BBC放送:中国のスパイ、冷戦からよみがえる
またまた中国ねたですが、今回は中国の諜報活動に関する特集記事を取り上げてみました
http://news.bbc.co.uk/2/hi/asia-pacific/4704691.stm
(訳文)
中国のスパイ、冷戦からよみがえる
By Tim Luard
冷戦から10年以上経った今、スパイたちがニュースの舞台へ帰ってきた。
でもそれは、サングラスを掛け、街角に潜んでいる、鍛え抜かれたKGBエージェントではない。最近、欧米で報道されるスパイは若々しく屈託のない中国の学生が主役となっている。
彼らの一部は著名な外国の社会的機関や組織での調査に携わっているが、一方では若々しく有能なビジネスマン候補生として西側の有名企業で働く若者もいる。
彼らの任務、またはそれに類するものだと報道記事が主張するのは、適法違法を問わず、世界の次の超大国へと中国の発展を加速する、科学技術や商業ビジネスのノウハウや情報を収集するという行為である。
英国のサンディ・テレグラフ紙は最近、第一級の中国エージェントがベルギーで“亡命”し、ヨーロッパの産業のあらゆる階層で何百人もの中国スパイが活動していると暴露した、との記事を掲載した。
ベルギーに拠点を置く産業スパイ網は、ルーバン中国学生協会(The Chinese Students' and Scholars' Association of Leuven)と呼ばれる組織を隠れ蓑として活動していたと、フランスのル・モンド紙は報じた。
以上の疑惑は、22歳の中国女性が“違法なデータベース侵入”の容疑で、彼女をインターンとして雇っていた自動車部品メーカーValeoから告発され、フランスで拘留された事件に続くものである。この女性はすでに釈放されている。
スウェーデンのラジオ放送局、Ekotのホームページによると、スウェーデン警察も、未公表で特許をまだ取得していない研究を当地の研究機関から盗んだとして、複数の中国人客員研究員に嫌疑をかけている。
経験を得る
つい最近、オーストラリアで亡命した中国の外交官、Chen Yonglinは、オーストラリアだけでも1,000人ものスパイを中国政府は送り込んでいると公言した。
しかし、シドニーの中国総領事館の一等書記官だったChen氏は、BBCニュースウェブサイトに対し、政治亡命が受け入れられるチャンスを台無しにしないために、彼の弁護士からこれ以上何も言わないように指示された、と語った。
Chen氏や他の亡命者の懇願に対する冷ややかな対応は、中国に対する西側諸国の態度を物語る。
政治、ビジネス、学術のいずれの分野においても、過度に中国政府の機嫌を損ねたり、中国市場-加えて中国は有能な上にしばしば非常に優秀な学生の膨大な供給源である-へのアクセスを脅かすようないかなる言動も慎む、という全体的な傾向がある。
中国は過去25年間に、自国の自然科学、科学技術、そしてビジネススキル向上を意識した政策のもと、60万人にも及ぶ留学生を海外に送り出してきた。
一部の留学生は、単に子供に良い教育を受けさせたいと願う富裕な家庭の出身だが、ほとんどの留学生は政府から奨学金を得ており、将来は母国のために活躍することが期待されている。
「中国の企業や情報機関にとって、多くが強い愛国心を持っているこのような学生達に接近し、商業的、または軍事的な利益となる情報を収集させることはいとも容易なことだ」Jane’s Country Riskアジア地域編集長Christian le Miereは言う。
最近の亡命は、このような接触があまりに多いため、学生達が収集した情報が貴重な知識の蓄積になっているということを示唆している、と彼は述べた。
アメリカで露見したあるケースでは、中国のエージェント達は新人スパイに対し、もし与えられた仕事に失敗したら中国の家族に危険が及ぶと告げ、圧力を掛けたそうである。
しかしこのように露見したわずかな事件が裁判に持ち込まれても、立証することも、捕まらない訓練を受けた人々を法廷へ立たせることも難しいと、諜報活動を描いた「ほかの手段による戦争」の著者、John Fialkaは言う。
「婦女暴行の被害者のように、スパイに侵入された会社は証言に消極的です。彼らは自分達の社員に会社がだまされたことを人々に知られたくないのです。」と彼は追記した。
軍事的なつながり
多くの場合、合法なことと違法なことの間には明確な区別がある。
アジア社会では、知的財産に関する法的な見方が他の国々より尊重されない傾向にある、とFialka氏は言う。
しかし中国は、その経済実体がいまだに政府と軍に密接に結びついているということから、他の多くの国々とは異なる、と彼は付け加えた。
合衆国政府当局者によると、中国は科学技術と軍事機密の取得を主目的とする約3,000もの“見掛けの”会社を米国内に持っているそうだ。
合衆国内の右翼グループやオーストラリア、カナダなどの野党勢力は、西側諸国の開放性と寛大さに中国がつけ込む隙を与えたことを、西側諸国はいつの日にか後悔するだろう、と警告している。
中国の経済力と政治力の劇的な増大は、すぐに軍事面にも及ぶだろうと、彼らは主張する。
しかし中国は、合法な商業・産業競争に対する偏狭な恐れから生じるでっち上げだとして、憤然とスパイ行為疑惑を否定している。
ロンドンに拠点を置くAsia Pacific Technology Networkの最高責任者、Louis Turnerは、“追い上げる”という過程では、最先端の研究が行われている場所のなるだけ近くに人々を送り込み、情報を返信させるというのはごく普通のプロセスだ、と言う。
「かって日本が西洋諸国から学ぶ際に、効率的に要領やコツを盗用したのと同じようなものでしょう、中国が何らかの技術的諜報活動を全く行っていないとしたら私は大いに驚きます…、そしてスパイ活動の背後には間違いなく中国軍部が存在するでしょう」と彼は語った。
しかし、中国は相互協力には純粋に熱心であり、科学技術分野において中国が見せた急速な進歩の背景には、中国という国全体の大きさ、経済的活力と学ぼうとする意欲が主要因としてある、とも語った。
今や中国国内のいくつかの大学は世界レベルの研究者達を輩出しており、中国のサイエンスパークは60年代のシリコンバレーにも対比される、その上、彼は付け加えた-「より結束が強く、より大規模だけどね」。
(私見・偏見・コメント)
中国のスパイ、といっても007のボンドガールのような派手な諜報員ではないようです。
留学生に資金を提供しスパイとして活用する、という事の真偽は判りませんが、諜報機関担当者が考えつきそうなことです。
最後のLouis Turner氏の見解が最も正論かもしれません。
勿論、全ての中国人留学生がスパイであるはずがありませんので、この記事を読んで彼らを偏見の目で見るようなことがないように願います。
余談となりますが、20年程前に、中国人の先生に作ってもらった餃子は旨かったですね。
(ついでに余談)
中国に関する記事を取り上げる機会が多いですが、これはネタ元のBBC放送HP・Asia-Pacificのセクションで中国を取り上げた記事が多いためです。
セレクトした記事の内容や私のコメントから、私が反中国的な思想の持ち主と思われるかも知れませんが、どちらかといえば親中派でしょう。ただ、4月の官製反日デモや尖閣諸島資源問題、拡大する一方の軍備など、近隣国の住民として不安を憶えることが増えていることは否めないと思います。
(お知らせ)
最近の記事を追ってきましたが、特集記事(長いので訳が大変)も取り上げていこうと思います。そのため、投稿の間隔が空くようになると思います。
この訳は私の英語練習メモです。ミスもしていると思います。BBC放送からオーソライズされた訳ではありません。この訳を読んだこと、利用したことにより不利益や被害が発生したとしても、当方に責任はありません。
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