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それでも雅子を支えてゆく
皇太子ご一家「皇籍離脱」まで囁かれる背景
東宮御所を回るジョギングで存在感を示そうとされた皇太子さまに何が起こったのか


■皇居外周から東宮御所周辺へ
「両陛下の愛子に対するお心配りは、本当に常に有り難く感謝を申し上げております。御所に参内する頻度についてもできるだけ心がけてまいりたいと思っております。
 家族のプライベートな事柄ですので、これ以上立ち入ってお話しするのは差し控えたいと思います」
 2月23日、48歳のお誕生日を迎えられた皇太子さまは会見でこう発言された。その後も真意を尋ねられると、「本当に家族の内の事柄」と繰り返され、それ以上のコメントを避けられた。
「殿下は公にご発言なされたことを、大切になさっていただければと思う」
 羽毛田信吾宮内庁長官が、天皇陛下のお気持ちを代弁するかのように愛子さまを伴う皇太子ご一家の参内の少なさに異例の苦言を呈したのは、2月13日のこと。いま、菊のカーテンの内側で天皇ご一家の“ただならぬ事態”が静かに進行している。
 皇室ジャーナリストが語る。
「殿下の発言を受けて、マスコミはこぞって『反論なし』と報じたが、そうではない。皇太子さまは会見のなかで『雅子はいろいろな面で私の力になってくれていますし、私も雅子を今後ともしっかりと支えていきたいと思っております』とおっしゃっている。マスコミはあまり大きく取り上げなかったが、これは皇太子さまなりの強い決意を表した言葉だ。つまり、今後とも雅子さまを守り、あくまでもご自分流に新しい時代の皇室のあり方を打ち出していきたいとのお考えを精一杯、表現したものと思われる」
 3月11日、皇太子さまは赤坂御用地の外周をまるで何かを吹っきるかのように颯爽とジョギングされた。恒例の姿とはいえ、いつもなら皇居の外周を回られるはずが、なぜかこの日は東宮御所周辺を走られたのである。
 全国紙宮内記者会記者は「雅子さまや愛子さまの取材についてはプライバシーを盾に厳しい条件をつけられますが、今回のジョギングについては最初から取材OKということでした。むしろ東宮サイドは皇太子さまのジョギング姿をアピールしたいという意図があったのではないでしょうか」と語る。
 たしかに、皇太子さまは先の誕生日の会見のときとは様子が打って変わって、溌剌としたご様子だった。
 一方で長官発言に配慮したのか、皇太子さまは両陛下を2月23日(皇太子さまの誕生日)と3月2日の2回、東宮御所に招かれた。3月13日には、ご夫妻そろって両陛下とともに学者の講義を聞かれるために、また、15日には学習院幼稚園の卒園式を済ませた愛子さまを伴ってご参内されている。
 両陛下も皇太子ご夫妻も、ことのほか楽しみにされているのは、4月にある愛子さまの学習院初等科の入学式だろう。学習院初等科は愛子さまのご入学を控え、「緊急時連絡システム」や「登下校安全管理システム」を準備し、殿下が徒歩で通われた頃よりも、安全管理を徹底させている。だが、ここにきていくつかの不安が明るみに出た。
「担任に予定されていた50代の社会科の男性教師が、児童の対応をめぐってその保護者とトラブルになったことが引き金になったのか、40代半ばの国語担当の女性教師に変更になった。昨年秋には30代の男性教師が児童へのセクハラ行為で辞表を出すなど、学習院内部は落ち着きがない」(学習院関係者)



■女官や女嬬を嫌った雅子さま
 学習院初等科は、皇族が入学されると、卒業まで6年間担任が代わらないのが通例だ。いくらハードを充実させても、肝心のソフトである環境に不安があれば、女性天皇の可能性も残る愛子さまの帝王学にも影響が出る。
「愛子さまが学習院幼稚園に通われていたとき、雅子さまはとても明るかった」というのは、学習院幼稚園関係者だ。雅子さまは愛子さまの保育が午前中で終わる水曜日には、待ち時間をママ友達と過ごされた。子育てや料理のことなど、たわいないお喋りをしながら構内のラウンジでお茶を飲んでいる表情には常に笑顔があった。
 愛子さまの卒園の謝恩会では、100個を超す布でつくった花の形のコサージュを5〜6人のママと一緒に半年くらいかけて手作りされた。卒園式には皇太子さまも列席されたが、まさに「マイホームパパ」のイメージだ。
 愛子さまを普通の子どもとして育てたい雅子さまは、3月15日の卒園式直前には、3回ほど愛子さまと手をつなぎ、電車で御所に帰られた。
 そんな雅子さまの行動が、周囲の人を振り回すことにつながる。
「雅子さまは、病気という名目のもと、好き放題しているようにしか見えない。幼稚園の運動会でも直前までどこでご観覧されるのか連絡がなく、突然一般席にお座りになる。警備の都合が直前までわからず、会場設営係が四苦八苦していた。一般人と身分が違う皇太子妃という立場をわかっていらっしゃらないのではないか」(警察庁関係者)
 ママ友だちとのひとときが、雅子さまのご病状の回復に一役買っていたことは間違いない。しかし、特定のママたちとだけランチを楽しまれたり、終戦記念日に東宮御所で限られた子どもたちを呼んで子ども会を開催されたことも、学習院幼稚園の内部では「みんなと公平に付き合う紀子さまとは大違い」などと、批判が噴出したという。
 12月28日、ご夫妻は愛犬の獣医とミシュランの三ツ星フレンチ、「ロオジエ」でディナーを楽しまれた。この日行われた皇居でのお餅つきを欠席し、午前零時半まで盛り上がったことを週刊誌などに報じられ、国民の多くは「行事や公務よりも私的な外出を優先される」と疑問に思った。
 ゴタゴタ続きの皇太子ご夫妻に比べ、昨年45回ほど参内した秋篠宮ご一家の関係はスムーズだ。紀子さまは「しぐさやしゃべりかたが皇后さまにそっくり」(皇室事情通)というほど、美智子さまを立てていて、雅子さまと比べると悲愴感がない。
 一般家庭でも、長男より次男の嫁のほうが姑とうまくいくというが、雅子さまにとって、わかってはいても自分を抑えることは難しいのかもしれない。
「毎朝行われるお部屋の掃除やベッドメーキングでは、シーツに落ちている毛一本でもヤ採集ユされてご健康のチェック事項になっているという話もある。朝寝坊の雅子さまは朝食を摂られないこともあり、それが耐えられない。また、そういった情報が女官や女嬬といわれる雅子さまの身の回りのお世話をしている女性たちから洩れることを、極度に嫌っていた時期もあった。東宮職たちがいまも頭を抱えていることは間違いない」(宮内庁関係者)



■秋篠宮家に皇統が移ることも
 海外生活が長く、外務省のキャリア官僚として仕事をされてきた雅子さまには、代々皇室に受け継がれてきた宮中祭祀も大きな負担となっている。
 両陛下は、年間30前後にもなる宮中祭祀をことのほか大切にされている。とくに元日の「四方拝」や「歳旦祭」、11月23日の「新嘗祭」など、皇室にとっては重要な行事がたくさんある。だが、雅子さまはご体調のことがあるとはいえ、’03年9月からこれらの宮中祭祀に出席されていない。祭祀のなかには、小泉純一郎元首相が「なんであんな怪しげなことをやるんだ」と思わず洩らしたといわれるように、一般人には理解不可能な行事もある。しかし、この宮中祭祀こそが、天皇家代々が受け継いできた皇室独自の伝統なのだ。
 天皇陛下に近い関係者がいう。
「陛下はご病気のこともあって、できるだけ早く皇太子さまに天皇家ならではのさまざまな伝統や精神を伝えたいと考えていらっしゃる。しかし、皇太子さまに強い影響力をもっている雅子さまのメンタリティはそれをなかなか受け容れようとはしていない。そのあたりに陛下のジレンマがある」
 さらに、雅子さまの背後に控えている父・小和田恒国際司法裁判所判事を中心とする小和田家の家風も無関係ではない。小和田氏といえば、明らかに日本人が多いとわかっている講演会でも、いきなりペラペラと英語で喋り出してしまう人なのだ。
 皇太子さまに近い皇室関係者が語る。
「皇太子ご夫妻には一時本気で“離婚”という選択肢もあった。だが、秋篠宮家に悠仁さまが誕生されて安堵されたことはたしかだ。今後の展開次第では皇太子さまが“皇籍離脱”を口にされることもあると思う。そうなれば、皇太子さまを飛び越えて一気に秋篠宮家に皇統が移る可能性も出てくる。天皇陛下と皇太子さまの間では、水面下でそのギリギリの攻防がある」
 宮内庁はもちろん、皇室に関わるすべての職員が身を粉にする時である。

(2008年4月号掲載)
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