2009年08月17日
SEO業者からの営業電話対応マニュアル
「SEO業者」という言葉が「SEO会社」より使われている気がする昨今。
なぜ「web制作会社」は「web制作業者」ではないのか。
「業者」と「会社」という、二つの言葉の間に隠された社会の謎を解明する、京都のSEOコンサルタント松尾です。
いきなりですが、先週、他社SEO業者さんからの電話がかかってきました。
その営業さんの語り口調がなかなか流暢で、一時、メールのやりとりをする仲となりました。
ただ、サービスの詳細を聞いたところ、自社と属性が合わなかったので導入を辞めましたが、営業担当の人に対して「おおっ」と思ったのは久々かもしれません。
そんなことがあり、今回は「SEO業者の営業電話対応マニュアル」を取り上げてみようと思いました。
信頼できるSEO業者とそうでないSEO業者を、電話で見分けるためのマニュアルです。
うちはSEO業務を行っているのですが、たまにSEO業者さんから電話がかかってきます。
正確には、うちが運営している別商品サイトに対して営業をかけてくるのですが、そんな時、うちのスタッフには「下記のマニュアルで対応するように」と伝えてあります。
もし、怪しそうなSEO業者さんから電話がかかってきた時には、下記マニュアルを参考に質問してみて下さい。
質問にさくさく答えてくれるSEO業者なら、詳しく話を聞いてみても良いかもしれません。
思わぬ情報が仕入れられることもあります。
1、「SEO業者なのに、どうして営業電話してらっしゃるんですか?」と聞く
まずこれを聞きます。
「SEO業者なのに、どうして営業電話してらっしゃるんですか?」
・・・というのが当方の持論ですが、営業電話を全否定しているわけではありません。
ネット集客と営業電話では、顧客属性が違うことがあるからです。
販路拡大を目的とした電話営業は立派なマーケティング戦略です。
ただ、SEOの場合は、論より証拠ということで、ネットで集客ができていることが大前提になってくると思います。
ネット集客が成功している上で、営業電話を行っているのなら意味が分かるのですが、ネット集客が失敗しているのに営業電話をしている場合は、ちょっとおかしいのでは?と思います。
例えば、当方が知っている営業電話は、とても残念な営業電話です。
相手のことをきちんと調べもせず、検索結果上位のサイトから片っ端に電話をかけまくる。
それは「ハローページ戦略(もしくはタウンページ戦略)」と、当方が勝手に呼んでいる営業手法ですが、そういうことが実際に行われている場合があります。
そのため、SEO業者さんからの電話には、まず「SEO業者さんなのに、どうして営業電話してるんですか?」と質問するようにしましょう。
「弊社は現在、『●●』で検索していただければ分かるように、ネットで十分な販路を得ております。しかし、ネット上のダイレクトアクセスだけでは集客に限界がありますので、マーケティング戦略上、電話営業も行っています」
という回答なら、良い切り返しだと思います。
この切り返しが上手いかどうかで、電話を続けて良いかどうかを検討します。
2、「どんなSEOですか?外的ですか、内的ですか?」と聞く
電話を続けても良いなと思ったら、次は「どんなSEOですか?外的ですか?内的ですか?」と聞きましょう。
そのSEO業者の施策内容を聞き出します。
「外的」というのは、被リンク対策のSEOです。
自社運営サイトからリンクを張ったり、自社でリンク用のサテライトサイトを制作したりします。
どこの企業さんかは忘れましたが、クライアントの商品を扱うレビューサイトを作り、リンク対策だけでなく、企業ブランディングまで担うサービスまであるようです(なんちゅーサービス)
次に「内的」ですが、ソースの軽量化や、文章、メニュー配置の見直しなどを行います。
一見、非常に地味な施策ですが、大きな効果が期待できますので、侮れません。
ソースの軽量化についてですが「W3C準拠にしてAnother HTMLで100点満点にします!」というのだけだとワケ分かりませんので、軽く無視して下さい。
(ソースが綺麗になるのは良いに越したことがないですが)
SEOにおけるソースチューニングとは、CSSのabsoluteを使って、各パーツを重要な順に並べ替えたり(音声ブラウザに優しくなる)、テーブルレイアウトで<tr><td>の順番がごっちゃになってしまっているのを直したりすることです。(きちんと<th>設定したり)
あと「これって定義タグ使うべきだよね?」とか「ここって住所とか連絡先の部分だからaddressタグ使おうよ」とか「引用だからblockquote使うべきじゃね?」、「linkタグのhelpにsitemapへのリンク入ってないから入れよう」、「カノニカルって結局どうなのよ」という感じで行います。
ここまでは普通のWeb屋さんにも対応できますが、文章チューニングに関しては、1ページ1ページ、最適なタイトルやdescriptionを設定し、それに沿って本文をリライトしていきます。
これがまあ、とてつもなく地味な作業です。
同じ事をデザイン担当のスタッフにさせてみたら、発狂してました。
100ページくらいのサイトなら、丸一日以上かかってしまうので、当方が最も嫌いな作業なのですが(爆)、最も効果が高いので避けられません。
内的SEOと言えば、EFO(エントリーフォーム最適化)などをパッケージ化し、LPO(ランディングページ最適化)を含めて行う企業さんが増えてきたようです。
EFOはSEOと直接の関係はありませんが、訪問者に配慮した素晴らしい施策だと思います。
SEOで頑張って集客をして、LPOを作り込んで、直帰率などを減らして頑張っても、肝心の申し込みがよくわからなければ、CVRは上がらなかったりします。
ネットショップを運営しているサイトや、資料請求、申し込みなどフォームを使うサイトを運営の方々は、一度はこのEFOを考えて、フォームを見直した方がいいかもしれません。
3、「実際に導入しているサイトを教えてくれませんか?」と聞く
これは効果がありそうだと思ったら、「実際に導入しているサイトを教えてもらえますか?」と聞きましょう。
導入サイトを聞こうとすると「守秘義務です」と言われるパターンがあるかもしれませんが、まったく教えてくれないとなると、完全にNGでしょう。
SEOはただでさえグレーな世界なのに、そんなことでは、完全にブラックな世界に突入してしまいます。
「サンプルサイトしかお教えできませんが・・・」という形で、幾つかサイトを教えてくれたら、次のステップに進みましょう。
4、linkコマンドでバックリンクをチェック
これが一番重要です。
聞き出したURLの先頭に「link:」を付けて、Yahoo!で検索して下さい。
そうすれば、どんなバックリンクが付いているかが一目で分かります。
ちなみに、Googleではバックリンクが全て表示されないのでダメです。必ずYahoo!を使って下さい。
(検索結果表示は100件表示にすると見やすいかも)
例えば、このブログなら
link:http://www.seo-keni.jp/blog/
と検索します。
これでどんな被リンクが付いているかが分かります。
もしそのサイトが上位表示しているのなら、その上位表示が、業者が提案した施策によるものなのか、それとも、他の要因によるものなのか(例:自社サイトからの大量リンクなど)、見極める必要があります。
例えば、無機質なテキストだらけのページからのリンクとか、ツールで生成されたようなリンクがあったら、そのリンクは要チェックです。
そのリンクについて質問してみましょう。
その質問にきちんと答えられないなら、ちょっと心配です。
ただ、たまに「こんなリンク、本当に知りませんよ」というリンクがありますので(自動収集型ツールに勝手にリンクを貼られてたり)、そういう場合、「うちはこのリンクとは無関係です!」と言ってもらえると、かえって信用度がアップするかもしれません。
5、「あとはメールにて詳細を教えてもらえますか?」と言う
ステップ4までクリアすれば、そのSEO業者さんは信頼がおける業者だと思います。
業者さんへの最後の回答をします。
「あとはメールにて詳細を教えてもらえますか?」
電話でのやりとりは、トラブル時の「言った、言わない」の関係を生み出す元となりますので、細かな事はメールで聞くのがベターです。
「テキストで情報を残す」
これがネットビジネスにおける最大の守りだと考えて下さい。
契約までの情報を、テキストで残すことに躊躇う業者さんはNGでしょう。
自分もSEO業務をしていますが、正直なところ、外的SEOという業務は難しいなと思ってます。
外部リンクを人工的に増やす行為はSEOとは呼べず、そもそも、サイトを「検索エンジンに最適な状態」にしないからです。
とはいえ、被リンク対策がまだまだ効果があるのは事実。
うちが行っている外的サービスは、ブログパーツ等を作って、そのソースを配布することで、自然発のリンクをゲットする方法です。
その方法自体、賛否両論あると思いますが、リンクって人気票みたいなものなので、そういう方法でのリンク対策はスパムではないと思ってます。
その他、限りなくホワイトに近い外部リンク対策を色々と模索しているわけですが、最近お勧めしたいのが、 です。
プレスリリースは、昔から多くの企業さんが行っているPR手法ですが、中小企業さん、はたまた個人の起業家さんでも出稿できることを知らない人が多すぎます。
プレスリリース戦略が成功すると、かなりのリンクが集まります。
そこにSEOのエッセンスを加えるようにしているんですが、例えば、リリース文をキーワードを意識した文章にリライトしたりします。
その他、記者の方に取り上げてもらいやすいよう、目を引くヘッダーコピーを研究したりしています。
ヘッダーコピーの研究は、SEOにおけるタイトルタグの修正なんかにもつながります。
プレスリリースを行うことの最大のメリットは、被リンクが集まること以上に、
権威あるサイトが、自社サービスを紹介してくれますので、これ以上のご褒美はありません。
また、自分の知らない記者さんが貴重な時間を使って、自らの手で紹介記事を書いてくれることもあります。
ペイパーポストではありませんので、それがまた感動なのです。
コンテンツを考えるまでが生みの苦しみですが、それを差し引いても余りある効果が期待できると思います。
何より、皆に胸を張って自慢できる対策ですし、レベル40の僧侶になったからこそ導入できるパラディンテクニックなのです。(ドラクエネタですいません)
PS:
今日は海外SEOの鈴木さんとお茶してきました。
SEO談義やネットビジネスのことなど、濃い時間を共有してきました。
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