高額医療と医療費控除の違い
病院の窓口に訪れる患者さんからの質問として多いとされるのが、医療費控除と高額医療の違いについてです。
例えば「1年間かかった医療きが合計10万以上なので、領収書を持っていけば手続きできますよね」という質問をする方がいます。この質問は医療費控除と高額医療を勘違いして捉えている質問です。
そもそも高額医療の申請は加入している健康保険組合へ行います。保険証の保険者の欄に書かれているのが、あなたが加入している組合です。
つまり、社会健康保険の方は会社または社会保険事務所、国民健康保険の方は、市町村で手続きを行わなければなりません。
また、高額医療で対象となるのはあくまで保険が適用されているものであって、保険が適用されてないものについては対象となりません。
さらに、対象の医療費も月別、病院別、診療科別での計算、また通院か入院によっても別になります。
一方、医療費控除は毎年2月から3月に行われる確定申告で税務署へ申請して還付を受けるものです。
条件としては、1年間で同じ世帯の医療費の支払いが10万円以上あることが必要です。この時、書類とあわせて病院でもらった領収書を一緒に提出しなければなりません。
この場合、保険が適用されない分も対象になりますので、通院で利用したタクシー代など交通費の領収書も必要になります。
ただ保険金は医療費から差し引かれるという点は注意しなければなりません。つまり高額医療で還付された金額は、医療費から差し引かれることになります。
つまり医療費控除は税金が還付されるものであって、高額医療は保険が還付されるもので、全く別のものなのです。
その点の違いを理解していなくて、高額医療も年末に申請したらいいと思っている人も少なくないようです。
高額医療は2年以内なら申請できることになっていますが、申請を考えている人は制度の内容をよく理解しておくようにしましょう。