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「水に支払う金はない」滞納男vs水道課4カ月戦争

バルブふさいでも、勝手に“工事”

 水道料金を滞納し、4カ月にわたって市の水道課と“バトル”を演じた男が今月初め、窃盗の疑いで逮捕された。何が何でも「水道料金を払いたくなかった」という男の戦いぶりとは?

【第1ラウンド】

 岩手県警北上署によると、逮捕された会社員の男(37)は今年3月5日分から水道料金を滞納。再三の督促にもかかわらず支払いに応じなかったため、北上市はアパート2階にある容疑者宅のメーターバルブを閉めた。しかし、容疑者は再びバルブを自分で回し、何事もなかったかのように水道水を使用し続けた。

 「普通はバルブを止めたら、平身低頭で支払いにきてくれるんですけどねぇ」(北上市上水道課担当者)

【第2ラウンド】

 料金を支払う意志がないにもかかわらず水道を使い続ける容疑者に対し、市はさらなる実力行使を敢行。バルブの上からビニールキャップを装着、外されないよう南京錠をかけた。これに対し、容疑者は運送会社で働く腕力を生かし、南京錠ごと回転して強引に開栓する暴挙に出る。

 「水道はガスの元栓と並んで設置されているため、ボックスを施錠するわけにはいきませんでした。苦肉の策で、今回のために市内の業者に特注した“盗水防止キャップ”でしたが、結果的にまったく功を奏しませんでしたね」(同)

【第3ラウンド】

 市は最終手段として、バルブを再度ふさいだうえで水道管と屋内の配管をつなぐメーターを撤去。水道管と蛇口の間を切り離す“改修工事”を施した。満を持して、容疑者の支払いを待ったが、1カ月たっても動きはない。メーターも作動しておらず首をかしげていたところ、意外なところから驚くべき事実が判明した。

 階下に住む住民から、天井から水漏れするとの苦情が市に寄せられ、点検に出向いたところ、容疑者は水道管に直接ビニールホースをつなぎ、バンドで両端を固定する“工事”を勝手に施行していたのだ。だが、自家製パッキンが正常に作動するわけもなく、漏水した結果、階下に水が漏れてしまった。

 「材料や手間を考えたら、素直に水道料金を支払った方が安上がりなんですがね…」(同)

【最終ラウンド】

 市の被害届を受け、北上署の刑事が逮捕状を請求。調べに対し、電気やガスは滞納なく払っていたというが、「水に支払う金はない」と供述。反省の様子もないという。

 「秋田県の実家のお母さんから連絡があり、『全額を支払い、今後も支払う』と、泣きながらおわびされました」(水道課)

 被害総額はメーター撤去までの11立方メートル分1559円。第3ラウンド以降の分は「算出のしようがなく、あきらめるしかない」(同)という。

ZAKZAK 2009/08/17

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