UBSの脱税ほう助問題、香港に拡大ニューヨーク(ウォール・ストリート・ジャーナル)スイスの金融大手UBS(NYSE:UBS)の顧客を対象とする米政府の取り締まりが世界的に波及している。米政府は裁判所に提出した書類で、UBSと外部のアドバイザーらが香港法人の設立を通じて米国人の資産隠しを助けた模様を詳述した。 UBSの顧客名簿から脱税者を特定しようとする米政府の長期的な調査の中で、初の司法取引が成立し、米顧客の収入や海外口座の存在の隠ぺいをほう助しようとするUBSの巧妙な手口がより鮮明になっている。 UBSの顧客でカリフォルニア州マリブ在住のジョン・マッカーシー氏は14日、米財務省への年次報告書の提出を怠った罪状を認めた。その有罪答弁書によると、脱税の一部は、ある香港法人名義のUBS口座に資金を流すことで行われた。アジアの金融の中心地である香港がこうした事案にかかわるのは今回が2度目。 司法省の捜査に詳しい筋によると、UBSが米政府に提出した約250人の顧客情報を中心に調査を進めるなかで、香港との結びつきをつきとめることは、それを違法行為立証の突破口にしようとしている同省と米内国歳入庁(IRS)にとって重要。UBSは2月に刑事訴訟で和解した際、この顧客リストを手渡していた。 米当局はUBSを相手取る民事訴訟も提起した。双方の合意は先週成立しており、UBSは数千人分にのぼる米顧客情報を提出する見込み。UBSの顧客の弁護団は、同行が5000-1万もの口座にかかわる顧客情報を提出すると考えている。この和解に関する詳細は今週明らかになる見通し。 -0- Copyright (c) 2009 Dow Jones & Co. Inc. All Rights Reserved. 米DJ記事一覧
Copyright (C) 2009 Dow Jones & Company Inc. All rights reserved.
|
|