世界王座奪取を誓う升田(右)と三迫会長=東京・練馬区の三迫ジム
ボクシングのWBC世界フライ級22位・升田貴久(30)=三迫=が17日、都内で会見し、8月28日にチェンマイ(タイ)でWBC同級暫定王者ポンサクレック・ウォンジョンカム(30)=タイ=に挑戦することを発表した。升田は現時点で世界挑戦権を有する15位以内にランクされておらず、異例の世界挑戦となるが、試合当日までにランクインする見通しで、アウェーで初の世界王座に挑む。
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プロ13年目を迎える升田に、初の世界挑戦の機会が訪れた。挑むのは、WBCフライ級王座を17度防衛した名王者ポンサクレック。世界戦の決定に「今年に入って下がりっぱなしだったモチベーションが一気に上がった」と、満面に笑みを浮かべた。
異例の世界戦だ。升田は6月8日に小林タカヤス(川島)に敗れ、最新ランクで6位から22位に転落した。試合を11日後に控えた時点で、世界挑戦権を有していない。
三迫仁志会長によると、王者陣営と交渉した7月の時点で升田が6位にランクされていたため、WBCが経緯を考慮したという。関係者によると試合当日までに15位以内にランクインするとの見通しで、この日までにWBCがタイトル戦を認定した。
今年2月には、WBA王座挑戦をめぐって亀田ジムとの二重契約事件に巻き込まれたが、ようやく世界初挑戦が決定した。「開き直っていく。必ずベルトを日本に持って帰る」。26日にチェンマイ入りし、最終調整を行う。