朗報が重なることの例えに「盆と正月が一緒に来たよう」という慣用句がある。日本のラグビー関係者にとって今年の盆はまさにそんな感じだろう。
7月末に2019年ラグビー・ワールドカップ(W杯)の日本開催が決まったばかりのところに、16年夏季五輪の追加競技の候補に7人制ラグビーが選ばれた。日本ラグビー界は二重の喜びに沸く。
ラグビーは球技の楽しさと激しいタックルが見せ場で、走る格闘技と呼ばれる。五輪やW杯に向け選手育成が強化されるだろうが、最近は人気低迷が著しい。スター不在とサッカー・Jリーグの影響とされる。
かつて日本ラグビーには何度かの黄金期があった。最も輝いていたのは、2人のスーパースターが同時期に活躍したころだ。1人は松尾雄治さん。明治大から新日鉄釜石に入り、日本選手権7連覇の原動力となった。
もう1人は平尾誠二さん。同志社大を経て神戸製鋼の7連覇に貢献した。2人の華麗なステップや独走トライはファンを魅了した。特に貴公子然とした平尾さんは女性の人気が高かった。「平尾さんの試合はテレビの前で正座して見る」という女性を何人か知っている。
日本ラグビーの新たな歴史を築くには、スーパースターの誕生が待たれる。スポーツ好きの子どもたち、さあ挑戦だ。