
ここ数年、夜明け前からFMを聞きながらブログを書く日々を送っています。私の住む熊本では日曜日の朝、深見東州さんと声優の鈴木弘子さんがMCを務める「さわやかTHIS WAY」という番組が流れています。一般にはあまり知られることのない深見東洲さんについては、あえてここでは触れませんが、オペラを自ら上演するなど多彩な人ではあります。
この番組でモーツァルトの「ドン・ジョヴァンニ」に関する話があります。オペラというものにこれまで全く関心がなく、まともに聴いたことも観たこともない私が、この話を聞いて面白いと思ったことがありました。オペラに限らずクラシック音楽の舞台、コンサートは基本的に正装して聴くものだと、テレビでたまに見かけて、そう思っていますが、この「ドン・ジョヴァンニ」について、深見さんとオペラ演出家の大島尚志さんの話が面白かったのです。
<Mozart - Don Giovanni - Overture and start of scene 1>
http://www.youtube.com/watch?gl=JP&hl=ja&v=SotSKAYTyDw
「ドン・ジョヴァンニ」はイタリア語名で、スペインの伝説の放蕩者ドン・ファンの物語。従者のレポレッロの記録によると、スペインですでに1003人の女性と関係を持ったとされるという女たらしで名うて貴族。モーツァルトが「フィガロの結婚」に続き、貴族を痛烈に批判するこの物語を、有り難がって正装して聞き入る観客が可笑しい、と。
モーツァルトはこのオペラで、ドン・ジョヴァンにかき回される人が、かき回されることによって人間として脱皮していく物語を描いてみせている、という話です。改めてこのストーリーを見てみると、手当たり次第に女性を歯牙にかけるジョヴァンニに、最後に、人格化した石像がその手を捕まえ、「悔い改めよ、生き方を変えろ」と迫って、地獄の戸が開き、ジョヴァンニを引きずり込むという、納まるところに納まってはいますが、確かにめちゃくちゃな話です。
このオペラを書いた当時のモーツァルトの足跡を辿ると・・・
1784年 - (28歳);第2子カール・トーマス・モーツァルト誕生。フリーメイソンリーに入会(書類上では12月5日)。以後その思想に影響を受けたとみられる。
1786年 - (30歳) 5月1日、オペラ『フィガロの結婚 K.492』をブルク劇場で初演。
1787年 - (31歳) 『フィガロの結婚』がプラハで大ヒットしたため同地訪問。4月、ベートーヴェンがモーツァルトを訪れる?(記録無し)。5月、父・レオポルト死去。10月、新作の作曲依頼を受け、オペラ『ドン・ジョヴァンニ K.527』を作曲、プラハエステート劇場で初演。モーツァルト自らが指揮をとる。
こうした時代背景に生まれたこのオペラ。モーツァルトはこの音楽を通じて、貴族を嗤うばかりではなく、聴衆をも嗤っていたのでしょうか。ミロシュ・フォアマン監督の1984年の映画「アマデウス」をもう一度観たくなりました。
<ドン・ジョヴァンニ - Wikipedia>
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%89%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%B4%E3%82%A1%E3%83%B3%E3%83%8B
<ドン・ファン- Wikipedia>
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%89%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%B3
<「ドンファン」(映画)>
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%89%E3%83%B3%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%B3_(%E6%98%A0%E7%94%BB)
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