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【社会】

三重の社団に全国初の解散命令 神宮環境振興会、財産粉飾で

2009年8月20日 朝刊

 三重県伊勢市の伊勢神宮周辺の道路にある石灯籠(いしどうろう)の建て替えを計画していた社団法人「神宮環境振興会」(田中勲会長)が、架空の預金を計上するなど財産額を粉飾していたとして、県は19日、振興会に解散を命じた。

 2008年12月施行の公益法人などに関する整備法に基づく処分で「公益を害する」とみなされた。解散命令は全国初。

 県法務・文書室によると、振興会は08年3月の決算で、実際にない定期預金8000万円や、受け取っていない寄付金2億円などを計上し財産額3億5900万円を粉飾。振興会の複数の幹部は県に対し「寄付してくれる人を信用させるため、財産を多く見せ掛けた」と事実関係を認めた。

 また、07年12月から08年11月にかけ、県外の石材業者に石灯籠や奉納者顕彰碑の製作など3事業を発注するとし、事前に保証金や預託金を支払わせる契約を締結。6、7社から計1億800万円を不正に受け取っていたとみられる。

 元理事の1人は個人的に複数の業者から工事受注の仲介料をもらう契約も不正に結んでいた。別の元理事がことし3月、県に内部告発し、一連の不正が発覚した。

 振興会は1986年1月に設立されたが休眠状態だった。会長ら幹部は東京や大阪に在住。2年ほど前、定款を変更し、2013年の神宮式年遷宮までに石灯籠約600基を建て直し、伊勢市観光協会に維持管理を委託するとしていた。

 

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