄氏(以下敬称略):まだ社名を引っ張るんですね(笑)。
松下:最後まで社名しか言わなかった人になっちゃうよ……。
長嶋さんの「光を当てる」作業とは、具体的にどのようなことを?
長嶋:企画したものを実際にゲームにしていくと、できることとできないことがあるので、レベルデザインというか、パラメータを調整したり資料を作ったりといった作業が中心ですね。
松下:僕は2人が言ったことがプログラムで実現できるのかを考えて実行するのが仕事で、基本的には彼らが考えた企画には反対しないようにしています。
松田:僕はプログラムを組めませんけど、松下と「こういった感じで組めばいけるんじゃない?」という話はするんですね。まぁ、だいたい間違っているんですけど(笑)。でも、それを松下が聞き取って、「いけるんじゃないかな」と道筋を立ててくれるので。ただ僕は、プログラマーさんがやりたくなかったり、面白くないと思っていることを無理矢理長い時間やらせるのは好きではないんですよ。やっぱりお互いに何が楽しいかは分かっていますから、面白いことをやらせたい。そこは注意しています。
前回のオーディションに応募された「掃除機」の企画もそうですが、現在開発中の「ゴミ箱」も、「ゴミ」をテーマにしたゲームですよね。それには何か理由があるんですか?
松田:僕の祖父が亡くなったときに、祖父の家にあった荷物を処分しなければならなかったんです。それをトラックに積んで埋立地に持って行ったんですけど、そこで凄まじい光景を見てしまって……。たぶんそれが強く印象に残っていて、ゲームにしたいと思ったんじゃないかな。あと、僕は三重県四日市出身育ちで、今でこそ公害が少なくなったと言われていますけど、実際はそうでもないんですよ。やっぱり煙も匂いも凄い。そういうのが心理的に、心の奥にあったんじゃないかなとは思います。う~ん、でも……何だろうね?
松下:考えたのはあなたなんですから、僕に何だろうねと聞かれても答えられないですよ(笑)。
長嶋:最初、この企画の話を聞いても内容が良く分からなかったんですけど、喫煙室にいたときに松田がそこにあったバケツを使って説明を始めて……。それでようやく話が丸く収まったんですよね。今まで分かりづらかった話が理解できたっていう。
松田:そんなこともあったねぇ。
つまり、自分の過去にルーツがあったと
松田:身近なものがテーマだっていうのはずっと変わらないですね。そのほうが分かりやすいですから。僕の企画はそこが胆かなと思っています。