アースソフト PT1でうまい具合に録画するとTSファイルが出来ますが、今回はそのTSファイルをAVIファイル(H264)に変換する方法を書いておきます。
tsファイルのままでもMedia Player Classicなどを使えば、普通に再生することが出来ます。グレイト。
しかしtsファイルは30分番組で4GB程度の大きさなので、そのままだとHDDの容量を圧迫しがちです。
なので、今回はtsファイルをx264にエンコードしてファイルサイズを小さくしてみます。
今回紹介する方法でエンコードすれば、4GBのtsファイルが300〜400MBぐらいになります。
大体1/10だ。
まだ
Earthsoft PT1を持っていない人は適当に購入しておいてください。
エンコードに必要なソフト予めダウンロードしておきましょう。
全部タダだ。
DGIndex:TSファイルから映像(d2v)と音声(AAC)を分離して編集可能な状態にする
ダウンロード:
http://neuron2.net/dgmpgdec/dgmpgdec.html「DGMPGDec Version 1.5.4 Executables」ってところからダウンロードや!
faad:TSDemuxで分離したAACをWAVに変換
ダウンロード:
http://www.rarewares.org/aac-decoders.php僕が使っているのは、FAAD2v2.6.1 for Win32です。
AviUtl:CMカット、インタレース解除、音量調整などの編集および映像・音声のエンコード
ダウンロード:
AviUtlのお部屋今回は最新版のversion0.99g4を使って説明します。
x264:動画をエンコードするのに必要
ダウンロード:
http://sourceforge.net/project/showfiles.php?group_id=213809&package_id=257567別にx264でなくてもDivXでも何でも好きなものを選んでください。
よく分からないけど、x264はH264を有志で改良しているものらしいです。
今回は、最新版のx264vfw_16_1115bm_17572.exeを使って説明します。
Lame Encoder:Wav→MP3に変換
ダウンロード:
RAREWARESLAME 3.98.2 ACM codecをダウンロード。
今回は音声をMP3にすることにしました。
AACのままでも動画は作れる気がするけど、ボクは良くわかんないです。
勉強中ですよ?
あとは、AviUtl用のフィルタで使いそうなものを挙げておきます。
以前の記事に書いた内容ですが、分かりやすくするため再掲しておきます。
AViUtl用フィルタ・WarpSharpMT(
AviUtl オリジナルプラグイン公開サイト @ wiki)
詳しい原理はわかんないけど、アニメ絵をべた塗り+線を細くしてくれます。元の動画がアップコンものでも再構成してきれいに見えるようになります。ただし、実写で使用するとひどい絵になっちゃいます。
以前の記事で紹介したものより開発が進んでいて、拡張命令セットに対応して高速になっています。
・非線形処理な先鋭化(
がらくたハウスのがらくた置き場)
線がくっきりはっきりメリハリがつきます。nonlinear sharpenのこと。
・非線形処理な先鋭化用前置フィルタ(
がらくたハウスのがらくた置き場)
nonlinear sharpenとセットで使った方が良いみたい。prefilter for nonlinear sharpenのこと。
・ロゴ解析プラグイン(
AviUtlプラグイン)
放送時に常時乗っかっている「BS hi」とかのロゴを解析します。
・透過性ロゴ フィルタ(
AviUtlプラグイン)
上記フィルタで解析したロゴを見えなくしちゃいます。
はい、ダウンロードしましたか?
これから作業の説明ですよ。
DGIndexまずはDGIndexでtsファイルから、d2vファイルとaacファイルを作ります。
DGIndexを起動。

[File]→[Open]から、tsファイルを開く。

File Listって画面になるので、「OK]を押す。

[Stream]→[Detect PIDs: PAT/PMT]を押す。

上の方にあるMPEG2 Video on PIDなんとかかんとかと書いてあるのを選択してから、[Set Video]を押す。
なんか下のほうにもあるけど、多分上が正解。
うまくいかなかったらやり直しましょう!!

続いて、上の方にあるAAC Audio on PIDなんとかかんとかっていうのを選んでから、[Set Audio]を押す。

[File]から[Save Project]を押す。

するとしばらく(2〜3分?)計算したのち、d2vとaacができる。
d2vはかなり小さなファイルサイズ。

以上で、DGIndexでの作業は完了。
FAAD次に、AACをWAVに変換するfaadを使います。
ダウンロードして解凍してできたfaad.exeのショートカットをデスクトップにでも作って、そこにさっき出来たaacファイルをドラッグアンドドロップ。
別にfaad.exe本体に突っ込んでも可。

するとコマンドプロンプトが出てきて、勝手に変換作業が進みます。
終わったら勝手にコマンドプロンプトは閉じます。

んで、aacファイルがあるフォルダをみると、wavファイルが出来ています。

ってことで、以上でfaadの出番は終了。
コーデックのインストールんで、AviUtlでのエンコード作業に入るのですが、その前にAviUtlの環境を整備します。
動画と音声のコーデックを入れましょう。
X264まずはx264のインストール。
ダウンロードしたファイルをダブルクリックすればインストールされていきます。
英語がわかんないならInstallとかNextとか押し捲ってください。
Lame次にLameのインストール。
ダウンロードしてきたファイルを解凍すると、以下のようなファイルが出来ます。

LameACM.infを右クリックして、「インストール」を選びます。

確認ダイアログが出ますが、続行すれば完了。

以上で、動画・音声のコーデックのインストールは完了。
AviUtlの設定AviUtlを起動して、[ファイル]→[環境設定]→[システムの設定]で以下のように設定を変更します。
・最大画像サイズ→幅:1920、高さ:1088
・最大フレーム数→0を1個付け足して増やしておく
・リサイズ設定の解像度リスト:「,1440x816」を追加しておく
・画像処理のスレッド数→CPUのコア数やらハイパースレッディングやらを考えて入力。ボクのは2コアなので2にした

tsファイルって高さは1080じゃなくって1088なんですね。
16の倍数になっている。
なので、最大画像サイズは1920x1088にします。
高さが1080のままだと、ファイルを読み込むことが出来ません。
最大フレーム数はある程度の大きければよい。
小さいと、映画とか長い動画を読み込むことが出来ないかもしれません。
リサイズ設定の解像度リストには、一応16の倍数になっているものを入れた方がいいかもしれない。
16の倍数になっていないとx264でのエンコード時に確認ダイアログが出てしまいます。
参考に、tsファイルのアスペクト比を保って16の倍数になる組み合わせを書いておきます。
・1920x1088(元の大きさ)
・1440x816
・960x544
・480x272
上記写真には1280x720, 1440x810も入れていますが、使わないなら入れなくてもいいです。
環境設定が終わったら一旦、AviUtlを終了します。
終了しないと、環境設定が反映されません。
AviUtl用フィルタのインストールんで、AviUtlを起動させないまま、AviUtl用のフィルタを入れておきます。
ダウンロードしてきたフィルタを解凍して、拡張子がaufのものを、aviutl.exeがあるフォルダに入れておきます。

上の写真はaviutl.vfpまでされてますが、コレはもともとaviutlに入っているものです。
あと、delogo.aufが選択されてませんが、コレは後から入れたものです。
いや、画面のハードコピーとるとき間違えただけなんですよ…。
ちなみに透過性ロゴフィルタdelogo.aufと一緒に入っていたlogodata.ldpも同じAviUtlのフォルダに入れておきます。
入れておかないとAviUtl起動時に以下のように、ロゴデータパックはどこ?と聞かれます。

ダウンロードしたWarpSharpMTを解凍すると、いくつかのフォルダが出てきます。

各自のCPUが対応している命令セットのフォルダに入っているものを使いましょう。
どの命令セットに対応しているか調べるためには、
CrystalCPUIDを使えば分かります。

ボクのはSSE3にまで対応していますので、「SSE3」のフォルダに入っているaufファイルを使います。
AviUtlでの編集作業フィルタを入れ終わったら、AviUtlを立ち上げます。
[フィルタの順序]を変更します。
↓コレは変更前

ロゴ解析→透過性ロゴ→prefilter for nonlinear sharpen→nonlinear→WarpSharpMTの順番にします。

ファイルを開くから、d2vファイルを開きます。

次に音声読み込みから、wavを開きます。
ファイルの種類をAllFileにしないとwavファイルが見えません。

んで、wavファイルを開きましょう。

画像の大きさを変えます。
大きいままなら画質的に有利ですが、小さいとエンコード時間の短縮とファイルサイズの縮小が見込めます。
今回は1440x816にします。

インターレース解除の設定をします。
解除しないと動きがある場面が二重になっています。

インターレースの解除→自動を選んでおきます。

実は、なにもしないと画像と音がずれています。
どれだけずれているかは、aacファイル・wavファイル名に入っている、「DELAY -263ms」ってヤツです。
「音声の位置調整」から、大体同じような数字を入れます。
細かい数字の調整は無理なのです。
今回は-266msとしました。

音量の最大化にチェックを入れておきます。
入れないと音量が小さ目かも??

CMカットしておきます。
右下の矢印アイコンをうまいこと使ってCMの範囲を選んで、右クリックで選択範囲の削除。
今回はNHKなので間にCMは入っていませんので、前後を非選択するだけです。

あと、好きなフィルタを使っておきましょう。
ロゴ解析、透過性ロゴ、prefilter for nonlinear sharpen、nonlinear、WarpSharpなどは、
過去記事を参考にしてください!
また書くのめんどくさい…。
今回はもともと綺麗なtsデータということで、これらのフィルタは使いません。
AviUtlでの出力フィルタの設定が終わったら、ファイル→AVI出力をおす。

適当なファイル名を入力する。
「ビデオ圧縮」ボタンを押して、動画コーデックの設定をしましょう。

圧縮プログラムをx264を選びます。
他のを使いたければ、好きなの選んで。

x264の設定はなんだかよく分からないので、大半はほうっておく。
Quantizerは圧縮品質を決めますが、26が品質とファイルサイズのバランスが取れている気がする。
MultithreadingのThreadsはCPUのコア数を入れておきます。
ボクは2だ。

スレッド数を適切に設定することでエンコード速度が大幅に速くなりますので、複数コアのCPUを使っている人は絶対に設定しましょう。
僕の環境ではエンコード速度が2倍ぐらいになった。
んで、またこの画面に戻って、「オーディオ圧縮」を押す。

サウンドの選択で、MP3の設定をします。
形式:Lame MP3
属性:48000Hz・CBRじゃないと音がずれると思う。kbpsは好きなのを選ぶ。

んで、またまたこの画面に戻って、「保存」を押せば、やっとAVIが出力される。

AVIが出来るまで結構時間がかかりますので、寝るなり、勉強するなり、仕事に出かけるなりしていてください。
今回の例では、25分の動画のエンコードに1時間40分かかりました。
フィルタを使いまくると、普通に6時間ぐらいかかることになります。
速いCPUとか、エンコード支援カードが欲しくなります。
「
SpursEngineの実力はいかに!?」(
日本語化工房-KUP)によれば、SpursEngine搭載のWinFast PxVC1100を使うと、実時間程度でエンコードが完了しちゃうみたい。
「
SpursEngineで動画はどれだけ変わる!? カノープス「FIRECODER Blu」」ではFIRECODER Bluの紹介があります。
お金の力でエンコードは速くなりますので、お金持ちの人は試してみてください。↓
・
LEADTEK トランスコーディングカードLEADTEK WinFast PxVC1100 PXVC1100 27,000円ぐらい
・
LEADTEK MPEG2/H264トランスコーディングカード Leadtek WinFast PxVC1100 TMPGEncバンドル PXVC1100+TMPEG 33,000円ぐらい
・
THOMSON CANOPUS FIRECODER Blu(RC) 43,800円ぐらい
あー、大変長い記事になった。
疲れた。
(関連記事)
アースソフト PT1の購入と導入PV4からAviUtlでエンコードAviUtl分割同時エンコードでマルチコアを活用してエンコード速度を速くするの巻(参考)うちの録画PC環境
CPU:Athlon X2 4850E(2.5GHz)
マザー:GIGABYTE GA-MA780G-UD3H
メモリ:4GB(32bit OSなので使い切れてない)
HDD:1TBと500GB
OS:Windows XP Media Center 2005 SP3
(参考)PT1での録画に必要なソフト一覧
BonDriver
EpgDataCap_Bon
EpgTimer_Bon
TVTest
(参考ページ)
地デジ.ts→AVI形式へのエンコードフリーオ(Friio)TSファイルをH.264 or avi にエンコードする(
patuvol Blog)
デジタルチューナPT1の導入と疑問点アースソフト PT1 地上・BS/110CSデジタルチューナーまとめ
心から感謝。