(cache) 中国「ガス田合意違反」一考博士の独り言

中国「ガス田合意違反」一考

2009/01/04(日) 23:57:04 [対中外交見直し参考資料]

中国「協議中のガス田」を開発


中国、合意破り掘削　東シナ海のガス田「樫」
　東シナ海のガス田問題で、日中両政府が平成20年6月に共同開発で合意した直後、中国が継続協議の対象となり現状を維持すべき「樫（かし）（中国名・天外天）」で新たに掘削を行っていたことが3日、分かった。明確な合意違反で日本側は抗議したが、中国側は樫での掘削を終え、生産段階に入った可能性が高い。主権と権益確保に向け、日本政府が対処方針の見直しを迫られるのは必至だ。産経新聞記事（切り抜き）1月4日朝刊（1面）より参照のため抜粋引用／写真は産経新聞の同記事。参照のため引用
----------

産経新聞が「第1報」

　表題は、産経新聞（1月4日朝刊）が報じた記事である、中国が、「交渉中」（表題）の東シナ海ガス田「樫」の新たな採掘を行っていた。その様子が確認された、と伝える一報である。この日の他紙（朝刊）は触れることなく、産経新聞の一報が、実質的な「第1報」となった。昨年（2008年）6月、福田政権は、中国共産党政府と「東シナ海ガス田」の“共同開発”で合意。その“共同開発”の対象地点である4ヶ所のガス田では、今後の継続協議のために「現状維持」として、両国のいずれもが、何も手を加えない、ものと認識されていたが、しかし、中国側が一方的に採掘を進め、記事に示される「樫」ガス田で、その状況が確認された、と伝える一報であった。

　そもそも、対中交渉においては、少なくとも、日本では常識的な事項や解釈、認識は通用しない。こちらが約束したものと認識していても、中国にとっては「屁」でもない。「1歩」譲れば、50歩、100歩と踏み込んで来る。この国癖（こくへき）は韓国とも共通しているが、知恵と収奪のノウハウが有る分、中国の手法はより狡猾である、と。そうした認識が不可欠ではないか。こうしたニュースに触れる度に、日本があと2000キロほど大陸から離れていればなあ、と。性格が素直ではない筆者でさえ、つくづくそう思うことがあるが、しかし、現実と向き合わねばならない。

　途轍もない国々が隣にある。これを、ポジティブにとらえれば、日本の将来の政治、国防を世界一流に育て築くための、絶好の「環境」にある、とも現下の事相を解釈できる。表題は、あらためてそう実感させてくれる「兆候」の1つと謂えるのではないか。
----------

中国の開き直り

　産経紙の「第1報」の後、時事通信をはじめ、各紙が後追い記事（Web)を記しているので、ここで、少し追ってみたい。云く、「日中両政府は昨年6月中旬、中国が先行開発する「白樺」（中国名・春暁）に日本が出資し、「翌檜」（同・龍井）については、南側海域を共同開発することで合意した。樫と「楠」（同・断橋）は、中国側が単独開発を主張して譲らず、継続協議となった」（「時事通信」1月4日夕刻）と。

時事通信記事（Web)1月4日付記事
-------

　また云く、「外交ルートを通じて中国側に抗議。中国側は、協議が決着していない以上、開発を続けることは問題ないと反論したという」（「朝日新聞」1月4日(web)夕刻）とある。「中国様」のご意向にも触れている。

朝日新聞（Web)1月4日付記事
-------

　毎日新聞もまた、夕刻に報じてはいるが、これら2紙には、緊迫感が無い。どれどれ、我々も報じているではないか、とのアリバイ記事に映るのは、筆者の性格が素直ではないためであろう。

毎日新聞（Web)1月4日付記事
-------

　たとえ、交渉継続ゆえに「現状維持」とこちらが解釈していても、中国にとっては、協議継続中であればこそ、だから採掘しても「問題はない」とする理屈を前面に出す。ということは、協議が延々と長引くほど、中国に開発の時間を与え続けることになるのである。であるからといって、何もアクションを起こさない、とあればこれも政治外交ではなくなる。さほど、やる気がない外務省に電話電信で抗議させるのに終わらず、たとえば、当時・首相であった福田康夫氏を「特使」として北京へ送る方法もあるのではないか。

　斯様な現状もまた、福田氏の屈中外交の成果であり、日本は迷惑しているのである。不帰の人となっても良い。とにかく、今度こそ「男」になって来てください、と一言抗議を入れるために渡中させる。対中交渉では、相手のペースに乗せられ、手の内を読まれる外交では不利は拡大する。「あっち向いて、ほい」式の意表を衝く攻めの外交も不可欠ではないか。

　一事が万事であり、他のあらゆる対中交渉は、上記にその一端が観られる「中華原理」を先ず認識しなければならないだろう。たとえば、中国がシーレーンを封鎖し、その侵攻の射程に、いよいよ沖縄を入れる日が来るとしよう。その時に、和平交渉を働きかけたとする。仮に、中国が交渉のテーブルについたとしても、交渉中で何も決まっていないから、と沖縄への侵攻を早める可能性も否定できないだろう。チベット、東トルキスタンへの軍事侵攻の過去が、その予測し得る未来の懸念を補強している、とも謂えよう。心ある政治家がこぞって目覚めるべき時にある。
----------

■ 主な関連記事：

・ みなさまへの年賀状　2009/01/01
----------

【筆者記】

　勉強会に参加くださり、宛先の判る方々には葉書の、また、メールアドレスが判る方にはWebの年賀状を綴（つづ）らせていただいているが、まだ終わっていない。七草までには完了を、と思うのだが、それでも終えることが出来ないかもしれない。消印のついた年賀状がお手許に届く場合もあるかと思うが、どうか、ご容赦願いたい。また、新たな勉強会等でお目にかかれることを楽しみにしている。本年もどうぞ宜しくお願いします。
----------

　読者のみなさまにはお忙しい中、ご訪問をいただき感謝しています。ここに新たな記事をアップさせていただけたことを有難く思います。拙い記事に対し、有志のみなさまより、内容を的確にフォローいただくコメント、身を案じてくださるコメントに感謝します。一日一日を大切に、みなさまと共に考え、真実を共有できればと願っています。事実を指摘する批判は「悪口」ではなく、真実を掘り出し、その共有のために不可欠です。また、真実の共有はすべての第一歩です。正論は真実から生まれ、良識の声は必ず力になる。辛抱強く支えてくださるみなさまに心より感謝します。

　日本は毅然とあれ！

人気ブログランキング
---------- ----------
↓人気ブログランキングに参加中！

Permalink | Comment: 7 | Trackback: 8

« 毎日「韓国に親しみ５１％」 | ホーム | 開幕「通常国会」 »

Comment

断固とした措置が必要です
これには強い憤りを覚えました。先年の１２月、温家宝が来た時、麻生首相が尖閣領海へ、中国調査船の長時間の領海侵犯に抗議をしたこともありました。

それにも係わらず、「白樺」（中国名・春暁）に日本が出資し、「翌檜」（同・龍井）については、南側海域を共同開発することで合意。樫と「楠」（同・断橋）は、継続協議との最中に、シナが日本との合意、協議事項継続約束したことに無視を決め込んだことは、シナと言う国は、国際法での常識で交渉ができる相手ではないことを証明したことになります。

信用が出来ない相手であることが明白になっている以上、いかなる譲歩も禁物です。場合にはよっては、現実に日本の領海を何度も侵犯していることですから、武力行使はやむ負えないでしょう。また、これをやらないとますます侵略行動を許すことになります。平和ボケもいい加減にすべきである。

2009/01/05(月) 01:26:35 | URL | bingo

はじめから分かっていたこと
中国人の典型的考え方さえ理解していれば、こうなる事は至極当然の結果。
１．面子（復讐）最優先　⇒　毒餃子
２．とにかく金と富　⇒　メラミン牛乳
３．自分が世界の中心　⇒　今回の事
４．大きかろう良かろう　⇒　チベット侵攻

北朝鮮だって、最初から核放棄なんかする気はサラサラない。
韓国だって、通貨スワップ拡大で日本の資金援助を得る魂胆。

これら特亜は一つの共通メンタリティを持っていると思ってかかった方が良い。政治体制や社会体制なんか似ていても異なっていても、この３国はお・な・じ。なんでこんな簡単な事が福田や麻生には分からないんだろう？やはり新風躍進＋平沼新党しかない！

2009/01/05(月) 02:52:36 | URL | ナイショ

息をするように嘘をつき
なぜ　中国の本質をもっと、マスコミは大きく報道しないのか？派遣村だけか？日本を貶めるのが、日本のマスコミか？？

2009/01/05(月) 07:47:06 | URL | だまされる方が悪い論理

今後の希望
殆どの国民は自分の懐にしか関心がありません。だから特定国によるユスリタカリにも過去日本がしてきたことだから仕方ないとか言うのです。結果（財政赤字を埋めるのも含む）今後幾らの増税が必要になるのかを、試算して記事に折り込んで頂けたらと思います。

国のお金は血税と別だと思っている節さえあります。
さすがに慰安婦だ南京だと騒ぐエセ人権派も、「保証をするために消費税を上げる必要がある」と大合唱はできないと思います。でもしてくれたら国民の目も覚めるのですが。

2009/01/05(月) 08:39:22 | URL | 応援団

その通り。
どうせなら媚中の福田、河野、村山が
まとめて　中国に抗議に行って欲しい。

政治家の端くれたるもの、命がけで
国益を主張してみろ。
この３人は　日中友好を信じて止まない
議員だから　是非中共の善意や誠意を
信じて日本の立場を説明できるだろうｗｗ
自分たちが撒いた種は、始末して
その人生を終えて欲しい

2009/01/05(月) 09:48:08 | URL | ナオミ

約束を守れない国と約束するな
さすが北鮮の師匠筋だけあって、合意を反故するテクは５千年来のものですね。
ただの抗議はもはや通用しないでしょう。安部総理のように「イージス艦を出す」くらいのことを言わないと。
エセ平和憲法にがんじがらめにされている日本なんて、中国には赤子の手を捻るようなもの。
腹わたが煮えくりかえる思いです。

2009/01/05(月) 22:17:03 | URL | 独身男性

中国なんていつも後手にナイフ握ってる奴
まともじゃないもんね

麻生さんに期待します
小沢はワザワザ議会をトンズラして中国首相に握手してもらって感激してたよね
無理ムリ！

2009/01/08(木) 21:06:46 | URL | ココア

Post Comment

Trackback

トラックバックURLはこちら

中国、合意破りガス田掘削東シナ海の「樫」 東シナ海のガス田問題で、日中両政府が平成２０年６月に共同開発で合意した直後、中国が継続協議の対象となり現状を維持すべき「樫（かし）（中国名・天外天）」で新たに掘削を行っていたことが３日、分かった。明確な合意違反で日本側は抗議したが、中国側は樫での掘削を...

ガス田「樫」：中国が開発継続…また合意違反 中国との約束事など、こんなものである。「騙すより、騙される方が悪い」と言う国との約束は、所詮、都合が悪くなれば、「反故」にするということが、わかっただろう。

支那、東シナ海ガス田日中合意破り、掘削 日本がぼやぼやしているうちに、支那はどんどん進めています。要は太平洋に出たい、資源がほしいというのが彼らの考えにあり、その先にはき...

中国が東シナ海を無断で実行・逆切れ こんにちは。続いて１月４日の産経新聞朝刊去年、日中で東シナ海ガス田で協議して、ちゃんと決めたのに、反日のシナ中国が約束を破り、開き直り。しかも、日本の抗議に逆切れ。中国、合意破り掘削　東シナ海のガス田「樫」 http://sankei.jp.msn.com/poli...

東シナ海ガス田「樫」、中国が合意破り単独開発 東シナ海ガス田「樫」、中国が合意破り単独開発 : 政治 : YOMIURI ONLINE（読売新聞）えっと東シナ海のガス田共同開発問題で、中国が昨年６月１８日の日中両政府の合意に反し、樫(かし)（中国名・天外天）ガス田の単独開発を進めていたことがわかった。複数の政府筋�...

今年もNHKの反日が始まる お花畑で遊ぶ若者たちチャネルを回していると、NHK BS1　で「世界平和に日本はどう貢献するか」についてNGOで活躍(?)している若者を中心に討論会をしていた。新ＢＳディベート　スペシャル「若者が語る　どうする日本の平和貢献」紛争で苦しむ世界の国々のために何が...

現地速報・ガザの死闘で長期戦を覚悟するイスラエル 　　|||　イスラエルのガザ地上侵攻・続編　||| ガザ死守を誓うハマスにイスラエルは長期戦を覚悟、難航する中東和平外交『米流時評』07年6/19号「ガザの悲劇・４千年の民族抗争」よりイスラエルとガザの抗争を理解するために一部抜粋して掲載イスラエル建国とパレ...

ガザ泥沼化の影に「中国製兵器」あり～『米中代理戦争in中東』化するパレスチナ 今回のガザ空爆で、イスラエルは国連大学までぶっ放すなど「キレたイスラエル」という印象を世界により一層与える挙を成した。安保理でも「停戦決議」が米国の拒否権で発動されずというこれまた「いつものパターン」に終始している。ならば他の国はどうなのかと言えば？...

博士の独り言

国際時事、特に日本をとりまくアジアのニュースに独自の視点からコメントを加えます。

中国「ガス田合意違反」一考

Comment

Post Comment

Trackback

　国際時事、特に日本をとりまくアジアのニュースに独自の視点からコメントを加えます。