平成8年 33,722件の自動車盗難認知件数であった自動車盗難は、毎年急増し、平成14年若干減少、平成15年再び増加し、64,223件となりました。平成16年からは毎年減少し、平成20年には27,515件となっています。しかし、まだ高い水準で盗難被害に遭っているといえます。
自動車の盗難
自動車の盗難が急増
キー無しは減少。鍵をかけていても盗まれるケースが増加
平成8年56.3%あった鍵をつけたまま少し車を離れた隙に・・・といったキー有りの被害は自動車盗難被害の増加に伴い平成20年27.7%と減少しています。つまり、たまたま通りがかった時に自動車にキーが入っていたので盗まれたといった被害ではなく、プロの窃盗団による車種を絞った盗難が増えているのです。
自動車盗難の手口も巧妙化し、窓を割ってといった原始的方法からピッキング、不正合い鍵作成、赤外線や電波を使用したワイヤレスキーの不正解錠など、どんどん巧妙化しています。
こんな手口による被害が発生・・・
- 交差点で追突事故を起こし、持ち主が車を降りて話し合いをするために車から離れた隙に別の人間が乗り込み逃走。
- ドアの鍵穴を壊し、車内のコードを直結してエンジンをかけ盗み出す。
- 盗んだ車は人目に付かない山中で部品に分解し輸出。
- 中古車オークション会場で客を装いスペアキーを盗むとともに、ボンネットを開けてエンジン付近などに書かれている車台番号を控え、登録事項照明書を取得。証明書から所有者を追跡して夜中に駐車中の車を盗む。
- 車からナンバープレートと車検証を盗み、盗難車の売買に悪用。
- 駐車場にレッカー車、クレーン車で乗り付け、ターゲットの車を持ち去る。
- 家に侵入し、車のキー・スペアキーを入手する。
- 窓の隙間から針金で解錠する。
- シリンダーから合い鍵を複製する。
- ドアシリンダー・ドアハンドルを工具でこじり、解錠する。
- 本人になりすましてキーを受け取る。
自動車盗難の多い車種
平成19年最も被害にあったのが「ハイエース」で16.2%で、
平成15年よりずっと1位だった「ランドクルーザー」は5位となりました。
ミニバンと軽自動車が増加傾向にあります。
(日本損害保険協会調査結果)
平成16年
- ランドクルーザー
- ハリアー
- RAV4
- セルシオ
- グロリア
平成19年
- ハイエース(16.2%)
- ハリアー(8.1%)
- ワゴンR(4.7%)
- マークX(4.2%)
- ランドクルーザー(4.0%)
- クラウン(4.0%)
- セルシオ(3.0%)
被害に遭った場所(H20年)
駐車場の中では、夜間照明がない・少ない駐車場での被害が多い。契約駐車場の場合には、駐車場所の選定も慎重に行う必要がある。照明が行き届いており、外部から見通しの良い場所が狙われにくい。
車上狙い
車上狙いでは、「カーナビ」の被害が最も多く、全体の41%。
20万円以上の高級カーナビが狙われる傾向にあり
20万円以上の被害が6割、10万円以上の被害が9割となっている。
車の中に置かれたノートパソコンが盗まれ中の個人情報が一緒に盗まれることが大きな問題になっています。
車上狙いが多いのは
1位 大阪府2位 千葉県
3位 愛知県
4位 神奈川県
5位 埼玉県
- 子供を保育園に送迎する親が車から離れた隙に車上荒し。子供に気をとられて車に施錠しない親が多い。
- 店内から死角になりやすく、入店後しばらく持ち主が車に戻らないファミリーレストランの駐車場からドライバー1本で鍵開け(約2秒)し、車上荒し。
車上荒らし対策
- わずかな時間でも車を離れる時は必ずエンジンキーを抜き、ステアリングロックも確実にきかせておく。ドアをロックし、窓も完全に閉めていることを確認してから離れる。
特に追突事故や子供の送迎などちょっとした時間を狙っての犯行に注意。 - 貴重品は車の中に置かない。バックや背広、小銭でも見えていると車上荒しに遭う確率が高くなる。
- ノートパソコン・重要書類などを車内に置かない。個人情報保護法でもっと大きな問題になることもある。
- 路上駐車はせず、監視の行き届いた駐車場、夜間照明・監視カメラのある駐車場を選び、照明の良く当たる周囲から見通しの良い場所を選択して駐車する。
「駐車場内 2ルクス。車路10ルクスが警察庁「安全・安心まちづくり推奨要項」における防犯照明の推奨照度」 - 一定時間以上車から離れる時には、常に車を確認する。
- 容易にキーを人に預けない。預ける時は預り証を受け取る。
- 車内にスペアキーを保管しない。
- 家の玄関など目立つところにキー・スペアキーを置かない。保管は厳重に。
- 人前でキーをわずかな時間でも放置しない。居酒屋・サウナ・スポーツジムなど背広のポケットや入れっぱなしにしたり、テーブルの上に置いたまま離籍しない。
- ボディカバーをつけ、車種を特定されないようにする。
- 自宅の車庫はできる限りシャッター付きの車庫の方が安心。人感ライトを設置し、人が来ると自動的に照明が点灯するようにする。
- 車外からカーナビが見えないようにカバーをかける。
- 持ち運びが出来るタイプのカーナビは駐車時は自宅に持ち帰る。
- カーナビを取り付ける際には盗難防止対策を施した特殊なネジを使用して、取り去りを困難にする。
- 自動車盗難防止装置を設置する。
ハンドル固定ロック式防犯装置やイモビライザー、振動センサー・空気圧センサー、電圧変化センサー、キー穴異常センサーなど。 - 車の位置確認サービスと契約する。