logo
1606012                     警戒せよ! 

         中曽根康弘氏の東亜共同体構想 


                     現代史研究家 窪田孝司




 中曾根康弘元首相が、「東亜共同体構想」を提唱している。
バブル崩壊の執行人・国賊・中曾根康弘

 その中曾根提案を支持するかのように、神戸大学五百旗部真教授が、
「中央公論」5月号に、「反中“原理主義”は有害無益である」を寄せた。

 続いて、「朝日新聞」5月11日付は昨年、日中両首脳の合意で発足した
新日中友好21世紀委員会の「日中両国座長に聞く」と題して紙面を大きく
割き特集した。

 日本側座長の小林陽太郎富士ゼロックス会長は

 「官房長官の諮問を受けた懇談会が、無宗教の追悼施設が必要だとする報告
  が出ている。結論を出す必要がある。委員会でも、歴史問題もきちんと
  整理したい」

 と述べている。

 続いて、「産経新聞」5月19日付は

 「東アジア共同体評議会が創立、会長に中曾根元首相」

 と報じた。中曾根氏の「東亜共同体構想」は、着実に世論形成に成功して
いるようだ。
石原慎太郎

 5月27日の中曾根氏の誕生祝いでは、石原慎太郎東京都知事が

 「中曾根元総理の中国に対する認識は私と違う」

 と、東亜共同体論に異論を述べたと、産経新聞は報じているが、中曾根氏を
頂点に、大きな組織的広がりを展開する東亜共同体論派に、どれだけの反撃
効果があったのか分からない。

 また、中西輝政 京大教授も「諸君!」6月号の「国際テロ組織と次なる試練
の時」の中で、

 「日本は、他の国と一緒になって、共同体を形成するような存在ではない」

 と述べている。これは、中曾根氏の提唱に、それとなく反撃した者であろう
と思われる。

 実は、私は中曾根氏の「東亜共同体構想」の提唱以前から非保守系論客の
「東亜共同体論」に疑いの目を向けていた。

 その理由は、大正生まれの私や同時代の人々にとって、「東亜共同体」とか
「東亜新秩序」とかの言葉は、あの時代の国民に悲痛な思いをさせた尾崎秀実
等の謀略「敗戦革命」を思い起こさせるからだ。つまり、日本国の指導者と
国民を誤導した尾崎等の「東亜共同体論」と同じようなことを主張している
非保守系論客の論理を知りたい、と思ったからである。

 昭和16年12月12日に内閣情報局は

 「今次の対米英戦は、支那事変もふくめ、大東亜戦争と呼称す。大東亜戦争
  と称するのは、大東亜新秩序建設を目的とする戦争なることを意味する
  ものにして、戦争地域を、大東亜のみに限定する意味にあらず」

 と公表している。

 尾崎等の謀略「敗戦革命」は、我が国の同胞、軍民あわせて310万人の尊い
生命を死に追いやったのである。それ故に、非保守系の論客の「東亜共同体論」
に注意を払わざるを得ない。私は

 「大東亜戦争はコミンテルンの謀略として行われた。A級戦犯はコミンテルン
  である。靖国神社に戦犯はいない」

 と、常に思っている。

 大東亜戦争を論ずる際の根本資料とされている

  三田村武夫著『大東亜戦争とスターリンの謀略』(自由社刊)

 に、岸信介元首相が序文を寄せている。重要な内容なので、その一部を次に
引く。

〈支那事変を長期化させ、日支和平の芽をつぶし、日本をして対ソ戦略から、
 対米英仏蘭の南進戦略に転換させて、遂に、大東亜戦争を引き起こさせた
 張本人は、ソ連のスターリンが指導するコミンテルンであり、日本国内で、
 巧妙にこれを誘導したのが、共産主義者の尾崎秀実であった。

 近衛文麿東條英機の両首相をはじめ、この私まで含めて、支那事変から
 大東亜戦争を指導した我々は、言うなれば、スターリンと尾崎に踊らされ
 た操り人形だったということになる。今、思うに、真の戦争犯罪人は、
 スターリンでなければならない。

 然るに、このスターリンの部下が、東京裁判の検事となり、判事をつとめた
 のだから、まことに茶番というほかはない〉


関連HP

  <紫霄閣> バブル崩壊の怪 --- 中曽根、竹下、澄田とは何者か? 

  <周真会> 戦後日本の恐るべき真実・日本亡国の大陰謀 スターリン命令と松本治一郎 



(平成16年6月25日号)

犯罪・陰謀の目次に戻る H16.6.25号の目次に戻る
項目別 目次に戻る  発行年月順 目次に戻る
トップに戻る      索引に戻る

Copyright The Kokumin Shinbun, all right reserved.