東京都中央卸売市場築地市場(中央区)の移転が予定されている豊洲地区(江東区)の土壌汚染問題を巡り、仲卸業者や一般都民ら移転反対派14人が11日、都の調査結果は多くの問題があり科学的な再検証が必要として、都にボーリング調査で得た土壌サンプルの廃棄差し止めを求めて東京地裁に提訴した。
原告は、NPO法人「市場を考える会」の山崎治雄代表や消費者ら。訴えによると、都の調査は表層のみで分析も不十分な上、高濃度の発がん性物質検出を専門家会議に報告しなかったと指摘。725カ所から採取されたサンプルは予定地に置かれ、日本環境学会などが開示を求めたが、都は拒否し7月には担当者が口頭で「1~2カ月程度で廃棄する」と伝えたという。
原告側は「証拠隠滅の疑いがあり、移転されれば業者や消費者に危険が及ぶ恐れがある」と主張している。提訴後に山崎代表は「都は情報を隠ぺいしてきた。食の安心・安全を守るため提訴した」と話した。【北村和巳】
訴状が届いていないので、内容について申し上げることはできない。
毎日新聞 2009年8月12日 東京朝刊