東京大学全学の学園祭と位置づけられている五月祭も今回で77回目を迎えます。中止となった年も含めると実に80年以上の長きにわたって、学術・文化活動の発表の場を学生に提供してきたことになります。

  80年の伝統の中、何度か五月祭は存続の危機を迎えました。第2次大戦、東大闘争・・・そのたびに当時の学生の爆発的なエネルギーで乗り越えてきました。今回も実は五月祭は存続の危機にありました。外部的な要因ではなく、内部の問題です。昨年、第76期五月祭常任委員会を運営していた委員は実に、5,6人という状況でした。それがどういうわけか、今期はすでに30人以上の人が委員として委員会を運営しようとしています。

  国立大学法人化の波の中で、学生が置かれている状況も急激に変化しようとしています。そうした中で、学生が何を考えているのか、学生が何を主張しようとしているのか、それを社会に訴えること、それが今回の五月祭に課せられている使命だと感じています。

  今回の五月祭のテーマは「君と創造する未来へ」に決定しました。法人化に伴い、大学を社会にアピールしていく必要があります。その中で五月祭の存在意義を見出し、駒場祭とは違う「アカデミック」な部分を演出するためにも、東京大学でどのような研究成果が出ているのか、東京大学で学ぶ若者が何を考えていくのか、そういったことを来場者の皆様に感じてほしい、そう願っています。そして社会が今後どのように変わっていくのか、どのように変えていきたいのか、共に考え、低迷する日本の将来を明るく照らし出そう、そういう意図がこのテーマには込められています。

皆様方のご来場を心からお待ちしております。

第77期五月祭常任委員会委員長


 

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