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史上最大の更新幅!ボルト9秒58世界新V

<世界陸上 男子100メートル・決勝>9秒58の世界新記録で優勝したボルト(右)、中央は2位のゲイ、左は3位のアサファ・パウエル
<世界陸上 男子100メートル・決勝>9秒58の世界新記録で優勝したボルト(右)、中央は2位のゲイ、左は3位のアサファ・パウエル
Photo By スポニチ

 陸上世界選手権第2日は16日、ドイツ・ベルリンのベルリン五輪スタジアムで行われ、男子100メートル決勝でウサイン・ボルト(22=ジャマイカ)が、9秒58の世界新記録で圧勝した。昨年の北京五輪で自身がマークしたこれまでの世界記録9秒69を一気に0・11秒も更新。電気計時導入後、史上最大の更新幅で真価と進化を見せつけた。タイソン・ゲイ(27=米国)が世界歴代2位となる米国新の9秒71で2位、前世界記録保持者のアサファ・パウエル(26=ジャマイカ)が9秒84で3位。日本のエース・塚原直貴(24=富士通)は準決勝で敗れた。

 青いトラックを黄色い稲妻が切り裂いた。ゴール脇の速報掲示板に人類初の9秒5台となる9秒58のスーパーレコードが表示されると、5万人超の大観衆で埋まったスタンドからは地鳴りのような歓声が降り注いだ。ちょうど1年前の同じ8月16日に北京五輪で100メートルを世界新で制した怪物が、規格外の進化を見せつけた瞬間だった。

 「勝つためにベルリンに来た。これは歴史的な瞬間だ。初めて9秒5で走った人間になれて誇りに思うし、とてもうれしい。特別な気持ちだ」

 北京五輪後に徹底してスタート強化を図ったこともあり、ピストルへの反応時間は北京五輪決勝の0・165秒に対し、この日は0・146秒。上体を起こした30メートル付近ですでに先頭に立っていた。「好スタートが切れて、加速も良かった。50メートルを過ぎてからは自分の強みなので、もう抜かれないと思った」。0・9メートルの追い風(風速2メートルを越えると追い風参考記録となる)を背に加速するとゴール直前に右隣のレーンのゲイをちらりと見ただけで、最後まで全力で駆け抜けた。ラスト20メートルを流して9秒69だった北京とは対照的なフィニッシュで、電気計時導入後、史上最大となる0・11秒の大幅更新。優勝賞金6万ドル、世界新ボーナス10万ドルの計16万ドル(約1520万円)も手にした。

 4月29日、自ら運転する車が雨で濡れた高速道路でスリップし、数回横転して道路脇の溝に突っ込んだ。無惨に愛車は大破。だが、ボルトは右足裏に軽傷を負っただけで奇跡的に生還。「今季は山あり谷ありだった」と振り返ったが、競技への影響は最小限で済んだ。

 18日には200メートルがスタートする。ターゲットはもちろん、自身が保持する19秒30の世界記録だ。「200でもすごいことが起こる。そう思ってもらっていい。オレにはなんでも可能なんだ」。どんなスーパーレコードが待っているのか、それはボルトだけが知っている。

 ◆ウサイン・ボルト 1986年8月21日、ジャマイカ北西部トレローニー出身の22歳。14歳でクリケットから陸上に転向し、02年世界ジュニアの200メートルで優勝。07年の世界選手権(大阪)の同種目で2位。北京五輪では100メートル、200メートルと400メートルリレーでいずれも世界新記録をマークして3冠。1メートル96、86キロ。名前のBOLTは「稲妻」「ねじ」のボルトと同じスペル。

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