【釜山・甲木正子】韓国釜山市と北九州市の門司港を結ぶ国際定期フェリー「モジライン」(運休中)を運航する「C&クルーズ」(釜山市)が、同航路運航事業を廃業したことが18日、分かった。韓国国土海洋部が明らかにした。
同航路は昨年6月に就航。船舶のエンジン故障で同8月から運休が続いていた。新船導入による運航再開を目指したが、不況による経営悪化などで資金難に陥っていた。
国土海洋部は今後、同航路を引き継ぐ事業者が出てくれば、審査した上で運航再開に必要な免許を交付する予定だ。
C社は門司港の水先人から案内料(約1260万円)不払いについて提訴されており「(当社に)出資してくれる企業が現れれば支払いは可能だ」などとコメントしていた。現在、釜山市の本社は電話がつながらない状態が続いている。
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●北九州市「残念」
北九州市・門司港と韓国・釜山を結ぶモジラインを運航するC&クルーズ廃業の連絡が韓国側から同市に入ったのは18日昼すぎ。同市港湾空港局の担当者は、情報収集に追われ「廃業は残念」と表情を曇らせた。
モジラインが昨年8月に運休してちょうど1年。韓国人観光客の増加を見込んでいた同市の思惑がはずれただけに、「今後は新しい事業者が航路を再開してくれるよう対応したい」(同市港湾空港局)と力を込めた。
=2009/08/19付 西日本新聞朝刊=