トップ > 中日スポーツ > 格闘技 > 紙面から一覧 > 記事
【格闘技】暴走コング・真壁初V2009年8月17日 紙面から “暴走コング”真壁刀義(36)が初優勝を飾った。準決勝でノアの刺客・杉浦貴(39)を一蹴(いっしゅう)。決勝は中邑真輔(29)に大流血の末、トップロープからのヒザ爆弾で逆転勝ち。デビュー12年目のシングル初タイトルに「今の気分は最低か最高かと聞かれれば最高だよ。そしてオレは最強だよ!」とリング上で絶叫。「次はテメーのベルトだよ」と標的をIWGPヘビー級王者棚橋弘至(32)に絞った。 誰がこんな結末を予想しただろうか。開幕3戦白星のなかった「大穴」真壁が、あれよあれよと真夏の頂点に立った。 「オメーらみたいな奴らにはな、死んでも言いたくねぇーんだよ。でも今日ばかりは、サンキューな」。憎まれ口をたたきつつ、マカベ・コールを送る観客に感謝した。 デビュー12年目の初タイトル。込み上げてくるものがあった。「遅咲きだよ。長年ショボくて鳴かず飛ばず。どうしようもなかった。頑張ってもダメだった」と、これまでの道のりを振り返る。05年、アキレスけん断裂の重傷。引退も考えた。「病院で食事を壁に投げつけたりしていた」というほど荒れ狂った。だが、決して腐らなかった。「周囲が『ダメだ』というほど、コンチクショーという気持ちになるんだよ」。地獄の練習に耐え、命懸けでここまではい上がってきた。 「賞金1000万円? ナメんじゃねぇ。女遊びに決まってるだろ」。額から血を流しながらニヤリ。“暴走コング”は最後まで吠(ほ)えまくっていた。 (森合正範)
|