教育・研究活動

2007年 第14回梅花・山川登美子短歌賞 選考結果予選通過作品

 第一席
いとし子の頬を撫でたるその指で引き金をひく銃兵の在り 埼玉県立所沢北高 三年 尼崎 愛美
 第二席
ライオンもハイエナも居てわがクラス時に一人の檻に入りたし 愛媛県立松山西高 三年 堀江 麻友美
 第三席
コンタクトをコンタクトなしで探すような、ふと気がつけばそんな生き様 埼玉県立上尾南高 二年 鈴木 大喜
 入 選
ふわふわでぽよぽよぽわんいいかおり初めて抱いたベビーの感触 広島県・福山暁の星女子高 二年 桑田 恵未
かくれんぼ鬼にまったく見つけられず自分で出て行く俺の人生 埼玉県立上尾南高 二年 永井 晃輔
叫んでもこの思い消えることはないなぜか涙、ひとすじつたう 宮城県第一女子高 三年 阿部 はづき
頑なな心よ蜘蛛の糸ほどに差し伸べられた手にも触れずに 福岡県立小倉商業高 三年 西尾 正輝
太陽にてらされながら手をのばす葉の輝きは生命の光 千葉県立市川東高 三年 清水 絢子
つまらない意地が「ごめん」をせき止めて、ねえ、足音までずれ始めてる 東京都・女子学院高 一年 畠中 美穂
風が吹く雲が流れる時がたつ今が過去へと変わりつつある 鹿児島県立南種子高 一年 濱田 詩織
クラス劇誰かの褒(ほ)辞(じ)を得なくとも頬を濡らすはやり遂げた想い 大阪府立大冠高 二年 岡崎 真美
荒れた日も涙した日も母の手の包丁を研ぐ早さ変わらず 神奈川県・カリタス女子高 二年 河合 麻衣
脱ぎすてた靴下の如くたくたとわたくしといふ抜け殻ひとつ 東京都・白百合学園高 二年 安田 百合絵
 佳 作
「時間無い」「自由な時間が欲しいんだ」そんなに自由があっても…どうする? 福岡県立糸島高 二年 松山 玲子
打ち水をコンクリに撒くゆらゆらとあなたが見える夏の幻影 福井県立高志高 三年 山本 佳奈
ハンドベル白き手袋清らかに奏でる賛美歌天使の調べ 福岡県・福岡雙葉高 三年 大屋 早希
アルバムと鏡を何度ものぞきこむ変わったような変わらぬような 埼玉県・浦和明の星女子高 一年 渡辺 充慧子
母の前カニさん歩きで通り過ぐ「ぷれぜんとなの」明日まで内緒 広島県立広島観音高 三年 石田 真弓
「ばか猫が」猫に悪口言いながら毎日えさをやる父の姿 東京都・専修大学附属高 一年 齊藤 晃子
現実を見ると疲れてしまうから眼鏡をかけて世界を歪める 大阪市立南高 三年 菅沼 悠
横文字を悩みながらも書き綴る海を渡って君に届けと 富山県立南砺総合高井波高 二年 鵜野 有沙
昨日今日明日明後日明明後日(しあさって)変わらぬ毎日それが幸せ 神戸市立須磨高 三年 森元 美穂
幼子の寝返り打つ様愛おしく楽しき夢に遊べよ遊べ 東京都・学習院女子高等科 一年 齋藤 妙子
うとうとと眠れば宿題足生えて僕の後ろを追いかけてくる 大阪府・箕面自由学園高 二年 田島 拓実
初志貫徹心に決めた大学名結露の窓に指先で書く 東京都・星美学園高 三年 関本 有生子
君が好き伝えられないこの気持ちタンポポ吹いて天までとどけ 沖縄県立那覇商業高 二年 木村 佳奈子
大丈夫きみは”独り”ではないんだよ。ただ”一人”でも在り得たんだよ。 大阪府立東寝屋川高 三年 吉田 昌平
物凄い早さで夏が走ってく靴紐結んで追いかけてみる 広島県・比治山女子高 二年 坂上 渚
空に溶けふいに消えゆくシャボン玉の儚き光は命にも似て 群馬県立館林女子高 一年 山本 友紀
熱帯夜微かな風も追いかけて寝返りをうつ夢の旅人 東京都・白梅学園高 三年 岡田 香織
真夜中に書いた日記を今朝もまた目をそらしつつBack space 京都府立嵯峨野高 一年 荒堀 みのり
墓参り車窓にうつる山並みに亡き祖父想う旅の一日 福岡県・久留米信愛女学院高 二年 植松 真梨
君の声聞こえてくるとせつなくてヘッドホンからROCKをながす 神戸市立六甲アイランド高 二年 岡田 涼平
ページのトップにもどる