第一席 |
いとし子の頬を撫でたるその指で引き金をひく銃兵の在り |
埼玉県立所沢北高 |
三年 |
尼崎 愛美 |
第二席 |
ライオンもハイエナも居てわがクラス時に一人の檻に入りたし |
愛媛県立松山西高 |
三年 |
堀江 麻友美 |
第三席 |
コンタクトをコンタクトなしで探すような、ふと気がつけばそんな生き様 |
埼玉県立上尾南高 |
二年 |
鈴木 大喜 |
入 選 |
ふわふわでぽよぽよぽわんいいかおり初めて抱いたベビーの感触 |
広島県・福山暁の星女子高 |
二年 |
桑田 恵未 |
かくれんぼ鬼にまったく見つけられず自分で出て行く俺の人生 |
埼玉県立上尾南高 |
二年 |
永井 晃輔 |
叫んでもこの思い消えることはないなぜか涙、ひとすじつたう |
宮城県第一女子高 |
三年 |
阿部 はづき |
頑なな心よ蜘蛛の糸ほどに差し伸べられた手にも触れずに |
福岡県立小倉商業高 |
三年 |
西尾 正輝 |
太陽にてらされながら手をのばす葉の輝きは生命の光 |
千葉県立市川東高 |
三年 |
清水 絢子 |
つまらない意地が「ごめん」をせき止めて、ねえ、足音までずれ始めてる |
東京都・女子学院高 |
一年 |
畠中 美穂 |
風が吹く雲が流れる時がたつ今が過去へと変わりつつある |
鹿児島県立南種子高 |
一年 |
濱田 詩織 |
クラス劇誰かの褒(ほ)辞(じ)を得なくとも頬を濡らすはやり遂げた想い |
大阪府立大冠高 |
二年 |
岡崎 真美 |
荒れた日も涙した日も母の手の包丁を研ぐ早さ変わらず |
神奈川県・カリタス女子高 |
二年 |
河合 麻衣 |
脱ぎすてた靴下の如くたくたとわたくしといふ抜け殻ひとつ |
東京都・白百合学園高 |
二年 |
安田 百合絵 |
佳 作 |
「時間無い」「自由な時間が欲しいんだ」そんなに自由があっても…どうする? |
福岡県立糸島高 |
二年 |
松山 玲子 |
打ち水をコンクリに撒くゆらゆらとあなたが見える夏の幻影 |
福井県立高志高 |
三年 |
山本 佳奈 |
ハンドベル白き手袋清らかに奏でる賛美歌天使の調べ |
福岡県・福岡雙葉高 |
三年 |
大屋 早希 |
アルバムと鏡を何度ものぞきこむ変わったような変わらぬような |
埼玉県・浦和明の星女子高 |
一年 |
渡辺 充慧子 |
母の前カニさん歩きで通り過ぐ「ぷれぜんとなの」明日まで内緒 |
広島県立広島観音高 |
三年 |
石田 真弓 |
「ばか猫が」猫に悪口言いながら毎日えさをやる父の姿 |
東京都・専修大学附属高 |
一年 |
齊藤 晃子 |
現実を見ると疲れてしまうから眼鏡をかけて世界を歪める |
大阪市立南高 |
三年 |
菅沼 悠 |
横文字を悩みながらも書き綴る海を渡って君に届けと |
富山県立南砺総合高井波高 |
二年 |
鵜野 有沙 |
昨日今日明日明後日明明後日(しあさって)変わらぬ毎日それが幸せ |
神戸市立須磨高 |
三年 |
森元 美穂 |
幼子の寝返り打つ様愛おしく楽しき夢に遊べよ遊べ |
東京都・学習院女子高等科 |
一年 |
齋藤 妙子 |
うとうとと眠れば宿題足生えて僕の後ろを追いかけてくる |
大阪府・箕面自由学園高 |
二年 |
田島 拓実 |
初志貫徹心に決めた大学名結露の窓に指先で書く |
東京都・星美学園高 |
三年 |
関本 有生子 |
君が好き伝えられないこの気持ちタンポポ吹いて天までとどけ |
沖縄県立那覇商業高 |
二年 |
木村 佳奈子 |
大丈夫きみは”独り”ではないんだよ。ただ”一人”でも在り得たんだよ。 |
大阪府立東寝屋川高 |
三年 |
吉田 昌平 |
物凄い早さで夏が走ってく靴紐結んで追いかけてみる |
広島県・比治山女子高 |
二年 |
坂上 渚 |
空に溶けふいに消えゆくシャボン玉の儚き光は命にも似て |
群馬県立館林女子高 |
一年 |
山本 友紀 |
熱帯夜微かな風も追いかけて寝返りをうつ夢の旅人 |
東京都・白梅学園高 |
三年 |
岡田 香織 |
真夜中に書いた日記を今朝もまた目をそらしつつBack space |
京都府立嵯峨野高 |
一年 |
荒堀 みのり |
墓参り車窓にうつる山並みに亡き祖父想う旅の一日 |
福岡県・久留米信愛女学院高 |
二年 |
植松 真梨 |
君の声聞こえてくるとせつなくてヘッドホンからROCKをながす |
神戸市立六甲アイランド高 |
二年 |
岡田 涼平 |